先日、「瞳の奥の秘密」 を観てきました。
ストーリーは、
刑事裁判所を退職したベンハミンは、残された時間で25年前に起きた忘れ難い事件をテーマに小説を書くことを決心し、かつての上司で今は判事補のイレーネを訪ねる。それは1974年、銀行員の夫と新婚生活を満喫していた女性が自宅で殺害された事件。当時、渋々担当を引き受けたベンハミンが捜査を始めてまもなく、テラスを修理していた二人の職人が逮捕されるが、それは拷問による嘘の自白によってだった。そして、真犯人を追い詰めるベンハミンたちは・・・。
というお話です。
この映画、スペイン映画祭で観たかったのですが、他の映画の試写と重なっていて観れなかったんです。でも、日本公開が決まっていたので、待っていました。で、やっと観に行けたんです~!
確かに、アカデミー賞外国語映画賞を貰うだけの作品だと思います。一人の新妻が惨殺され、その事件を追っていくのですが、蜘蛛の糸のように、色々な方向に謎が張り巡らされていて、後から、あ、あれがここに繋がっているのかとか、気が付くんです。とても繊細な仕掛けが多くて、大雑把に見ていると見落としたりしてるところがありそうな映画でした。

人間の奥深くに息づく、どす黒い考えや思いが、その目の動きや細かい行動で表現されていて、すごいなぁと思いました。凄く好きなのに行動に移せない表情とか、重要な事を隠している時の目の動きとか、言葉では表せないような迫力でした。いや~、恐いですよ。
妻を殺された銀行員が、すっごく自分の妻を愛していて、毎日、駅で犯人を捜すために待ち伏せしたりするのですが、死刑は反対だというんです。殺してしまうより、終身刑で長生きさせてずーっと苦しめたいと望むのです。これ、すごい怨みですよね。簡単に殺すなんて許せないって言うの、解かるなぁって思いました。もし自分の愛する人を殺されたら、一生苦しめてやろうと思いますよ。

ハッキリ言って、死刑反対って言っている人の方が残酷ですよね。死刑が無いなら終身刑が出てくるハズだから、一生苦しめるってことでしょ。生々しい残酷さって、潔い日本人には、あまり馴染まないですけどね。最近は、西洋化されてきているから、一生刑務所で惨めな思いをさせられて、人間として扱われず、ただ息しているだけっていう刑罰も良いのかもしれません。この映画を観ると、色々考えさせられます。
とっても深い愛を描いている映画です。愛は風化せず、いつまでも心に刻まれているのだということを、思い出させてくれる作品です。
深くて、ちょっと恐い映画ですが、感動を与えてくれます。映画としては、とても面白いと思いました。私は、とてもお薦めしたい映画です。時間があったら、ぜひご覧になってみてくださいね。
・瞳の奥の秘密@ぴあ映画生活
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