先日、「エクスペリメント」を観てきました。
ドイツ映画「エス」のハリウッドリメイク版(元ネタを題材に制作)ということで、「エス」のファンの私は、ぜひ観なくっちゃと思っていたんです。「プリズン・ブレイク」シリーズのポール・シェアリングが監督だそうです。
ストーリーは、
仕事をリストラされたトラヴィスは、日当1000ドルという14日間の心理実験に参加する。その実験に参加したのは24名の男たち。実験の内容は、模擬刑務所内で参加者たちが看守と囚人に分かれて生活するというものだった。トラヴィスは囚人側となる。実験は24時間監視カメラによって観察され、暴力行為などがあった場合には即座に実験は中止されるものだと聞いていた。しかし、実験が進むうち、看守たちは囚人に暴力を振るうようになる…。
というお話です。
ドイツ版を観た時もショックでしたが、今回も、やはりショックを受けました。但し、有名な役者(エイドリアン・ブロディ他)がやっているので、ドイツ版より現実感が無いですね。それでも、イヤ~な映画でした。あ、これ、褒め言葉ですよ、この映画に関しては・・・。
とにかく、観ていてイライラするんです。だって、さっきまで友達だったくせに、なに偉そうな事言ってんのよっ!!って看守側に思うし、囚人側のエイドリアンは、偉そうな態度で、酷い状態になってきているのに良い人ぶっていて、ウザいんです。もー、それだけでもイヤなのに、どんどん精神的に可笑しくなっていく・・・。恐いんです。人間って、これほどに簡単に気が振れてしまうのかと思い、ビックリしました。
これほど簡単に気が違ってしまうなら、裁判とかで心神耗弱状態だから罪が問えないというのは可笑しくありませんか?だって、人間って状況で精神が変わるものなんだから、全ての犯罪について罪が問えないというなら解るけど、気が違ったフリをしている人間だけ罪に問わないというのは可笑しいでしょ。人間なら、罪を起こしてしまうような状況に置かれれば、気が違っているハズなんです。そして、正気に返る。それが普通です。だから、気が違っていたからというのは、成り立たないでしょ。本当に、今の裁判制度は、納得が行かないです。
それにしても、こんな実験を実際に行なおうと思った人は、一体、何がしたかったんだろう。人間の本質と、進化していない精神を知りたかったのかしら。それに、24時間監視で、被験者達に危険は一切及ばないという約束をしているのに、何が起きても止めないというのはとても変でした。監視カメラは、いつも人間を写しているのに、暴行があろうと、具合が悪そうな囚人が居ようと、一切、お構いなしって、どういうこと?あんなに約束したじゃんっ!!すごく、実験した側に怒りを覚えました。
とにかく、14日間の期限に向かって、どんどん人間達が精神的に変化していく=退化していく姿を、楽しんでください。超恐いです。本当に、自分も、この場面に居たら、必ずこうなるだろうと思えて、恐ろしい思いがしました。
恐ろしい映画ですが、人間というものを知る上で、ぜひ、実験を観る事をお奨めいたします。観ていてイライラするだろうけど、ガマンしてね。
・エクスペリメント@ぴあ映画生活
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