子供に家庭で、学校で、社会で、どんな貢献をできるかを考えてもらう。それが・・・ | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

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勉強だけできても意味はない!

学習のコツや勉強する意味を一緒に考えると共に

勇気づけでお子さんの健全な心も育ててあげませんか?

「生きる意味って何だ?」


私が高校1年生の頃、そんなことを考えたことがあります。


「何のために生きるか?」ということですが、


高校生の時にそんなことを考えていたんだと、当時のことを思い出して懐かしい気持ちになりました。


ちなみに、先日紹介した野田俊作さんの講演集で、こんなことが書かれていました。


特に中学生や高校生というのは、我々みたいな俗人ではないんですよ。


人間が人生に2回宗教に興味を持つ時期があって、ひとつが老年期、もうひとつが思春期なんです。


その時に、何か普通の世の中の暮らしの向こう側に、何かあるんじゃないかって思うわけ。


そういう年頃の子どもに、とにかくお金を儲けろという教育をしてもそれは乗ってこないですよ。


ここを読んでとても興味を惹かれました。


人生に2回宗教に興味を持つ時期があって・・・


実は、私、中学生の時に級友の影響で、聖書を買って読んでいたことがあります。


そして高校生の時に、冒頭で述べたように、生きる意味や目的について考えていました。


また、その頃に宗教的なものに関心を抱いていた人が周りに何人かいました。


きっと思春期は、精神的に不安定なので、俗的なものよりも、聖なるものに関心が向く時期なのかもしれません。


私もそんな時期にいたんだなと妙に関心しました。


だからこそ、人生の意味を考えたりしたのでしょうね。


そんな時期にある子ども達に、俗的なエゴイズム教育は納得できないことでしょう。


おとといの記事とかぶりますが、野田さんの言葉を紹介します。


さて、いま一生懸命勉強している子どもたちは、何を目指して一生懸命勉強しているのでしょうか?


その子たちは自分が身につけたものによって、社会に対して有益な人間になり、人類に対して何かを還元しようとしているのだろうか?


きっと違いますよ。その子たちは、有名大学に入り、自分の人生を安全にし、人からバカにされないで有名になり、尊敬されようとしているわけね。


これは虚栄心で、それをあおっているのが、教師と親です(下線は私)


つまり、今の教育というのは病的です。


子どもが、「いったい私はこの社会から、人類から、世界から、何を要求されているんだろうか」と早くから考えるように、「たった今のこの状況の中で、私は何を要求されているんだろう」と考えるように、私たちは育てなければならない。


自分が安全であるように、裕福であるように、そのために今何をすればいいかということを考えさせてはいけない。


野田さんは、今の教育が病的だと指摘していますね。


その理由は、虚栄心をあおって、教師や親が子どもにエゴイズム教育をしているから。


それは、結果として、子どもが「自分には価値がある」と感じられる機会を奪うことになってしまいます。


自分は役に立てる、貢献できると感じる機会があることで、「自分には価値がある」と感じられるように、人はできているようです。


人の役に立つ体験をしないで、自分のためだけに動いていたら、「自分には価値がある」なんて思えないでしょう。


「自分には価値がある」と思えることはとても重要です。


だからこそ、野田さんが指摘するように「私は何を要求されているのだろう?」と考えて、社会に貢献できる人として生きるように、早いうちから子どもに伝える必要があるのだと思います。


そのようにして生きる意味を自分で創っていく。


そう考えると、思春期の子に、「自分のために勉強するのよ」というエゴイズム教育は、その心に響かないでしょう。


しかも、「自分だけ良ければ」、そんな価値観を持って育つ子は、自分の居場所を感じられなくて、心の中が、いつも隙間風が吹いている状態になってしまうかもしれません。


アドラー心理学は、所属、つまり居場所があることが人にとって重要であることを述べています。


居場所とは、私はこうやってみんなと一緒にいてみんなに喜ばせてもらってけど、私もみんなをきっと喜ばせているなあという感覚


野田さんは人が幸福感を失いつつある理由をこう述べています。


今、我々が幸福感を失いつつあるのはどうしてか。どうしてこんなに一生懸命がんばって儲けているのにむなしいのか、というと与えているなあという感じがしないから。私はいったい何をしているんだろうと思うからね。


子どもに幸福感を持って生きてほしいなら、やはり、家庭で、学校で、社会で、どんな貢献をできるかを考えさせるのが大切なんだと思います。


参考図書

ボクたちのアドラー心理学4 野田俊作講演集