今日は、「再会の食卓」 の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
40数年ぶりに台湾から上海に戻ってきたイェンション(リン・フェン)だったが、生き別れた妻ユィアー(リサ・ルー)には別の家庭があった。「台湾で一緒に暮らしたい」というイェンションの申し出に、心を揺り動かされるユィアー。家族たちがさまざまな反応を見せる中、ユィアーはある決断をする。
というお話です。
国の事情で引き離された夫婦が、数十年ぶりに会うのですが、お互いにそれぞれの国で再婚をして、新しい家族を持ってしまった後ろめたさなのか、抱き合って号泣するとか、欧米っぽい感動場面はありません。年齢が高いということもあるかもしれませんが、淡々と再会し、おかえり、ただいま、という言葉を交わします。その、淡々とした中に、深い愛情が見えて、じーんと感動してきます。
上海は、昔、イェンションが過ごした街とは全く変わっていて、戸惑う事ばかり。妻のユィアーは、ただ家族の為だけに生きる生活を送っていて、イェンジョンと再会し、昔の愛を思い起こします。確かに、母親になってしまうと、日々の生活で精一杯となってしまい、若い頃の瑞々しい自分や恋愛の事など、まったく眼中に無くなってしまいますよね。だから、結婚して直ぐに別れてしまった昔の夫と再会したら、昔の自分を思い出し、今の生活が辛くなってしまうのは当たり前で、台湾に一緒に行きたくなるのも解ります。
子供達は、自分の父親と違う男性がいきなり現れ、母親を連れて行ってしまうと聞いて、激怒します。そりゃそーですよ。私達のお母さんを、どうして見も知らないおじさんが連れて行くって言うのよって思うの当たり前だよね。それに、母親が愛していた男が、自分の父親じゃなかったと知ったら、超落ち込みそう・・・。自分が産まれてきた意味はなに?って思ってしまいます。
現在の夫のシャンミンは、快く前夫イェンションを迎えて、ユィアーを連れて帰りたいと言ったときも、ユィアーが望むなら、そうすれば良いと、引き止める事はしません。これって、すごい愛だと思いませんか?妻が、前夫を愛しているなら、一緒に行かせてやりたいと思うなんて、すごい愛だなぁって思いました。私なら、盗られちゃう気がして、気持ちよく送り出すなんて、出来ないと思う・・・。
前夫イェンションも、現夫シャンミンも、どちらも深くユィアーを愛しているということが、とても良く描かれていて、なんだか、ジーンときました。でも、家族の冷たさも描かれていました。子供達の身勝手さが存分に描かれていて、子供の為に生きる親は、ある程度で手を離して、放り出した方が良いのでしょうね。
夫婦や親子の有り様が、深く描かれていて、良い作品でした。でも淡々と話が進むので、ハリウッドのような大げさな感動作を期待すると、あれっ?てなります。
でも、こういう淡々とした中に、深い愛が息づいているのが解り、とてもステキだなって思える作品でした。
私は、単館系が好きな方には、お薦めしたいと思います。ハリウッド系が好きな方には、ちょっと物足りないかも知れません。でも、寒い時には、心がじんわり暖かくなる作品も、また良いのではないかと思いますよ。
P.S - 映画の中で、マンションの建設現場の場面があるのですが、中国の建築物、大丈夫か~?!酷い状態でした。日本では、大体、1階の壁は、1つの枠を使い、一枚の壁を一気に作るのですが(その方が丈夫でしょ。)、映像に出ていたマンションの壁は、3~4度ほど、枠を使って打ち足していたように見えました。それ、横からの力に弱すぎるでしょ。それに、ジャンカも出てるし(表面が汚いって事)、そんな状態で、高層マンション作ってるんだったら、地震が来たらイチコロですよ。この映像を観て、絶対に中国に住みたくない、高層ホテルに泊まりたくないって思いました。恐いです・・・。もっと、建築にも気を使おうよ。外交も大切だけど、国内の整備も大切ですよ。
・再会の食卓@ぴあ映画生活
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