フィルメックス最後の作品は、「エステル」でした。
この作品は、ストーリーが、旧約聖書のエステル記そのままです。
ペルシア王アハシュエロスは、ユダヤ人モルデハイの姪エステルを妻に迎える。しかしモルデハイは、エステルに出身を決して話さない様にと言い含める。王の重臣のハマンは、目障りになったユダヤ人を虐殺するように王に進言し、王は信頼して任せてしまう。それを知ったモルデハイは、妃になったエステルの元へ行き、虐殺を止めるように王にとりなして欲しいと話す。エステルは策を練り、ハマンの陰謀を王に伝え、ハマンは死刑を言い渡される。結局、立場が逆転しただけで、虐殺は終わらない。
というお話です。
エステル記って、10章しかないので、それほど内容があるわけではないのですが、一方を正しいとすると一方が悪くなり、いつまでも終わらない争いを描いています。ギタイ監督も、そういう悲劇を描きたかったようですが、なんたって25年も前の作品でしょ。古さがとても新鮮でした。
これから、「アモス・ギタイ監督-超えていく映画」 として、東京の日仏学院で12月12日まで、たくさんの作品を上映していくようですよ。私も、時間があったら観に行きたいなぁ。きっと、古い作品なので、レンタル屋さんの古典映画のところにあると思いますが、「ゴーレム、さまよえる魂」という作品がとても有名ですよね。映画好きなら、ぜひ観るべき監督だと伺ったので、これから段々とアモス・ギタイ監督作品を観て行きたいと思っています。
私、この監督に興味を持ったのは、彼は、元々建築をやっていて、戦争に行って帰ってきた後、映画へと転向したようです。だから、建物の映し方とかが、すごく美しいんです。好きなタイプの映像です。
伝説なので、感想とか、ほとんど書きません。だって、すごい映画なんだもん。これからも伝えて行きたい映画です。