●「花嫁の電話」 | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

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まず、お詫びから!


おとといと昨日にかけて、なぜか、ペタができませんでした。


記事下の「ペタ」をクリックするとPCがフリーズして画面が動かなくなり、うんともすんともいわなくなりました。そのため、せっかくペタをしていただいても、ペタ返しができませんでした。ペタをいただいた皆様、どうかお許しください。


さて、今日は、大嶋啓介さんのメルマガから感動的な話を紹介します。

=====ここから======

「花嫁の電話」


由香ちゃんが近所に引っ越してきたのは、まだ小学校三年生のときでした。


ときどきわが家に電話を借りに来るのですが、いつも両親ではなく由香ちゃんが来るので、おかしいなと思っていたのですが、しばらくしてその訳がわかりました。


由香ちゃんのご両親は、耳が聞こえない聴覚障がいがある方で、お母様は言葉を発することが出来ません。


親御さんが書いたメモを見ながら、一生懸命に用件を伝える由香ちゃんの姿を見ていると、なんだか胸が熱くなる思いでした。


今なら携帯電話のメールがありますが、その時代を生きた聴覚障がいを持つ皆さんは、さぞ大変だったろうと思います。


由香ちゃんの親孝行ぶりに感動して、我が家の電話にファックス機能をつけたのは、それから間もなくのことでした。


しかし、当初は明るい笑顔の、とてもかわいい少女だったのに、ご両親のことで、近所の子供達にいじめられ、次第に黙りっ子になっていきました。


そんな由香ちゃんも中学生になる頃、父親の仕事の都合で引っ越していきました。


それから十年余りの歳月が流れ、由香ちゃんが由香さんになり、めでたく結婚することになりました。


その由香さんが、


「おじさんとの約束を果たすことができました。ありがとうございます」


と頭を下げながら、わざわざ、招待状を届けに来てくれました。


私は覚えていなかったのですが、


「由香ちゃんは、きっといいお嫁さんになれるよ。だから負けずに頑張ってネ」


と、小学生の由香ちゃんを励ましたことがあったらしいのです。


そのとき「ユビキリゲンマン」をしたのでどうしても結婚式に出て欲しいというのです。


「電話でもよかったのに」


と私が言うと、


「電話では迷惑ばかりかけましたから」


と由香さんが微笑みました。


その披露宴でのことです。


新郎の父親の謝辞を、花嫁の由香さんが手話で通訳するという、温かな趣向が凝らされました。


その挨拶と手話は、ゆっくりゆっくり、お互いの呼吸を合わせながら、心をひとつにして進みました。


「花嫁由香さんのご両親は耳が聞こえません。お母様は言葉も話せませんが、こんなにすばらしい花嫁さんを育てられました。


障がいをお持ちのご両親が、由香さんを産み育てられることは、並大抵の苦労ではなかったろうと深い感銘を覚えます。


嫁にいただく親として深く感謝しています。


由香さんのご両親は“私達がこんな身体であることが申し訳なくてすみません”と申されますが、私は若い二人の親として、今ここに同じ立場に立たせていただくことを、最高の誇りに思います」


新郎の父親の挨拶は、深く心に沁みる、感動と感激に満ちたものでした。


その挨拶を、涙も拭かずに手話を続けた由香さんの姿こそ、ご両親への最高の親子孝行だったのではないでしょうか。


花嫁の両親に届けとばかりに鳴り響く、


大きな、大きな拍手の波が、いつまでも披露宴会場に打ち寄せました。


その翌日。新婚旅行先の由香さんから電話が入りました。


「他人様の前で絶対に涙を見せないことが、我が家の約束ごとでした。ですから、両親の涙を見たのは初めてでした」


という由香さんの言葉を聞いて、再び胸がキュンと熱くなりました。

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NTT西日本」コミュニケーション大賞受賞作品より

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この話、もともとは双子の美容師、ゆうさんのメルマガで紹介された話だそうです。