まず、この話をお読みになってみてください。
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ピート・グレイをご存知でしょうか?
彼は、幼少期に見たニューヨークヤンキースの試合に大きな影響を受けて、逆境に耐え、大リーガーを目指した人物です。
6才の時に、ある事故に遭い、ハンデをものともせずに練習を続けます。
その後、彼は野球学校に入るのですが、周りの反応は、冷たいもの。
それでも彼は練習を続け・・・
その懸命な練習を見た野球学校の先生は、セミプロの球団の監督に電話をかけてくれました。
しかし、どの球団も彼を雇おうとしません。
それでも、ピートは、練習に励みます。
そんなピートに幸運が訪れます。
諦めないで行ってきた努力が実って、彼はマイナーリーグに入ることができ、その実績を変われ、なんと大リーグでプレーをするという夢がかなったのです。
しかし、大リーグでのピートの初打席は三振に終わりました。
それでも観客は、われんばかりの拍手をピートに送ります。
なぜ、三振なのに拍手?
何とピートは、6才の時に電車の関係する事故で右腕を失っていました。
なんと片手だけで、彼は大リーガーになるという夢を果たしたのです。
大リーグでのプレーは、1年だけで終わってしまったようですが、それはその後の彼の人生に大きな自信となったことでしょう。
ここで、彼が好きだという言葉を紹介します。
勝者は決してあきらめない!
=====ここまで=====
この話をご覧になってどう思われたでしょう?
何かを感じられた方もいらっしゃるかもしれませんね。
さて、なぜ、この話を紹介したかというと・・・
いま、頼まれて、中学生の英語を見ています。
実は先日、お伺いしたときに、英語はそっちのけで、このピートの話を収めたDVDを見てもらいました。(日本語)
物語自体は十数分のものなのですが、映像と文章に加えて、音楽の効果で心に訴えます。
それを見終わった教え子君の反応はというと・・・
彼の第一声は「これと同じようなのをこの前、学校で見た」。
どういうことかというと、少し前に、学校にディズニーランドで働いていた香取さんという方が学校に来られて、講演をしてくれたんだそうです。
その時に、今回見てもらったのと同じような映像が使われていて、それを見る機会があったようなのです。
「同じようなの」という表現は、「諦めなければ、夢はかなう」そんなメッセージ性を含んだ映像という意味で!
具体的に言うと、その子の学校で講演をした香取さんには、同じ職場(TDL)で働くディズニーランドが大好きな友人がいたんだそうです。
そしてその友人の方は、5年後に本場アメリカのディズニーランドで働くという夢を持っていたとか。
当然、その夢を聞いた香取さんは「そんなこと無理」と思ったようです。
しかし、その友人は、それを実現してしまったんですって!
少し要領を得ないところもありましたが、そんなエピソードを10分以上も興奮気味に語る教え子君の話しに、私も元気をもらいました。
そして、ピートのDVDを見てもらったのは成功だったと思ったのでした。
では、なぜ、貴重な時間を使って、英語の問題を解かせるのではなく、DVDを見せたのでしょう?
問題を解くよりも、「心のあり方」をつくる方が大切と思ったからです。
具体的には、諦めないで、努力を続ければ、何かを成し遂げることができるということを伝えたかったからです。
それは言葉で言えば、ほんの数秒で伝えることができるでしょう。
しかし、「諦めないで打ち込めば、なんだってかなう可能性があるんだよ」なんて言葉で言っても、おそらく馬の耳に念仏で、心に到達することはないと思ったのです。
でも、ピートや香取さんのような物語(ストーリー)に触れてもらうことによって、人は勝手にそこに込められたメッセージを受け取ってくれます。
その点で、物語は、強力な力を持っています。
そこに感動と「何のために?」を加えると・・・
「勉強しなさい!」なんて言わなくても、勉強するようになるかも・・・