映画「みなに幸あれ」感想(あらすじ&ネタバレ&ツッコミ) | 鯉太郎&神楽&銀八 3ニャン日和

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カープと漫画とビールをこよなく愛する主婦が、愛する鯉太郎・神楽・銀八の様子等、徒然なるままに綴ります。




ホラー映画好きとしては見逃せなかったけど、自分の住んでいる市では上映がなく、市外の映画館は上映期間も短かくて、結局観られなかった映画「みなに幸あれ」。
いつも見ている都市ボーイズさんのチャンネルでも紹介されていたので、ずっと気になっていました。



アマプラで配信になったのを知って、早速鑑賞。ありがとうアマプラ。





【あらすじ&ネタバレ&ツッコミ】


東京の看護学校に通っている主人公(古川琴音さん)は、祖父母がいる実家へと1人で帰ることになった。両親と弟はあとから来ることに。
(この映画は、役名がないようです)


実家はいつも変な物音がしていて、主人公は、幼い頃に不気味に思っていたことを思い出す。
祖父母は元気で、美味しい自家製のお味噌汁も作ってくれるけど、どこか様子がおかしい。そしてやっぱり、閉め切られた2階の部屋から誰かがいるような音がする。
お祖母ちゃんに部屋のことを聞くと、真顔で「人がいるのよ」と冗談を言うお祖母ちゃん。こええ。
演出なんだと思いますが、基本的に主人公と、後で出てくる幼なじみの男子以外は全員台詞棒読みです。



ある日、自転車で転んで同級生にからかわれている中学生男子に遭遇した主人公。
通りかかって声をかけた軽トラの青年は、主人公の幼なじみでした。幼なじみ君、なかなかイケメンで雰囲気よし。なんとなく、昔はお互い好きだった系の感じ。



幼なじみは倒れた父親のため、農家を継いでいると話をする。暗い表情で、何か隠し事がありそうな幼なじみ。
幼なじみに家まで送ってもらうと、お祖父ちゃんが「もうあいつとは会うな」と言う。理由を聞いても教えてくれず、祖父母や近所への違和感を募らせる主人公。




そして夕食を食べていると、パンツいっちょの男性老人が這いつくばって廊下に出てくる。老人は、なんとまぶたと口を糸で縫われていた。ビジュアルエエね!!不審な物音はこのパンイチ老人だったのだ。
あまりの衝撃で声も出ない主人公。しかし祖父母は淡々とした表情でパンイチ老人をまた2階に連れていき、拘束する。
拘束している寝床のそばには自家製の味噌があった。台所で見た時からウ◯コっぽいなぁと思っていたけど(狙ってるよね)、やっぱりウ◯コ?笑。



「あなたもいずれわかるわ」という祖母の言葉が理解できず、家を飛び出した主人公。またタイミングよく軽トラで通りかかった幼なじみ。話をしようとするが、幼なじみの父親が助手席にいるのを見て、話すのをやめた。そのまま幼なじみの家に行き、柿を食べる主人公。のんき。てか、祖父母が知らない老人を監禁していたなら、まず警察じゃない?と思うんだけど。




主人公は幼なじみと一緒に、パンイチ老人の救出作戦。祖父母に見つからないように家に入るが、祖父母はあちこちで徘徊。ばったり会いそうなのを回避。ホラーゲームみたいで笑ってしまいました。これも監督の狙いかな。
なんかわからんけど、エロい雰囲気でイチャイチャする祖父母。




幼なじみと2人でなんとかパンイチ老人を外に脱出させる。
外に出られた喜びで、フラフラと歩き出すパンイチ老人。ずっと監禁されてたら、そんなにすぐには歩けんと思うんだけど。その後ろを、どうすることもできずについて歩く主人公と幼なじみ。そしてまたその後ろから歩いて追う祖父母。何じゃこの構図。まず警察か救急車呼ぼうや。




その反対方向から、主人公の父母と弟の乗った車が通りかかる。
主人公が事情を話そうとした瞬間、パンイチ老人が車に轢かれてポーンと飛んでいく。パンイチ〜イイイ!!
救急車を呼ぼうとする主人公。遅いって。主人公の父親が倒れたパンイチ老人をえーいと蹴り、土手の下に落として老人を燃やす。あらあら〜みたいに笑う母親。




主人公は、両親がパンイチ老人に驚かないことに驚愕。母親は、「まだ知らなかったの?」と主人公に言う。混乱する主人公。幼なじみも事情を知っていたようだ。



何も知らんかったのは主人公だけ。
他人の不幸があることにより、家の幸せが保たれていたと説明する祖母。
アレ(生贄)がいることにより、幸せが分配されていたらしい。

味噌って、音楽を聴かせるとまろやかになると聞いたことあるから、あのウ◯コみたいな味噌も、不幸を聴かせてまろやかにしてたのかな。ウ◯コじゃなくて良かった。
近所みんな、祖父母の家のアレが死んだことを知っていた。この村は、一家に一人アレがいるシステムだった模様。



アレのシステムに反発して家を出た叔母がいると知り、叔母を探して山奥に。
山奥の小屋に叔母は住んでいた。恐らく自給自足の暮らしだろうけど、小屋は意外とオシャレで、隠れ家カフェみたいな雰囲気。叔母は主人公を快く迎え、お水を出す。絶対飲みたくねえ。
叔母はペラペラと、この世の真理みたいな話を始める。こええ。
その後、叔母と楽しく薪割りを体験する主人公。なんで薪割り?
嫌な予感しかしてなかったら、主人公が振り下ろした斧に、叔母の頭がクリーンヒット。あ〜やっぱり。叔母は自分から斧の下に頭を入れていたのだ。頭をかち割られてニッコニコの叔母。ヒイイイ。
主人公が小屋の奥を覗くと、やっぱりミイラ化したアレがいました。結局叔母も同じじゃん!!絶望する主人公。





血まみれで山から駆け下りて途中で力尽き、眠ってしまった主人公。幼なじみが助けようとするが、主人公は断る。
死んだパンイチ老人の代わりに、アレになる人間を探さないと、家族が不幸になると言われて焦る主人公。
イジメられていたところを助けた中学生が主人公を察して、「自分がなってもいいですよ」と言うが、耐えきれない主人公は家に帰る。




家に帰ると、知らない老人男性がもてなされていた。次のアレにするつもりだと思い、老人を追い返す主人公。
主人公や両親や弟の目からは、どんどん血が流れる。「あなたのせいで時間がない」と言う母親。アレが死んだ家は、植木は枯れ、味噌は腐り、人間も死に追いやられようとしていた。
主人公は追い詰められ、自分のまぶたを縫い付けようとする。縫い針がまぶたにグッサリ。これマジで痛てエエエ!!それを笑いながら見る祖父母と両親。目にティッシュを突っ込まれて悶える弟。地獄絵図開幕。
祖母はお腹が膨れて産気づく。組体操でヒッヒッフー!!組体操!?笑




家から出て、よろよろと幼なじみの家にたどり着く主人公。幼なじみの父親は亡くなっていた。幼なじみの家には、アレがいなかったようだ。




絶望した幼なじみは、主人公の手を掴み、自分自身の首を締めさせようとする。抵抗する主人公。しかし、なんだかんだで気が付くと、主人公は幼なじみの首を締めて気絶させていた。



主人公は家に帰った。出産を終えた祖母が赤ちゃんを抱き、家族みんなが出迎えてくれた。気絶した幼なじみを2階に運び、まぶたと口を縫い、次のアレにするのだった。




そして月日が経ち、東京。
主人公は婚約者と待ち合わせ。今日は婚約者の実家に挨拶に行く日。
主人公はもう、交差点で困っている老人を見ても手助けしない。だって自分の幸福が減ってしまうから。
婚約者の実家の近くに差し掛かった時、2階から羨ましげにこちらを覗く若い女性がいた。目が合い、女性の不幸を感じた主人公は、満足そうに微笑んで、幸せだと言うのだった・・・。




【感想】


ナンジャコレ!!な映画でした(私的にはいい意味で)。祖父母の家が変だったというのは、シャマラン監督の「ヴィジット」っぽくもあり、因習ホラーというところであれば「ミッドサマー」ぽくもあり。


「幸せは絶対量が決まっていて、他者の不幸のもとに自分たちの幸せがある」というワンアイデアで作ったことは良かった。
ただ、説明不足なところも多いし(祖母の妊娠の理由とか)、なぜ主人公はすぐに警察を呼ばないのかとか、なぜ主人公だけが村の秘密を知らなかったのかとか、疑問もいろいろ。
警察を呼んだけど警察もグルだった!!村から脱出できない!!みたいな展開もあったんだろうけど、それだとありきたりかな。



賛否両論の否が多い映画だろうとは思います。お金を出して劇場で見る映画だったかと言うと正直ちょっと微妙だけど、アイデアが枯渇してキレがなくなってきたジャパニーズホラーに、これからの希望を感じられる作品かなと思いました。古川琴音さんも上手くて可愛かったです!!




幸せって、他人と比べるもんではないし、人を呪わば穴二つって言うし、やっぱり自分がちゃんとせんといけんのよね。





生理的な気持ち悪さを見てみたい人はどうぞですニャ〜!!