先日、「ブッダ 赤い砂漠よ!美しく」を観てきました。
ストーリーは、
2500年前のインド。国同士の争いが絶えないこの地に、シャカ国の王子として生まれたゴータマ・シッダールタは、世界の王になると予言されていた。思春期を迎えたシッダールタは、盗賊の少女ミゲーラたち身分の低い人々と心を通い合わせるうちに、階級社会に疑問を抱くようになる。やがて強大なコーサラ国が攻め入って来た。コーサラ国を率いるのは奴隷の生まれを隠し、立身出世を目指す勇者チャプラ。二人は戦場で相見える事に…。
というお話です。
映画館で観終わった時に、周りの声をこっそり聞いていたら、「何やってたのか解らなかった。」という声が結構ありました。原作を読んでいて、まして、映画に慣れていても、今回のブッダ、時系列がめちゃくちゃでした。

私は、手塚先生の原作は、随分昔から読んでいるのですが、原作のままではなく、盛り上がりを作る為に、チャプラとシッダールタを戦わせようとしたせいで、時間がめちゃくちゃなんですよ。だって、原作では、シッダールタとチャプラが戦う場面はないし、原作では、シッダールタは、タッタと同年代なので、大きくなったタッタにしか会っていません。あの時間で行くと、チャプラが死ぬ時、タッタは20歳以上になっていないと可笑しいんです。だから、観ている人は、あれっ???ってなってしまうと思います。ちゃんと年表を作って、その年齢に合わせたように進めていかないと、観ている方は、理解出来ません。
そして、絵なんですが、今回、少し手を抜いていたんですか?沐浴などの水場のシーンがあるのですが、どう見ても、水に浸かっているのではなく、草原を歩いているように見えてしまって、絵の酷さが目に付きました。確かに、人物は、丁寧に描いている場面もありますが、もう少し、美術にも手を入れたほうが良かったのではないでしょうか。日本のアニメは、TVでも随分技術的に上がってきているので、映画として上映するのなら、もう少しレベルを上げたほうが良いのではないでしょうか。手塚プロから文句が出なかったのかなぁ。
ストーリー上で、もう一つ、シッダールタの子供のラーフラに触れている場面が一切ありませんでした。そしてバンダカが戦地に行く前に女性に子供を作らせていて、それが後のダイバダッタになるので、その事にも触れていないと、今後の展開に問題が出てくるのでは?
このブッダは、登場人物がとても多いので、変に、人と人を絡ませたりすると、収拾がつかなくなります。それぞれに、淡々と描いていかないと、理解が出来なくなると思います。とても難しい話を手塚先生が出来るだけ簡単に判りやすくマンガにしてくださっているのに、それを混乱させるのは、どうなんでしょうか。3部作になるとの話なので、今後は、もう少しわかりやすくなるように進めて欲しいと思います。
この映画、原作を読んでいる方でしたらお薦めしたいと思いますが、まったくブッダの事を知らない人が観ると、ほとんど理解出来ないのではないかと思います。子供には、もっと難しいのではないかと思います。
出来たら、原作を読んでから、行ってみて下さい。

予断ですが、「聖★おにいさん」を読んでいる私は、どうしてもあのブッダを思い出してしまい、カンタカがいる~とか、”天上天下唯我独尊”という言葉を聞いて、大笑いしてしまいました。聖★おにいさんを読んでいる方は、どうして真面目にやってるの~って楽しむのも良いかも知れませんね。(笑)
・手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく@ぴあ映画生活
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