今日、”月に囚われた男”を観てきました。
ストーリーは、
宇宙飛行士のサムは、エネルギー資源のヘリウム3を地球に送るため月へと派遣された。契約期間は3年だ。地球との直接通信を許されておらず、話し相手は人工知能搭載ロボットのガーティだけだ。楽しみにしていたテレビ電話での妻テスとの会話も衛星事故によって交信不能となってしまっていた。それでも孤独に耐え任期終了まで2週間を切ったある日、エネルギー回収時に事故に合い、基地で目覚める。不思議に思ったサムは、事故現場に戻り、自分と同じ顔をした人間に遭遇することに…。
というお話です。
このストーリーを読んだだけで、SF好きには、ある程度、話が読めると思います。
アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラーク、レイ・ブラッドベリ、フィリップ・K・ディック、など、有名どころのSF小説の要素がたくさん入っていました。
ただ一人の労働者、パートナーはAIのガーティ、定期的に連絡は来るが直接の通信が出来ない、この3つの定義、そして、約束の期限までわずか2週間。もー、これだけで、いやいやいや、AIが曲者なのか、会社が曲者なのか、自分が曲者なのか、誰を信用して良いのか、SFの基本です。ああー、し・あ・わ・せー!!
SF好きの私には、たまりません。空想が何十倍何百倍も膨らんでしまいます。

そんなところから始まるこの映画、面白かったです。但し、女性に受けるかどうかはわかりません。男性っぽい映画ですよね。アクションとかじゃなくて、男性の帰巣本能というものがとても良く描かれているんです。
映画として、とてもよく出来ていると思いました。キャスト1人、閉鎖された空間、音の使い方など、これほど狭い舞台で観ている人を楽しませてくれるなんて、素晴らしいと思いました。
映像も面白いですよ。月面を走る掘削機、巻き上がる岩石、風のない空間、ただ一人の白い宇宙服を着た人間、とってもキレイです。冷たい感じで、宇宙の雰囲気が良く出ていました。

難しい話ではないので、あまり書いてしまうとネタバレしてしまい、怒られちゃうので書けません。でもね、色々な方のレビューの中で、ラストがどーのこーのと書かれている方がいらっしゃいましたが、SFのラストには、基本、2パターンしかありません。解決されるのか、そのまま続いていくのか、どちらかです。SFには、これ以外ありません。ですから、私は、この作品、ラストも良かったと思いました。SFをたくさん読んでいる方は、必ず、この2パターンに合っているので、納得出来ると思います。
でも、私がラスト考えたら、地球が滅亡してたとか、サムのせいで病原菌が広がり地球滅亡とか、実はサムはロボットだった(ウォーリー状態)とか、ガーティの空想世界でサムを育成してるとか、月と言われながら地球だったりとか、もー、考えれば考えるほど、バンバン出てきちゃいますね。でも、出てくるのは多くても、良いものを選べるかが素晴らしい監督なのだろうから、私など足元にも及びませんね。蛇足でした。m(__)m
私、この映画、とても好きな映画です。お奨めしたいです。
SF好きの私が言っているので、もし、SFに興味の無い方はあまり面白くないのかも。でもね、SFオタクじゃない人も、この映画、ストーリー、よく出来てたよって言っていました。
私は、ぜひぜひ、皆さんに観ていただきたい。行ってみてくださいね~!!
・月に囚われた男@ぴあ映画生活