今日は、「必死剣鳥刺し」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
江戸時代、海坂藩の近習頭取・兼見三左ェ門(豊川悦司)は、藩主・右京太夫(村上淳)の失政の元凶である愛妾(あいしょう)・連子(関めぐみ)を3年前に城中で刺し殺すものの、寛大な処分によって再び藩主に仕えることに。亡妻・睦江(戸田菜穂)のめいであり、身の周りの世話をしてくれる里尾(池脇千鶴)との日々の中で生きる力を取り戻すが……。
というお話です。
実は、チラシのあらすじを読むと、ほとんどラストの方まで書いてあり、ちょっと驚きました。ま、原作がある映画だから、良いのかなぁ。
事の起こりは、妾が国の執政(経営)にまで口を出して、自分の好き勝手にやっていて、殿様は、それを黙認してたからなんだけど、これって、殿様が一番悪いじゃん。殿様殺そうよ。ま、それ言っちゃ、話が続かないからダメなんだろうけどね。で、国がダメダメになっちゃうギリギリのところで、この兼見(えっちゃん)が妾を殺すというとこから、映画は始まります。日本も、国をダメダメにした張本人達を消す事ができたら、少し変わるのかしら・・・。
そこから兼見の辛い行く末が始まるんだけど、周りの誰が良い人で誰が悪い人なのか、誰が欺いていて、誰が味方なのか、みんな疑わしくて、何を信じて良いのやら・・・。身近に居る姪だけが、心のよりどころなんですけど、姪は兼見の事を男性として見ていて、これが、また面倒なんですよね~。はっきり言っちゃえよ~!もーって感じで、ちょっとイライラしますが、ま、二人の行く末は、お楽しみにね。で、色々あって、藩主の護衛に付く事になった兼見は、すごい策略に自分が巻き込まれている事をまったく知らずに、自分の仕事を全うしようとするんです。すごくかわいそうでしょ。
これ、現代の会社でもありますよね。誰かを潰すために、部下を使って策略をめぐらすとか、自分の成績が悪いと、部下の仕事を横取りして、さも自分がやったように見せるとか、ワザとミスをして、それを部下に擦り付けるとか。部下は何にも知らなくて、ある日、「オマエの責任だろ!オマエやっただろっ!」とか言われて、”はいっ??”って事ってあるよねー。私も、会社に勤めている時、そういう部長とか所長とか、たくさん見ました。みっともねーなー、バレバレなんだよって思っても、言えないところが、下っ端の辛さよねー。そんなサラリーマンの辛さが、この映画の中に垣間見えました。
今回の豊川さんは、本当にステキです。お風呂のシーンとかもあるんだけど、筋肉ムキムキとかではなくて、普通の健康的なおじさんで、イイなぁって思いました。江戸時代に、筋肉ムキムキってありえないもんね。こういうところも、ちゃんとリアルにしていて、すごいと思いました。もちろん、殺陣も素晴らしくて、短い刀を使うところとかも、面白いなぁと思いました。殺陣は、兼見と帯屋の戦い、すごい迫力で、カッコイイです。豊川さんと吉川さん、息が出来ないほどの緊迫感で、さすがだなぁって感動しました。もちろん、最後には、”必死剣鳥刺し”も出ますけど、どこで誰に向かってするかは、内緒です。お楽しみに。
私、この作品、結構、好きです。誰に裏切られようとも、誰が敵でも、その男としてのけじめを貫いて、最後まで男であり続けようとする彼の生き方が、素晴らしいなぁと思いました。たとえ、国が変わらなくても、国がダメになろうとも、自分の生き方を貫く、これは、とても大切な事ですよね。もちろん、女性だってそうだと思います。女だって、男に負けないくらい、一本貫いている人多いんですよ。
最後に、ちょっと笑っちゃう裏話だけど、兼見は下半身も”必死剣鳥刺し”でした。(笑) この意味は、ラストまで観ると解かると思います。いやぁ~、必中だねって思いました。ああー、また下品な事を書いてしまった・・・。
私は、お奨め作品の一本に入れたいと思います。日本人は、やっぱ”藤沢周平”先生の作品を観て、日本人としての誇りを忘れないようにしないとね。西洋かぶれしてアホにならないように、どこかに武士としての貫く場所をもっていることが必要だと思いました。ぜひ、観に行ってくださいね。
・必死剣鳥刺し@ぴあ映画生活
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