きのう、ある知り合いと話しをしました。
その知り合いの双子のお子さん（男女）は、今年の春に同じ高校に入学を果たしています。
その高校は全寮制で礼儀を重んじる学校。
しかし、東北地方の田舎にあるため、なんと近くにはコンビニや遊ぶために施設が全くない。
しかも、学校では当然として、寮でもゲーム、携帯、テレビの持ち込みは禁止なんだそうです。
そんな環境でも、その子たちは高校生活を楽しんでいるようです。
これからお伝えするのは、その子たちが今年の春にその高校を受験した時のエピソード。
その時に、首都圏からその高校を受験した男の子の話です。
Ｔ君は、遊ぶところがたくさんあって便利な都会育ち。
しかし、ある理由でお母さんに強制されてその高校を受験することになったそうです。
ちなみにＴ君は、成績は振るいません。
その高校には、特進クラス、普通のクラス、成績が悪い子でも入れるクラスがあるんだそうで、Ｔ君が受験するのは、当然ながら3つ目のクラス。
彼に付き添って、そのお母さんも受験会場に来ていたのです。
そしてお母さんが、しきりに彼に言うのを私の知り合いが聞いていたそうです。
「この高校に落ちたら、行く高校がないんだから、ちゃんとしなさい」
そんなことを何度も話していたとか。
それに対して反抗的な態度を取るＴ君。
だって、もしその高校に行くとしたら、便利で遊ぶところがいくらでもある都会から、東北地方のコンビニもない田舎で寮生活をしなくてはいけないＴ君。
そして寮生活ですから、ある意味、自由も束縛されてしますね。
確かにそんなことを考えたら、Ｔ君がその高校に行きたいとは思わなかったのも当然でしょう。
そんな折・・・
Ｔ君のお母さんが席を外した際に、Ｔ君はその場にいた私の知り合いに尋ねてきたそうです。
ちなみに、知り合いのお子さんは、同じ高校の特進クラスを受験しようとしていました。
知り合いも、その会場内にいたのです。
「○○ちゃんのお母さんは、なぜ、○○ちゃんをこの高校に入れたいと思っているんですか？」
知り合い（お母さん）は、答えました。
「この高校は礼儀を重んじる高校でしょ。子供には社会で通用するように礼儀をしっかり身につけてほしいと思っているの。そして・・・・・」
知り合いは、そして礼儀を身につけることの大切さや、子どもが社会に役立つ人に育って欲しいこと、そしてその高校はその目的にかなうと思っていることなどをしっかり話したそうです。
するとＴ君の目の色は徐々に変わり・・・
「そんなふうに説明してもらえたら、反抗しないのに・・・」
そんなふうに話してくれたというのです。
そんなこともあってか、結局、その高校に今年の春に入学したＴ君。
夏くらいまでは、いろいろと問題もあったようですが、現在、少しずつ良い変化を見せているんだそうです。
きっと礼儀を重んじる校風や寮の仲間の影響なども作用しているのかもしれませんね。
ただ、ここでお断りしておきますが、話しを聞きながらメモ等はとらなかったので、言動は正確さを欠きますが、話しの流れとしては確かこのような感じでした。
さて、この話を聞いて大切だなと思ったことを３つ述べます。
１つは、子育ての目標をしっかり持つ必要性について。
そこがしっかりしていると、考え方がぶれないですし、子どもから高校、大学の選択などで助言を求められたとしても、適切なアドバイスもできそうです。
２つめは落ち着いて冷静に話せば子どもも理解してくれるということ。
どんなに良いことを考えていたとしても、もし、それを感情的に伝えると、伝えたいことが適切に伝わりません。
でも、知り合いのように冷静に話すことで、伝えたいことがしっかりと伝わるのでは？
３つめは、話しをする時に将来の良い姿をイメージさせてあげることが大切だということ。
知り合いは、その学校で学ぶことで、どんないいことがあるのかを切々と語りました。
「この高校に落ちたら、行く高校がないんだから」と言う方をされると、恐れや不安の感情が増幅しますが、将来の良いイメージを鮮明に描くことで、人はやる気になるものです。
将来に対して、恐れや不安を感じさせるよりも、よりよい未来像をイメージさせてあげた方が良いと思うのですが、いかがでしょう？