今日は、もうすぐ観に行く”音楽座”による演劇「七つの人形の恋物語」の原作を読んだので、演劇を観る前に感想を書いておこうと思います。観ちゃうと、印象が変わっちゃうからね。
この”音楽座”さんの演劇、お友達が教えてくれて、面白そうだなぁって思って一緒に行く事にしたのですが、人気なんですね。私、全然知らなくて、チケットを取ろうかと思ったら、結構、売れちゃってて、良い席が無いんですよね~。でも、色々なサイトを観たりして、残った中でも一番良さそうな席をゲット!
いやぁ~、楽しみです。初めて観る劇団なので、期待してます。
と言う訳で、原作の感想を。
あらすじは、
田舎町からやってきた、身寄りもなく、ひとりで生きる少女。周囲からはムーシュ(蝿)というあだ名で呼ばれ、蔑まれていた。とりわけ器量が良いというわけでもなく、貧相な身体をしたムーシュは挫折の連続。行くあてもなく、生きる気力を失い、川に身投げしようとするとき、不意に、赤い髪の人形が彼女を呼び止めた。 ムーシュの前に入れ替わり立ち替わり現れる、魅力的な人形たち。やがて彼女は、死のうとしていたことも忘れ、人形たちとの会話に没頭していく。 そんな様子を人形舞台の裏側でじっと見つめる男がいた。その人形遣いの本当の名前は、ミシェル・ペエロ。子供の頃から誰にも愛されたことがなく、優しくされたり親切にされたりしたこともない、天涯孤独の冷酷な男だった。彼女を一座の仲間に入れることにする。 旅から旅の興行暮らしの中、ムーシュは冷血で残忍なキャプテン・コックを恐れながらも、人形たちとの愛情を日ましに深めてゆく。そして・・・。
というお話です。
ポール・ギャリコ作のこの小説は、結構、有名なのかな?
この小説を読んでいて、結構、現代人の現状を表現しているのかなって思いました。自分で自分の事が解かっていないということを、とても上手く表現しているんですよ。
あの、大阪で自分の子供を置き去りにしてしまった母親なんて、ブログでは、子供がすごくかわいいとか書いていたらしいけど、実際は邪魔だと思って置き去りにしてしまった。こういう2面性って、誰でもありますよね。とっても好きなんだけど、でも苛めちゃうって・・・。人間の外見は成長していても、中身は成長していなくて、自分の中の2面性を上手く両立させる事が出来ていないんですよね。このニュースの母親は、人間として許せないけど、でも、誰でも一線を越えてしまうと、こういう事もありえるかも知れない・・・。
最近、そういう大人が増えていて、困ったもんだと思います。ま、私も子供みたいなもんですが、一応、自分の残酷な面も、優しい面も、許容して、理性で抑えたり抑えなかったりしています。
この小説を読んで、人間って、ダメダメだけど、やっぱり愛おしいなぁって思いました。ダメダメだからこそ、面白いし、愛おしいし、人間って良いなぁって、一人より、たくさんの人と関わる方が楽しいなぁって思えました。だって、誰もが素直で嘘をつかなかったら、面白くないでしょ。色々あるから、楽しいんだよね。
そんな気持ちを与えてくれる、面白い、ステキな小説でした。
これが演劇になったら、面白いだろうなぁ。感動して、泣いちゃうかも・・・。
また、演劇を観た後に、感想を書きますね。
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