先日、「シチリア!シチリア!」を観てきました。
ストーリーは、
1930年代、イタリアはシチリアの町バーリアで貧しい牛飼い一家の次男として生まれたペッピーノ。幼い頃から父や兄と共に農場や牧場に働きに出て学校に行くことも儘ならなかったが、強い絆で結ばれた家族に囲まれ貧しいながらも楽しい少年時代を送る。第二次世界大戦を経て正義感の強い青年に成長し、政治の世界での成功を夢みて共産党の活動に傾倒するペッピーノは、美しい娘マンニーナと出会い恋に落ちる。
というお話です。

トルナーレ監督の作品は、本当に綺麗ですね。イタリアの空気を映像に収めてあるみたいで、観ているとイタリアに行ったみたいに思えるんです。本当に、どの作品も好きだなぁ。でも、今回の作品は、ちょっと長い気がしました。政治の思想とかが絡んできて、イタリアの歴史を知らない私は、そこら辺が難しくて、途中、解んないって気持ちになりました。
ペッピーノは共産党を支持しているのですが、その演説とかを聞いても、ただマフィアとかに好き勝手にされるのがイヤだって言っているだけで、それで共産党なの?って感じでした。だって、民主主義でも共産主義でも、どっちでも、マフィアやら悪い政治家と公務員が仕切ってしまって、貧しい人間はいつまでも貧しいでしょ。まったく意味無いじゃん。昔も今も、なーんにも変わってないんだなって思いました。
昔は、小さな家に家族みんなで、楽しく暮らしていたんですね。どんなに貧しくても、どんなに辛くても、家族の為なら何でも出来たんです。ペッピーノも学校も行かずに仕事をして、そのせいで文字もろくに読めなくて、それでも家族の為にって頑張って・・・。そして黄金の扉を開く・・・。その黄金の扉とは・・・って話で、自分にとっての黄金の扉はなんだろうなぁって考えてしまいました。
誰にでも大切な物、大切な人、大切な時間があって、それは誰にも触れない、自分だけの物。いつも心の中に、黄金の扉があって、必要な時には、開けることが出来るんです。普段は気が付かないけど、誰でも必ず持っている黄金の扉。いつの日か、自分を省みて、心の中の黄金の扉に気が付いて、本当の自分に戻っていくんです。扉を開くのが、死ぬ間際になるのか、働き盛りの時になるのか、それは解りませんが、早く開けた人には、幸せが待っているのだと思います。いやぁ~、良い映画だったなぁ・・・。(泣)
本当の事を言って、ある男性の一生なので、面白くない場面もあるし、眠くなる場面もありますが、人間の一生なんて、面白い事なんて少なくて、淡々としているんですよね。だから、過大な期待をしていくと、面白くない~と思ってしまうかも知れませんが、最後まで観て、ゆっくり考えると、ジーンと来るんです。彼の一生は何だったんだろうって・・・。そして、今の自分が気が付いていない事に、少しヒントを与えてくれるんです。それが良いんですよ。
私は、お薦めしたい作品です。但し、波もなく、ゆっくり時間が過ぎるので、そういう単館系の話が好きな方以外は、あまり面白いと思えないかも。古い映画が好きな方には、細切れの古い映画のフィルムとかが出てくるので、ちょっと楽しめるかも。
・シチリア! シチリア!@ぴあ映画生活

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