韓国の運転免許を日本のソレに切り替えた話・最終章 | ゆうきの韓国スケッチブログ

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ソウルに住んで16年目の日韓夫婦。韓国の日常をつれづれなるままに文字や写真やイラストでスケッチしていきます。

前回までのあらすじ

 

韓国の免許証を日本の免許証に切り替えるため奔走するブログ主ゆうき。東京麻布の韓国領事館で2日がかりで公証入り翻訳文を手に入れ品川区の鮫洲免許センターに向かうものの、住民票上滋賀県民である彼は滋賀の免許センターでしか切替が出来ぬと知り滋賀県警へ連絡、しかし滋賀県では外免切替は予約制でなんと一ヶ月のお預けを喰らってしまう。一ヶ月後レトロ感溢れる滋賀県運転免許証試験場へ赴いた彼は「調査」と称して謎の小部屋に軟禁される。そして長い長い待機時間の末に現れた職員に手渡された紙を見て驚愕するのだが、その内容とは...

(詳しくは その① その② その③

 

 

 

僕がその紙を見て驚愕した理由、

まずはその紙が

韓国語で書かれている書類だったからです。(日本語も併記)

 

さきほどパスポートも住民票も渡してある時点で

僕が日本人であることは十分把握しているはずなのですが...

 

「あの、これ記入も韓国語でするんでしょうか?」

「いえ、私どもが読めませんので出来れば日本語で記入してください

 

 

 

ますますわからない

 

 

 

なんとも釈然としない気持でいましたが、職員さんが出て行ってしまい

また部屋に一人取り残されたので、おとなしく指示通り用紙に目を通し始めました。

 

 

ところが、その内容、というか質問が...

 

 

 

免許を取るために教習所に通いましたか

 

教習所の所在地はどこですか

 

教習所に通ったのは何年何月何日から何年何月何日までですか

 

教習所に通った回数は何回ですか

 

学科試験を受けた日付はいつでしたか

 

学科試験の問題数は何問でしたか

 

学科試験の問題は何択でしたか

 

学科試験の合格点は何点ですか、あなたは何点でしたか

 

学科試験を受けたのはどのような機関ですか

 

その機関の所在地はどこですか

 

路上教習を受けましたか

 

その回数は何度で一度あたり何分ほど運転しましたか

 

などなどなど...

 

このような問題がA4用紙両面刷りで合計6ページほど続きます...。

 

 

 

 

 

僕が最初に韓国で免許を取得したのは2006年初頭のこと

すでに10年以上の月日が流れています

はっきり言って

 

 

おぼえてない

 

 

 

いやあ、そりゃ覚えてないでしょ

覚えてますか?普通は覚えてるもんなんでしょうか?

先週食べたものを全部順番に挙げろと言われても自信ないのに

覚えてませんよお...10年以上前のことなんてえ...

 

 

それでも必死に記憶を遡りながら

ああでもないこうでもないと用紙と格闘すること30分

 

空欄だらけの回答用紙が出来上がりました。

 

はあ、疲れた...

 

それにしてもあの職員さん、いつごろ戻ってくるんだ?

 

 

 

 

 

15分

 

 

20分

 

 

25分

 

 

30分

 

 

 

ヒマです...ヒマすぎます...

目の前の質問用紙に47都道府県のゆるキャラをすべて落書きしてもあまるほどの時間が経過した頃

 

 

ガチャ

 

 

ようやく!先ほどの職員さんが戻って来ました。

 

 

やおら僕のむかいの席に腰掛けます(刑事ドラマでよく見かけるあの対峙スタイル)

 

「はい、お疲れさまでした〜。あれ空欄が多いですね」

「は、はあ...なにぶん昔のことですので」

「いいですよ〜。じゃあこれから一つ一つ質問しますので一緒に思い出しましょうかあ〜

 

 

一緒に思い出す?

...これもどこかで聞いたセリフな気が...

 

 

 

「え〜では、韓国で教習所に通ってらしたということですね」

「はい」

「その回数が空欄になってますが、大体でいいので思い出せませんかね」

「んんん...」

「通い始めたのはいつですか?」

「長女の1歳の誕生日の半年ほど前だった気がするので...たぶん2005年の終わりごろです」

「何月ごろ?」

「11月か...12月か...」

「仮免を取るのにどれぐらいかかりましたか?」

「仕事をしながらだったので...たぶん1〜2ヶ月ぐらいだったかと」

「週に何回ほど通いましたか?」

「2回か...せいぜい3回ほど」

「合計10回以上か以下かで言うと?」

「以上だったような...」

「だいたい10回ですかね」

「そうだったような...」

「わかりました」サラサラ

 

「学科試験についてですが記述式ですか選択式ですか」

「選択式でした」

「選択肢はいくつありましたか」

「んん」

「2択ですか?」

「2択ではないです」

「3択?」

「もうちょっと多かった気がします」

「ではだいたい4択ということですかね」

「問題によってはもっと多かった気が...」

「4択以上ですね」

「ま、まあ」

「わかりました」サラサラ

 

 

何と言うんでしょうか、この

一つのストーリーが...記憶が...創造されていく感...!

 

というか

強めの口調で「そうなんですね」と言われると

なんとなくそうだったような気がしてくる感覚

 

 

あの、カツ丼頼んでいいですか?

 

 

これ外免切替の審査だからまだいいけど

例えば何かの事件について供述する場合とか

なんとなくいろんなことを想像してしまいました...笑

 

 

他にも質問は、学科試験の問題内容、路上教習の内容、

実技試験の内容、そして韓国の交通ルールなどなど多岐に渡りました。

そんなこんなでドキドキのヒアリングが40分ほども続いたでしょうか...

 

「お疲れ様でした」

ようやく職員さんが立ち上がったので一気に肩の力が抜けました。

 

 

「ではこれから審査しますので、そのままお待ちください」

 

 

僕は三たびその部屋に取り残されることに。

 

 

この待機時間が長かった...!

 

10分

 

20分

 

30分

 

なんでこんなに時間がかかるんだ??

もしかして韓国のどっかの機関に問い合わせて

僕の供述が本当に正しいか一つ一つチェックしてるとか?

「4択とか言ってたけど本当は5択じゃないか!不合格だ不合格!」てなことになってるのか?

そんな不安が脳裏をよぎります。

 

40分

 

50分

 

60分...

 

 

朝一番の8時半に来たはずが、いつの間にか時計は11時になろうとしています。

こんなに時間がかかることだとは、完全に誤算でした(午後は名古屋でゴジラ展を見ることになってるのにい!←)

 

時間が余ったときの為にと思ってもってきた恩田陸の『三月は深き紅の淵を』を

ほぼ読み切ろうかというその時

 

ガチャ

 

再び入って来る職員さん。心なしかさっきより表情が穏やかに見えるのは僕のホッとした気持ちのせいだったのか。

 

「では免許証発行の手続きに入りますのでこちらの用紙にご記入ください」

とお役所などでよく見るタイプのマス目に名前とか住所を書き込むタイプの用紙を差し出されました。

 

え、これって審査通ったってこと?

そうだよね!?

 

キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

 

 

はやる気持を抑え、

職員さんの見守る前でスラスラと用紙に記入。

 

手渡すと

「長い間お疲れ様でした。もうこの部屋には戻りませんのでお荷物を全て持って出てください」

と言われ、数時間ぶりにシャバへ開放!

 

空気がうまい!

 

 

最初に手続きをした広い待ち合い室で腰掛けていると

すぐに名前を呼ばれました。

「では写真を撮りますのでこちらに腰掛けてください」

 

え...

 

この日のためにキメッキメの写真持って来てるんですけど

この場でとるんですか?この軟禁され疲れ切った顔を?

 

パシャきらきら

 

あ、もう撮られたんですね。そうなんですね。

 

 

 

そして待つこと15分ほど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

に!

 

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出た...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長かった...(´;ω;`)ブワッ

 

 

 

こうして無事、日本の免許証をGETし

僕の長い長いミッションは終わりを告げたのでした。

 

 

 

 

 

 

お付き合いくださった皆様

ありがとうございました。どうぞ安全運転で!