いま、我が家では、メダカを飼っています。
朝、えさをあげようとベランダに置いた水槽に近づくと寄ってきます。
かわいいものです。
そして、どんどん子どもが誕生しています。
今日は、メダカではないのですが、グッピーの飼育を契機に、成績がほとんどビリという子ががやる気になって、という話をご紹介します。(過去の記事を修正して記事にしました)
さて、ここからです。
ムツゴロウさんこと畑正憲さんをご存知でしょうか?
ある時、ムツゴロウさんは、一人の男性からが声をかけられました。
「あなたの本のおかげです」
その理由について、男性は次のように語ります。
「うちには坊主がいましてね、、成績が悪く、クラスでもほとんどビリで困っていました」
そんな息子さんのことを心配して、その男性はどうしたらいいものか、考えていたようです。そしてある時、息子さんにムツゴロウさんの写真集を与えることにしました。
すると息子さんは、それを飽きることなく見ている。
この子は動物が好きなんだなと思ったお父さん、何かきっかけにでもなればと思って、グッピーを飼うことにしたんだそうです。
すると息子さん、グッピーの世話をするうち、その世界にどんどんはまっていった。
すると、
「まずテレビ離れを果たしました」
そして
「グッピーについて知りたがるようになり、ついにアメリカから資料をとりよせるまでになりました。」
さらに、
「そうなんですよ。英語ができるようになったのです。それまでクラスでほとんどビリだったんですが、どんどん上の方へ行くんです。驚きましたなあ」
やはり勉強ができる、できないは、もともと頭の良し悪しが関係しているのではなく、何か熱中するものがあると、それによって自信や集中力を自然と養うもののようです。
それをムツゴロウさんが指摘すると
「そうなんですよ。勉強に積極性が増してきました。嬉しかったですね。」
このようにして勉強に積極性が出てきた息子さん。その後、どうなったかムツゴロウさんは続けて聞くと・・・。
「グッピーのおかげです」
「まだ、お飼いですか?」
「もちろんです。」
「で、お子さんは」
「坊主ですか。医者になりました」
このお父さんの偉いところは、子どもが勉強が苦手という事実に面して、「勉強しなさい」と強要したりするのではなく、子どもが興味を持ちそうなものを提供し、それに関心がありそうなことを見極めて、グッピーを飼ったこと。
それによって子供さんの興味が引き出され、成績が上がることにもつながったわけです。
お父さんが「勉強しなさい」と強要していたら、きっと彼は医者にはなっていなかったでしょう。
「勉強しなさい」は、逆の効果しか生まないからです。
ムツゴロウさんは、最後にまとめとしてこのように書いています。
知るにしても、年齢によって、さまざまな段階がある。小学校の高学年、中学生になると、一応、学問らしきものへとアタックをかけうる基礎的学力が出始めている。そのあたりで、学校、家庭での学習、という決まりきった、退屈な生活に閉じ込めるのが一番いけない。
そこでこそ、チャンスを多く与える、開かれた生活が必要になってくる。
ムツゴロウさんが言うように、チャンスを多く与えることは、本当に大切なんじゃないかと思います。
勉強へと追い立てるのではなく、かえって自然に触れて、動物や植物を観察したり、山に登ったり、海で波と戯れる機会を提供する。
また、美術館に行ったり、音楽会に行ったり、いろいろな体験を経験するほうが、人間として大きくなるのかもしれません。
そして心から何かに興味を持った子は、その分野で大きく花を咲かせるかもしれません。
人の能力や才能は、磨けば光るのですね。
だから、現段階での成績で、子どもを評価してしまうのはもったいない!
そんな機会を提供してあげるのが、お父さん、お母さんの仕事なのかもしれませんね。
参考図書 「ムツゴロウの自然教育 」 畑正憲著