今日は、「世界のどこにでもある、場所」の試写会に行ってきました。監督の大森さんと音楽のかしぶちさん、そしてゲストとして斉藤由貴さんがいらっしゃいました。司会は、ＳＥＴの方で映画に出演している男性がやってくださいました。色々なお話を伺えて、楽しかったです。詳しい内容は、eiga.com さんに載っているので、読んでくださいね。
ストーリーは、
丘の上にある寂れた遊園地と動物園。そこに詐欺容疑で指名手配中の男が逃げ込んでくる。彼を出迎えるのは、動物と会話する女、話のスケールの大き過ぎる老人に、ゲリラと戦う兵士たち。実は彼らは神経科クリニックの患者で、壮絶な経験によって負った心の傷を、園内で思い思いに過ごすことによって癒していたのだった。やがて患者たちの妄想が妄想を呼び、警察や裏社会の人間をも巻き込んだ一触即発の事態が発生する……。
というお話です。
淡々として、なんとなくほのぼのするだけの映画かなって思っていたらとんでもない。考えてみると、あれっ、それ、現代の問題を突いているんじゃないの？ってところがたくさんあるんです。閉鎖された地域にいるように見えるんだけど、それは世界のどこにでもある、いや、どの地域でも起こっている問題を集約しているんです。すごいでしょ。
精神科の患者が、動物園＆遊園地でリハビリを行なうのですが、パッと見、誰が患者で誰が医者や看護士か判らないんですよ。それを予想しながら見ていくのですが、面白いです。とっても患者っぽい人が先生だったり、先生のように診察らしきことをしている人が患者だったりして、本当に紙一重なんだなぁって思います。
そして、色々な出来事が起きるのですが、誰が本当の事を言っているのか分からないんです。なんたって、精神科なので、自分を守るために嘘をついているかもしれない、思い込みで違うことを言っているかも知れない、幻覚かも知れないっていうことがあって、いっつもフワフワ浮いている感じというか、あれぇ～って感じで進んでいきます。なんとなく、普通の映画を観ている感覚とは、ちょっと違う感じなんです。
患者の言う事は、とんでもなく大げさに思えたり、ありえないような事だったりするんだけど、現実が混ざっているので、それを見つけて忘れずにいないと、段々と起こってくる出来事を整理出来なくなるかもしれません。嘘と現実が入り混じっていて、どれが本当のことなのか、自分で読んでいかないと、途中で分からなくなって、飽きてしまう方もいるかもなぁ。
この映画は、観る人を選ぶかも知れません。難しい映画ではないのですが、表面だけ観ていると、何がなんだか分からず終わってしまいます。精神科の患者というベールをかぶって守られているように見えるけど、外界で起こった出来事から、逃げることは出来ない。どこに居ても、どこででも同じことが起きる。そんな現実を描いています。もし、興味をもたれたら、ぜひ観てみてください。色々考えさせられると思いますよ。
・世界のどこにでもある、場所＠ぴあ映画生活
世界のどこにでもある、場所 - goo 映画
「世界のどこにでもある、場所」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
