昨日、「大木家のたのしい旅行 新婚地獄編」の完成披露試写会に行ってきました。
ストーリーは、
大木信義と咲は、新婚なのに、もう倦怠期。新居に引越しをしてみたものの、特に気持ちが盛り上がることも無く、些細なことでの痴話喧嘩が絶えない。そんな中、近所のスーパーの怪しげな占い師に勧められ、2人は1泊2日の新婚“地獄”旅行に行く羽目に……。
というお話です。
なんだか、普段の夫婦の会話というか、カップルの会話なんですよ。観ていて、家の夫婦も、こんな感じだよなぁって感じる会話がずーっと続いて、何か、すごい展開になるかというと、別に普通で、淡々と話が進みます。但し、普通というけど、地獄という場所に新婚旅行に行っての普通だから、アレッて感じで、トンでもないんです。この微妙な笑いというか、サラッと流していることがトンでもないので、突っ込みどころ満載なんですよ。
なし崩しに結婚して、とりあえず、新居といえる場所に引っ越した二人は、荷物を解いていて、炊飯器が無いことに気が付きます。どうして炊飯器が無いのか、不思議に思うのですが、ま、仕方ないかって感じで、生活を始めるんですが、咲は、スーパーに買い物に行った時、自分達の炊飯器を抱いた”濡れた男”を見つけます。この”濡れた男”が、柄本さんなんですけど、もー、目いっぱい怪しいのよ。でも、なんだか笑えてしまうの。だって、スーパーのエスカレーターに、帽子を被ってトレンチコートを着て、全身濡れた男が炊飯器だけ持って乗っているんですよ。どう見ても怪しいでしょ。だけど、誰も気にしてないんですよね～。既に、始まってすぐの、この場面で、ズレ始めている感覚が良いでしょ。
そんな風にズレた人がたくさん出てきて、それが、普通に日常に溶け込んでいる奇妙さが、サイコーなんです。樹木さんの占い師や、片桐さんのツアコンなど、普通に仕事をしているんだけど、その態度とか、セリフがめっちゃズレてるんです。あんた達、お客に対して、そんな事でどーすんのよって感じなんだけど、この大木夫婦には、通じてしまうんですよね～。
地獄に新婚旅行に行ってみると、顔が赤い人や青い人がいて、ホテルも親切なんだか不親切なんだかわかんない対応で、笑っちゃうんです。これ、原作でも、こんな感じなのかしら。地獄甘エビ食べ放題ツアーなんだけど、エビじゃないですって言うし、それで納得すんなよ～！！（笑）変でしょ～。私は、荒川良々さんが好きで、今回、ホテルの案内役として出てきて、すごいホテルの案内をするので、楽しみにしてね。それも、顔を青く塗っているので、もう、見るだけでアホって笑ってしまいます。
夫婦の会話が面白いですね。竹野内さんのボンヤリした夫役も、いいなぁ。いつものカッコいい竹野内さんじゃなくて、そこらにいる新婚のサラリーマンと同じ感じです。色々なことを畳み掛けるように妻に言われて、聞いている顔をしながら、一切聞いていない（聞き流している）というのが、とても良く表現されていました。家の主人も、私が話していても、頷きながらも一切聞いていないことが多いですからね。ムカッとしますが、ま、仕方ないと諦めるのですが、今回の水川さんの妻も一緒です。でも、これって倦怠期なの？普通じゃないのかなぁ。
この映画の面白さは、微妙なので、はっきり言って、眠くなる場面もあると思います。だって、淡々と進んで、普通に新婚旅行しているんだもん。小さな遊びに気が付くと面白いんだけど、その小さな事を見つけていると、ちょっと途中、疲れる感もあるかな。でも、全般的には、面白い映画だと思います。
この映画は、結婚していたり、ある程度付き合っているカップルが観ると、あー、こんな感じってあるよねー、って思えるので楽しいと思いますが、あまりにも長く結婚していたり、まだ付き合って盛り上がっているカップルだと、この微妙な楽しさがわからないかもしれません。
細かいところを見つけるのが好きな人には、超お勧め作品です。マニアっぽい映画だと思います。大雑把にストーリーを楽しむとかアクションは謎を楽しむ方には、ちょっと無理かも知れません。
ぜひ、地獄の体験ツアーを楽しんできてください。
・大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇＠ぴあ映画生活
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