不愉快な習慣を早く身につけさせる方法?
逆説的なタイトルですね!
実際、お母さんが不愉快だと思う習慣は、素早くお子さんに身につけさせることができそうです。
逆に言えば、そこから子どもに不愉快な習慣を身につけさせないように、親の立場としての注意するポイントも見えてきます。
さて、お子さんの習慣(癖)で、それを見て嫌だなと思うことがあるでしょうか?
爪を噛む、鼻をほじる、行儀が悪い、などなどいろいろあることでしょう。
では、それはなぜ、習慣になってしまっていると思いますか?
この点で、アドラーの弟子であったドライ―カースという人がおもしろいことを書いています。
子供に鼻ほじりのような不愉快な習慣をとても早く身につけさせる方法を知りたいなら、たまたま、子どもが鼻に手を触れた時に、母親は「鼻から手を離しなさい。そんなことをしてはいけません」と言いさえすればいいのです。そうすれば、子どもはまさにその次の機会をとらえて、鼻に手を押しつけるだろうということを私たちは知っているのです。
でも、それだけでは習慣にはなりそうにないと思うのですが、ドラ―カースはこう述べます。
それから、母親が続いて起るこの行動の繰り返しに対して、その度に叱るということをしさえすれば、それは習慣としてはっきりした形をとるようになるでしょう。
お母さんが「子どものため」と思ってやっていることで、かえってその行動を強化しているという訳です。
ドラ―カースはさらに述べます。
このように母親の叱るという方法が実際には子どもに悪い習慣をつけるようにトレーニングしているということが、私たちにはわかっているのです。
もしかするとこれを読んでいてギクリとした方もいらっしゃるかもしれませんね。
さらに、ドラちゃん。
以上のような叱るやり方の失敗によって、叱るやり方は子どもの抵抗を取り除かないで、かえって抵抗を生み、それを強化するので役に立たず、有害でさえあるということが証明されます。
子どものためと思って叱ることがかえってそれを習慣化させ、子どもにとっても有害だというのです。
そう考えると、子どもが何かお母さんが不愉快になるようなことをしたとしても、その場で叱ったり、指摘したりしない方がよさそうです。
かえって、そうすることによってその行動を強化して習慣化させてしまう可能性さえあります。
しかも有害な影響さえ与えてしまう。
またまた、ドラちゃんの登場です。
叱責の有害な影響は、子どもを深く傷つけることです。(中略)自分の能力を信じることは、成功するためにとても必要なものですが、叱責は能力への自信を強めるどころか逆に自信をなくさせます。叱責は最終的に欠点が取り除かれるどころか、かえってよりしっかりと根付くという結果になるかもしれません。
これを読むと、ちょっと怖いと思いませんか?
さて、まとめですが、
もし、子どもの不愉快な癖を習慣化させたいなら、癖をした時にタイムリーに叱責することです。
でも、そうしたくないなら、不愉快な行動をしているときのタイムリーな叱責は控えた方がよさそうです。
子どもの不愉快な行動に注目するのではなく、かえって望ましい行動に注目し、そのことを「わたしメッセージ」で伝えるなどが望ましい。
子どもに限らず人は注目された行動を強める傾向があります。
だから・・・
不愉快な習慣を早く身につけさせるのはとても簡単なのです。
なので、そうしたくなかったら、子どもの適切な行動に注目をしてあげたいものです。