映画祭2日目2作目は、「ゼフィール」(コンペティション作品)です。
ストーリーは、
意志の強い思春期の少女ゼフィールは、トルコの黒海東部地域の丘陵地帯にある、祖父母の田舎の家で夏を過ごしている。彼女は気ままに歩き回り、祖父母の日々の雑用を手伝っているが、まもなく母親がやってきて、彼女を家に連れて帰ってくれることを待ち望んでいる。しばらくして母親はようやく現れるが、ボランティアの仕事で遠い外国に行ってしまうことを告げに来ただけだった。しかし、何があろうとも母親を行かせまいとするゼフィールの決意は固く、それが悲劇的な結末を導いてしまう。
というお話です。
無垢な子供の美しさと自然の美しさがリンクしていて、映像が素晴らしく綺麗です。
身勝手な母親に怒りも覚えますが、私くらいの年齢になると、子供の為にすべてを捨てられないという気持ちも解からないでもないんですよ。でも、子供の立場になると、自分を捨てていくのかっ!、許せないっていう気持ちも解かります。
私も、小さい頃は祖父母の所に預けられていたりしたので、ゼフィールの気持ち解かるんですよね。何時お母さん迎えに来るのかなと楽しみにしているんだけど、会っても自分の事を解かってくれてないからイライラする気持ちもあり、なんとも複雑な感じですよね。まして、またも自分を置いて、どこかへ行ってしまうのかと思ったら、私はお母さんの何なの?って訴えたくなるし、憎しみが沸いてくるのは当たり前です。

主人公のゼフィールを含む、村の子供達は、死というものを、まだ認識出来ていません。ある日、ゼフィールがおじいさんとキノコ取りをしていると、イタチらしきものの死骸を見つけます。”これは何?”と聞くゼフィールに、おじいさんは”動物の死骸だ。”と教えて、埋めることを教えます。その後、ゼフィールは、死体を見つけるたびに、土に埋めるようになりますが、まだ死というものを理解していないんです。それから色々な出来事があり、死というものを理解していき、大人になっていくという、深い内容なんです。
かたつむりが、象徴的に出てくるのですが、ゆっくりした動きが、この地域のゆっくりした時間を表しているようで、とても面白いです。この監督の前作にも、かたつむりが使われているそうですよ。
この作品、日本公開は、難しいかな。あまり万人受けしそうな作品ではないんですが、内容は、とても感動的な良い作品だと思いました。せめてDVDでも出てくれないかしら。トルコという地域の生活を、この映画で感じて欲しいです。
