先日、17歳の肖像を観てきました。
ストーリーは、
1961年、16歳のジェニー(キャリー・マリガン)は、ロンドン郊外の街で平凡で退屈な日々を送っていた。父(アルフレッド・モリナ)は成績優秀な娘をオックスフォード大学に進学させようと躍起になり、彼女はそのことに反発を覚えていた。そんなある日、彼女はデイヴィッド(ピーター・サースガード)という年上の男性と出会い……。
というお話です。
17歳って、難しい年代ですよね。思い返してみると、大学に進学するのか、就職するのか、それとも何かやりたい事を探して、その専門学校に行くのか、まだ、先の事が見えていないのに、選びなさいって言われても無理なのに、選択しなければならない。親が言うとおりにするのもムカつくし、かといって、何がしたいという事も無い、相談したいけど信用出来る大人も居ないって、八方塞の中、もがいてもがいて、メチャをしたりする、そんな時代を誰もが経験するのだと思います。そのゆれる年代を、とっても解かりやすく描いていて、大人になってしまった人間が見ると、微笑ましいと思える映画だと思います。
子供の頃は、勉強など何の役にも立たないと思っていたし、大学に行ったからって、結局、どこかの会社に入ってアリのように働かされるだけって思えましたね。確かに、ただレールの上を歩いているだけならそうかも知れません。でも勉強って、学校の教科書に書いてあることだけじゃないんですよね。大学って、教科書の事を勉強するだけじゃなくて、その教科書が間違っている事を自分で学べるところだし、人とのコミュニケーションとかも学べるし、大人になるための一つの経験なんだと思うんです。

もちろん、高校を出て就職して、そこで先輩に色々学ぶところもあるし、社会の中での泳ぎ方も覚えていきます。その泳ぎ方は、早く社会に出ればそれだけ上手くなると思います。大学に進もうと、就職しようと、それぞれの道だし、それぞれ学べる事はたくさんあると思います。でも、勉強=経験というのは、何も考えずに生きている人間には身に付きません。やっぱり経験を身に付けていかない人間は、いつまでも這い蹲るだけ・・・。
そんな人生の教訓をこの映画は教えてくれます。七転び八起きといいますが、転んだ数だけ頭が良くなり、人より多い経験を手にいれて、誰もが行けない場所へ到達するのだと思います。
ぜひ、若い人から大人まで、この映画を観て、自分の歩む道、そして歩んできた道を、考えてみることも面白いのではないでしょうか。
自分が”しあわせ”と感じられる場所を見つけられた人間が、一番、人間として勝っているのだと思うのは私だけなのかな。色々な人と会うけど、自分の位置を確立出来ていて、根付いている人って、一緒に居ると、こちらもとても安定した気分になるんですよね。私も、そういう安定したオーラを発する人になりたいなぁ。
・17歳の肖像@ぴあ映画生活