今日は、「ネコを探して」 を観に行ってきました。
初めて、渋谷にある”イメージフォーラム”という映画館で観たのですが、狭いけど、なんとなく快適な小さな劇場という感じでした。また行きたいな。

ストーリーは、
ある日、行方不明になった愛猫クロ。鏡の中にちらりと映ったその姿を追いかけて、鏡の向こうへ足を踏み入れてみれば、そこは19世紀、フランスのサロン。ボードレール、夏目漱石をはじめ名だたる芸術家や作家、画家らインテリたちが新時代の自由の象徴であるネコ談義に花を咲かせていた。そして、漱石に誘われ日本へ。さらにイギリス、アメリカへとネコの姿を追ううちに、移ろいゆく人間社会が浮かび上がる。
というお話です。

アニメとドキュメンタリーを組み合わせた構成で、こういう作り方なら、ドキュメンタリーも面白いなぁって思いました。難しいドキュメンタリーだと、少し眠くなっちゃいますもんね。これは、1センテンス終わる度にアニメが入って切り替えてくれるので、気持ちも切り替わって、とても観やすいんです。
フランス映画なのに、日本の場面がとても多いです。そして、フランスの映画に教えられる事がとても多かったです。たとえば、日本の公害問題に、”水俣病”というのがありますよね。昔の事で、私達が生まれる前の事ですが、その公害を見つけるきっかけになったのがネコ達で、その公害を調査するために、たくさんのネコが解剖されたそうです。チッソ株式会社が出した工業排水に含まれる水銀により魚が汚染されて、魚を食べたネコや人間が水俣病にかかりました。映画の中では、20万人が影響を受け、今も年間100人に病気が発生していると出ていたと思います。今、ほとんど話題に上ることもありませんが、こういう酷い病気で今も苦しんでいる人間やネコがいるということを、教わりました。恥ずかしいですね。日本人なのに、自分の国の事を知らないなんて・・・。
ほかにも、ネコ駅長の話や、夏目漱石の”我輩はネコである”とか、広重、ボードレール、ルノワール、ラヴェルなどの芸術家たちも好んでネコを題材にしたということや、世界の色々なところで、ネコが人間の友達として役に立ってくれているということが描かれています。
ただのペットとしてではなく、人間の良いパートナーとして、ネコが働いてくれているということがとても良く解かります。そして、彼らの特殊な能力のおかげで助けられている私達人間が、その助けられているということを認識していないことも、解かります。彼らの力を、個々ではなく、社会全体が認識すれば、もっと良い世界になるのではないかということを感じました。
ま、難しい事を考えず、もー、かわいいニャンちゃんたちを楽しんでくるだけでも、とても価値のある映画だと思いますよ。ぜひ、観に行ってください。ネコ好きの方は、絶対見逃さないでね。私、観ながら、ニャンニャンって独り言言っちゃってました。だって、あまりにもかわいいんだもん。触りたくなる~!!!
ネコ好きな方以外も、ネコを題材に、日本の歴史や芸術の歴史、世界の移り変わりなどをとても解かりやすく教えてくれます。私は、超、お薦め映画です。ぜひぜひ、観に行ってください。もし、ご近所で上映が無い場合は、仕方ないので、DVDが出るのを待って観てくださいね。
どうして、こんなに良い映画を、色々な場所でやらないんだろう。日本の歴史なのに・・・。水俣病とか、いまさら大っぴらにしたくないのかしら。すごい隠蔽工作があったらしいから、今でもそういうのがあるのかも・・・。