「ゴルディオスの結び目」という逸話をご存知ですか?
時は紀元前4世紀。
マケドニアの国王アレクサンドロスが関係する逸話です。
アレクサンドロス?
歴史で誰もが聞いたことのある名前だと思います。
アレクサンドロス大王と言った方がわかりやすいかもしれませんね。
彼がペルシア領リュディアに遠征した時の話。
ある神殿に戦車が祀ってあったそうです。
その戦車はかつての国王、ゴルディオスによって神殿の支柱に縄で固く結びつけられていました。
そして「この結び目を解いた者がアジアの国王になる」という伝説があったとか。
腕に覚えのある多くのつわものが、その結び目を解こうと挑戦し、誰も解けた者はいませんでした。
そんな折、アレクサンドロス大王は結び目を前にそれを解くための行動に出ます。
何をしたと思いますか?
彼は結び目が固くそれを腕力で解くことは難しいと判断します。
そして採った行動はというと・・・
短剣を取り出し、その結び目を一刀両断に断ち切ってしまったんだそうです。
その時、大王は次のように語ったとか。
「運命とは、伝説によってもたらされるものではなく、自らの剣によって切り開くものである」
そして実際に歴史で学んだように、彼はアジアの広い範囲を治める王として君臨します。
常識を打ち破る行動というか、とても考えさせられる話しでした。
さて、この話はきのう紹介した本「嫌われる勇気」の中で哲人が語ったもの。
この哲人とは?
アドラー心理学を学ぶ方ならご存知の方も多いと思いますが、ギリシャ哲学の研究者およびアドラー心理学のカウンセラーでもある岸見一郎さんがモデルになっています。
(岸見さんは本の著者の一人でもあります)
ストーリーはその哲人が、彼を論破しようと訪れた青年を相手に、幸福に生きるための処方箋としてのアドラー心理学の思想を伝えていくというものなのですが、そのやり取りに時間を忘れて引き込まれます。
なぜかというと・・・
青年は哲人が語るアドラーの思想を聞いてすぐに納得することはありません。そこで反論を試みるのですが・・・
哲人は理路整然と、しかも冷静に話しを続けます。
すると青年は徐々に心を開いていき・・・
おそらくこの本を読むと、いままでの常識がひっくり返され、頭の中が混乱することと思います。
もしかすると青年がしたように反発し、反論したくなるかもしれません。
「そんなことはない・・・」
でも、哲人の話す内容が少しずつ理解できるようになるはずです。
ただ、すべて理解できるということはないことでしょう。
ちなみに私はアドラー心理学に出会って、3年以上たちます。
正直言って、いまだにアドラー心理学を学びつつもすべてを理解することができていません。
おそらくすべてを理解することができないかもしれません。
特にアドラー心理学の基本前提の一つである目的論などは、心から納得するという境地には至っていません。
それは本の中でも書かれていましたが・・・
時代を100年先行したともいわれるアドラーの思想には、まだまだ時代が追いつききれません。
よって私のような凡人がすべて理解できなくても当たり前なのでしょう。
とはいえ、これからも地道にアドラー心理学を理解することに務め、生活の中で実践していきたいと思っています。
その点で、きのうも紹介した岸見一郎さんの本、きっと役に立つだろうと思っていますし、何度も読み返すつもりです。
そのようにして、自分の運命?を自ら切り開いていく所存です。