今日は、「アジャストメント」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
スラム出身のデヴィッドは上院議員候補として選挙に出馬していたが、過去のスキャンダルにより落選。敗北宣言を控えたデヴィッドだが、エリースという女性と偶然出会った事から予定とは違うスピーチをし、結果それが功を奏す。そんな彼の動向を“アジャストメント・ビューロー”のエージェントたちがチェックしていた。2年後、そのエージェントのミスからデヴッドはエリースに再会。しかし、エージェントたちから二度とエリースに会わないよう警告される。
というお話です。
私の大好きな フィリップ・K・ディックの原作です。ブレード・ランナーとかトータル・リコールも、彼の原作ですよ。彼の小説は、一見、ハッピーエンドだけど、良く考えてみると、その後の主人公の行動によって悲劇にも変わるっていう終わり方が多いんですよね。だから、未来を考えるというものが多いので、面白いんですよ。好きだなぁ。
この映画は基本があって、まず、”議長”と呼ばれる運命設計人が居て、”運命調整局の局員達”が、人間の運命をその設計図どおりに操作しているというものです。だから、設計図どおりに進んでくれないと、電車の運行図と同じで、一つ間違えると脱線してしまうような事故が起きてくるのです。だから、この局員たちが、人が脱線して問題が起こらないように、必死で調整しているんです。これが基本ね。
マット・デイモン演じるデヴィットは、ある局員のミスから、二度と会うはずの無かった女性と再会してしまう。そこから運命がどんどん転がっていってしまうのですが、スピード感もあり、サスペンス感もあり、謎は深まり、先がまったく読めなくなるところが、面白いですよ。
でもね、デヴィットはアメリカの議員なんですが、こんなに普通に暮らしていられるんですね。日本の議員がバス通勤ってしないですよね。すごく自由な感じで、驚きました。まして、女性とツーショットで歩いていたら、シャメ撮りまくられるんじゃないかなぁ。
面白いんですが、ツッコミどころは、満載です。SF好きの私には、笑える場所がたくさんありました。どこでもドアは許すとして、時間を停められるなら、どーして局員がミスることがある訳?時間を停めて、位置を動かして、やり直せば良いことでしょ。笑っちゃいましたね。ま、そういうツッコミも、全部計画されているのかもしれないし、色々深く考えていくと、やっぱり全ては設計図どおりに動いてしまっていると思うほうが、納得出来るかななんて思いました。だって、可能性は無限に広がり、時空はグリット上に乗っているので、その交点すべてに自分が存在すると思えば、それぞれの自分が設計図どおりに動いているんですよね。SFって、考え始めると、本当に面白い。
今回は、SFとしての基本が、ちょっと曖昧というか、弱い感じですかね。フィリップの原作が短編なので、製作に当たって、随分膨らましてしまい、ツッコミどころ満載になってしまったんでしょうね。それにしても、私は面白いと思いました。
そうそう、キャラがちょっと弱いかな。もっと局員がエージェントスミスばりの雰囲気なら、もっともっと楽しめたかも知れません。あと、デヴィッドも、議員と言いながら、議員らしくないんです。もう少し、議員のイヤらしさみたいのが欲しかったかな。議員設定というのは、議員というものは、選挙に当たって、演説から、衣装から、すべて専門家にやってもらって、操られているだけっていうところが、この議長と局員に運命を決められているというのと、被らせているんです。そこら辺も、気にして、楽しんできて下さい。
私は、SF好きなので、お薦めしたい映画です。SF好きでないと、ちょっと面白くないところもあるかもしれません。そうそう、マット・デイモン、太ってたなぁ~!!どうしたの?ボーンの時の鋭さが無いよ・・・。ちょっと寂しいわん。
・アジャストメント@ぴあ映画生活
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