オリンピックで優勝し、その後怪我から復帰して今も絶対的な女王の座にいるクロエキム。

見ていて鳥肌が立つほどその滑りと強さは圧倒的で、誰も敵わないんじゃないかと思うくらい別格だと思えてしまう。

 

そんなChloeは、夫の両親が経営していた日本食レストランにもよく家族で食べに来てくれていて、元々はその近所で暮らしていました。

スノーボードに打ち込むために幼少期にそこからマンモスへ移り住んだと聞いたことがあります。私たちがマンモスに移り住んだ頃のトラの年齢と同じくらいでした。



 

Chloeはアメリカでも大スターで、華やかで、髪はブロンドにして英語しか喋っているところを知らないし、私たちアジア人から見たらかなりアメリカ人!と思っていたけれど。

 

そうじゃないんだ、見えなかった、彼女が見せないようにしていた面を知り、深く心に響きました。


 

韓国人のご両親は気さくで、片言の日本語で話しかけてくれることもありました。

Chloeのインスタにはご両親の姿も出てくるし、愛を感じます。

だからこそ、彼女がアメリカで有名になり取り上げられればられるほど、アジア人ということを隠したくなったりアメリカ人ぽく振舞ってきたことと、両親への思いが切なくなりました。

 

 

アメリカのメディア、SNOWBOARDERのWEBにChloeが人種差別について初めて語っているインタビューが掲載されました。衝撃と感銘を受けました。その中から少し引用させてもらいます。

 


 

 

「私がプロスポーツ選手でもオリンピックで優勝しても、人種差別から免れることはなかった。

子供の頃から経験し続けて来た。」

 

 I’m a professional athlete or won the Olympics doesn’t exempt me from racism. I’ve experienced it since I was a child.

 

 

Chloeが13歳で初めてX Gamesで優勝した時、彼女がアジア人だったことでその偉業は軽く扱われたと言います。それから彼女は公共の場で両親に韓国語で話すことをやめたそうです。自分がアジア人だということが罪悪感で恥ずかしくて嫌だったと。

周りに白人の友達がいるときにお父さんが韓国語で話しかけて来ても英語で答えるようになり、「韓国語は話せないの?」と聞かれると「そんなに話さないわ、習ったこともないし。」と答えたそうです。でも本当は流暢だった。彼女は自分がすごく無礼だと罪悪感を感じたそうです。


「なぜなら、私の父は私たちに少しでもいい生活をさせたいと、アメリカンドリームを掴むためにアメリカへ来たから。」

 

When I won my first X Games medal at 13, people belittled my accomplishment because I was Asian. After that, I stopped speaking Korean to my parents in public. I was so ashamed and embarrassed and hated that I was Asian. When I was around my white friends and my dad spoke to me in Korean, I’d respond in English. They’d ask me, “Do you not know how to speak Korean?” I’d say, “Not really. I never learned.” But I was fluent. That was so disrespectful and makes me feel so guilty because my dad came to the States to give us a better life and pursue the American dream, or whatever that means anymore.

 

 

「アメリカは私のホームで、私はここで生まれ育ちました。ここで学校にも通いました。でも私はここで受け入れられているとは感じません。」

 

The States is my home. I was born and raised here. I went to school here. But I don’t feel accepted here.

 

私たちの親の時代には、移民者がどれほど大変だったかという歴史は知っているけれど。同じくアメリカで生まれ育った夫が、日本人の両親には理解しきれないことや周囲からの人種差別でどんな扱いを受けて来たのかも聞いてきたけれど。

今まだ若く20歳そこそこのChloeがこんな風に感じてアメリカで生きているとは、とても衝撃的で切なくなりました。

しかも物凄い数のアジア人が住んでいるカリフォルニアで生まれ育っていて。

 

義両親が移住して来た頃のアメリカと、夫が育った頃のアメリカと、これから育っていく息子の環境で変化はしているけれど。これからまたアメリカに戻り子育てしていく私はこのChloeのインタビューを読んで色々な思いが湧き上がりました。

 

そして、最後にはこんな言葉が。

これまで人種差別のことには触れず発言をせずシャットアウトしてきたChloeが、こういう言葉を発してくれていること自体が、これからの世の中がもっと変わっていく光のように感じました。

 

 

「まだもっと私にできることがある」

 

 I can still do so much more.

 

 

 

Chloe Kim。もともと好きだったけど、もっと好きになりました。

是非読んでみて下さい。


 

Chloe Kimのインタビュー




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