先日、「エンター・ザ・ボイド」を観てきました。
ストーリーは、
東京にやって来たオスカー(ナサニエル・ブラウン)とリンダ(パス・デ・ラ・ウエルタ)の兄妹。しかし、麻薬ディーラーのオスカーは警察に追われ、銃で撃たれてしまう。オスカーの魂は体から離脱し、愛するリンダを追いながら、東京の夜の街をさまよい始めるが……。
というお話です。
いや~、私、映画を観て、初めて途中で出ようかと思いましたよ。寝るのも辛いんだもん。映像で酔うんです。同じCG画像がグルグル長い時間動いてるし、フラッシュバックがすごいし、気持ち悪くなるの。以前、ピカチュウ(ポケモン)を観てて、子供の具合が悪くなったことがあるでしょ。あれと一緒で、ピカピカフラッシュがバンバン出てきて、具合が悪くなるんです。

カメラの撮り方が、”ブレアウィッチ”と一緒で、オスカーの目線でハンディカメラで撮っているので、これでも酔うの。オスカーが幽体離脱して、輪廻転生する前に(仏教の本に、死ぬとドラッグをやった状態になり悪夢に苦しめられるけど、抜ける手立てが輪廻転生と書いてあるの。)ウロウロするんだけど、その映像が、天空カメラで、同じ場所を何度も何度も行き来して、その内に、現実と幻想が混ざってくるんですよ。これが、また、気持ち悪いんだよね~。これを芸術とか言われても、私は凡人だから解かりません・・・。
ドラッグと輪廻とエログロが混ざったイメージで、話も、何が言いたいのか良く解かりませんでした。画像にも酔うんだけど、エログロでも酔うんです。ボカシは入っているけど、女性が観るには、ちょっと辛いです。こんなにS○Xシーンが多いと、ちょっと、気持ち悪くなってくる。まして、美しい人がやってるならまだしも、汚なめの二人ばかりなので、辛い・・・。妹役のリンダさんも、美しいという触れ込みなんだけど、キレイな女優さんじゃないんですよ。
内容が、仏教の輪廻転生、諸行無常を扱っている事は解かります。でもね、日本人の感覚から言うと、これは、仏様を軽く扱っているように思えるんです。そんなダメダメな人間が、転生して人間になれる訳ないじゃん。まず、蟻とか蚤とかでしょ。そうでなければ理に合わないよ。

私、この作品を観て、自分の美的感覚を疑ってしまいました。天才は、こういうのを芸術とか美しいとか思うのかしら・・・。私、ちょっと、付いていけない・・・。ピカソだって、ダリだって、ブラック、カンディンスキー、などなど、シュールレアリズムやキュビズムの巨匠の作品は、訳が解らなくても、その作品から受ける迫力とオーラと愛があるんですけど、この映画は、そういうものを感じませんでした。本物っていうのは、基礎がガッチリ出来ていて、そこから発生して転換して行くものだと思うんだけど、基礎が無いんだもん・・・。
すみませんが、私、この作品は、お奨め出来ません。というか、観ない事をお奨めします。
ギャスパー・ノエ監督のファンの方には、申し訳ありません。でもね、凡人が観ると、このフラッシュバックとエログロは、耐えられないと思うんです。薦められなくてごめんなさい。
・エンター・ザ・ボイド@ぴあ映画生活
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