こんにちは。バスク在住ユミコです。
(自己紹介はこちらをご覧ください。)
バスクは何日も雨が続き、少し日本の梅雨を思い出します。
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今日は早速本題に入ります。
近頃、
日本の助産師さんたちがとても熱いです!
新型コロナの影響でいく先を失った妊婦さんのために
オンライン産前学級を開いたり、遠隔サポートを提供したり、
ZOOMで様々なイベントや講座が主催されたり。
「助産師」をもっと知ってほしい!と勢いよく
世のためにとても頑張っていらっしゃいます。
今、世界中で「女性たちよ、今動くしかない!」という熱が広がっている。
「いま女性が動かなかったら、
もう世界は何も変わらない。」
助産師さんに限らず、いろんな場面で意識変革を起こしたい
女性が近年増えていますが、女性の絆を、今だとオンラインで国をもっと
またいで広げることができる、という可能性にエクスタシーさえ感じます。(笑)
テクノロジー音痴な私は、その波に乗り切れていない自分に沸々しております。
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(去年の国際女性デーのために作られた、スペイン最大の出産支援サイトのポスター。
「身体は私達のもの。出産は私達のもの。」というスローガン)
私は、12年前のお産で、日本の助産院でお世話になりました。
すでにスペインで暮らしており、
妊娠後にこちらの周産期事情を知るうちに、
日本より管理的な傾向が非常に強く、
助産師からも 「積極的かつ一方的に」
促進剤、無痛分娩を勧められ、バースプランもあるようで
ないようなケースが多かった当時。
(ありがたいことに今ではだいぶ変わりました)
これは、産む気満々だった私だから感じた事でもあります。
でも何よりも、いくら患者扱いでも、
日本のような「思いやり」があればまだましなのに、(笑)
「本当に助産がしたくてこの仕事に就いたんですか?」
「先生、私のこと聞いてくれますか?」
「言われた通りしろということですか??」
というような印象を与える、一方的なスペイン医療体制に不安になり、
それまでの背景を理解しようとしたり、スタッフの都合や葛藤に配慮するより、
初めてのお産だし自分のことで精いっぱいだった私は、
「ここでは産みたくない」 と逃げるように、大急ぎで日本の助産院を探し、
信頼できる助産師さんたちに巡り合うことが出来ました。
言葉が間違いなく通じる、自分が選んだ場所で産みたかった。
産前産後、あらゆる情報が不足している。
継続的に頼れるような場所や人が少ない。
お母さんの感情も包容してくれる専門家とのつながりが、少ない。
そこで医療では受けられない地域サポート活動に励む
ドゥーラさん達、ほか専門家達に出会い、ドゥーラ育成を受けることに決めました。
「ここにも助産所があったら!」 とずーーーっと思っています。
(私が暮らすバスクでは、開業助産師は1チームしかありません。
自宅分娩をサポートする数少ない助産師は、病院勤務傍ら対応するという、
いつ誰に頼れるか分からない、とても不安定な状況です。)
助産師にはなれなかったけれど、ドゥーラとして母として、
補完的にできることでサポートしていきたいと思っています。
日本語で書いているため誤解が生じると困るのですが、
日本とスペインとでは文化や歴史が違うし、背景事情は違います。
これは、私がスペインで体験し、スペインで必要なサポートだ、と思い
育成をしました、という話しで、
こちらで学び広げたいと思ってきたことを、
日本でも共通すること、共感されることがあるだろう、と思って
これまでの投稿も書いています。
「助産」の定義や、赤ちゃんの権利、お母さんの権利。
赤ちゃんの発達や、お産の生理的な仕組み。
それをよくよく考えると、母・医療・行政、つまり社会全体がより繋がって
サポートし合う構造が「結果皆のために良い」ということがわかるし、
誰が上、誰が下、と言い争っている場合ではない、という結論に達します。
それを求める人たちが繋がり、助け合っていくことが大事なのだと思います。
もし気分を害することがありましたら、本当に申し訳ありません。
でも、私の意見も何らかの価値がある。
私も産んだ側の一人として、言いたいことがある。
それを尊重してほしい気持ちがあります。
だから、皆様。(特に政治、メディア関係の方… 笑)
ここで書くのも何ですが、謙虚に、でもマジでお願いします。
どうか、女性のため、よりよい社会のために日々コツコツと地道に努力する
助産師さんをもっと知ってください。
どうかこのチャンスを応援してください。一緒にのってください。
この、何世代にもわたって引き継いでいるかもしれない、
女性の身体の底から噴き出る気持ちを、どうか見守ってください。
何も言わなくてもいい。
話を聞いても、関心がない方ももちろんいるでしょう。
でも、どうか、いじめっぽい幼稚な事はやめてください。
女性に任せてみてください。
女性が心底望む変化は、社会全体のため。
命、女性の健康、赤ちゃんのため、我が子のため、
継続的な支援実現のため、正しい性教育のため。。。
地道な努力が必要な、長期戦なのです。
でも、まず女性が動かなければ、
きっと変わらないのです。
女性からも男性に伝える努力をしなければいけない。
これは、男性が女性を説得するより、もっともっと大変なのが現実です。
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話がまた少しずれますが…
私にとって助産所は日本の「国宝」です。
助産師さんは、お産に限らず性のプロセスに寄り添う「プロ」です。
助産師さんが増えることも願うけど、
個人的には、
地域に「助産所」がまた増える事を切に願っています。
遠くにいながらも、その為に何かしたいと思いつつ、
母・ドゥーラとしてのこちらでの経験しかないし、
まだこうやって書くことしかできていませんが。。。
私は2度のお産を助産所で夫婦、いや家族皆でお世話になりました。
(両親、弟夫婦も来た)
和菓子とコーヒーが好きで、
初めての産前の検診の時、勢いよくガッハッハと笑う3人チームを前に、
やや怖気付きましたが、帰る頃には身体が緩んで
「なんてラッキーなご縁なんだ❤️」と幸せでした。
最後の頃は、お家へ来てくれていた。
日本語片言の旦那さんと、一生懸命コミュニケーションしてくれた。
彼女たちの支えは、
一生忘れることのできない、恩の一つです。
お産はその後の人生を大きく左右する、大事なプロセスです。
そこで、ありのままの自分をまかせられる、
「見届けてくれる」「寄り添ってくれる」という安心感が、お母さんは必要。
助産所で私はそれを体験し、夫婦ともにとてもとても感謝しています。
助産師さん「が」、あなたのお産を助けるプロです。
そして、赤ちゃんが生まれる前から生まれた後もずっと、
「ここにいますよ」といつでも受け入れてくれる。
そして、
私たち「が」産むのです。
安心してお腹の子を育み産めるよう、赤ちゃんのため、
助産師さんと積極的に信頼関係を築くためにも、
お産の色んな体験談を聞いたり、どんな処置があるのか調べたり、
「大丈夫、あなたなら産めるよ」「あなたが産むんですよ」と
支えてくれる誰かを探したり、
困った時、不安で泣きたい時、夫婦喧嘩した時、恐い時にも相談できる相手。
安心感、自信を持てるよう、できることが沢山あります。
ガイドしてくれる助産師さんを頼りましょう。
医療者ではないけれど、補完的に一緒にサポートできる、
同じ思いで活動するドゥーラさんもたくさんいます。
産んでから分かることでもありますが。。。
出産はゴールではないんですよね。
そして、お産はその時の自分らしいお産になるのだなと
振り返ると感じます。
産む前から自分を知ってもらい、相手を知り、信頼関係を築く。
自分を受け入れてくれる場所と人。
それが一生の宝物になります。
出来る限りの事はした!という気持ちは、出産の結果がどうであれ、
その後の育児、自分にとてもプラスになる。
そして何よりも、
自分で自分を褒め称え、「産むぞ!」という気持ち。
そういうコンディションへガイドしてくれる、寄り添ってくれる助産師さんが
たくさんいますよ!