闇期の息子に
がんの告知をした。
どう思ったかはわからない。
そん時はなんも言わなかった。
無視決め込んでた。
ただ、息子の存在に支えられ
私が前向きでいられることは知って欲しかった。
それからも、
息子はなかなか闇期から脱することが出来ずあがいてた。
話をする時はフツーにするし、
冗談を言い合うこともあった。
ただ、おうちでひたすらP/Cと向き合ってゲームをしていた。
学校は結局行かずじまい。
日数は足りてたのだろう。
2月。
第一志望の受験は結局行かなかった。
高い金出して試験するのに!
はぁ〜、イライラする。
私もストレスが半端無かった。
このままでは、
第二志望の私学も危ういと先生に言われ、
専門学校のパンフレットを手配した。
私ができることは、
ごはん作ってあげることぐらい。
息子を信じて、
最後は任せていた。
いつも通りのやりとり。
日数だけが過ぎていく様な気がしていた。
でも実際は、そんなことは無かった。
日々息子はあがきながら成長していた。
本来頭のいい息子は(←はい。ここ自慢話)
趣味が数学だけあって、
努力すれば東大も夢では無い学力があった。
彼を追い詰めたものは、
環境の変化や、受験、思春期、反抗期、
私の影響もあると思う。
甘やかしてきたし、放任し過ぎたし、
片親が故に気を使わせたり、
どこかで嫌な思いしてきたかもしれない。
たくさん我慢させたかもしれない。
知らないところでいっぱい泣いていたかもしれない。
こんなところで語ったところで、
どうしようも無いんだけど。
3月。
卒業式は無事に迎えることができ、
その夜は焼肉をご馳走した。
「18年間ありがとう」
そう言ってくれた。
これはさすがに嬉しかった。
第二志望の受験は合格し、
私の人生で2番目に嬉しい日となった。
憑き物が取れた様に息子は復活。
闇期から卒業出来た。
蓋を開けてみたら、
特待生で合格してくれていた。
授業料半額戻ってくる。
なんて親孝行なんだろう。
4月。
今は無事、バイトしながら、大学生活をそれなりに楽しんでるみたい。
逆に、しこりの検査期間に、がんのこと考える間が無いくらいに、息子の事で一喜一憂とバタバタしてたことが今となっては、良かったのかもしれない…
と思いたい。
5月。
抗癌剤治療の前に闇期から卒業出来てよかった。
今こうして治療に集中して臨めるんだから。