子供が成長し、中学に入るようになるといわゆる思春期と呼ばれる時期に入ります。
思春期は、子供にとって身体の中で大きな変化が起り、自分でも何が何だか分からない、そんな時期でもあります。
自分のことを振り返っても大変な時期であったような・・・
先日、参加した「アドラー心理学から見た子どもの発達と病理」というセミナーでは、子供の発達を乳児期、学童期、思春期に分けて学ぶことができました。
今日はその思春期について考えを述べてみたいと思います。
その時、いただいた資料には、思春期の子供を見る上で、次のようなポイントを押さえておく必要があることが示されていました。
●性欲、攻撃性などの衝動性への対処
●異性への関心、同性へのライバル・優劣
●孤独の克服、親密な関係の獲得
●「夢崩し」の始まり
(講師の深沢先生からいただいた資料より)
他のポイントもあったのですが、それは割愛します。
自分が思春期にあった頃のことを思い出しながら見てみると「そう、そう」と思うことが多々あると思います。
いわゆる嵐のような時期といっても良いかもしれないですね。
上記のポイントの3番目くらいまでは、納得される方も多いと思います。
4番目の「夢崩し」ですが・・・
小学生うちは子供は夢を語りますね。
例えば男の子なら「大人になったらJリーグのサッカー選手になるんだ」など!
子供がそのような夢を語る時、それを否定する必要はありません。
ただ、中学に入って思春期になると子供も現実が見えてきます。
サッカー部に入っているけど、レギュラーにもなれない。
そんな現実を見て自分の将来を現実的に見るようになることを「夢崩し」と言うようです。
思春期には、子供にとっては考えもしなかった大きな変化が生じます。
身体的な変化、精神的な混乱、そして「夢崩し」などなど。
それによって子供は不安を抱えているかもしれません。
そのために親ができることは、共感して子供の話を聞く事。
アドラー心理学のことわざに「耳は2つで口は1つ、言う2倍聞きましょう」というものがあるそうです。
よく聞き方を学ぶ勉強会などで聞く言葉ですね。
この点については詳しく述べませんが、とっても大切なことです。
これができると子供は自分の気持ちをコントロールできるようになっていくはずです。
さて、思春期の子供の扱いに関して深沢先生からいただいた資料には、さらにこんなことが書かれていました。
ペットから放牧へ!
親御さんにもいろいろな人があると思いますが、支配性の強い人は子どもをペット化してしまうことが多いようです。
でも、いつまでもペットのように扱っていると子供の精神的な成長を阻害してしまう可能性もあります。
だからこそペットから放牧へ!
その際の注意点として、
放任主義ではなく、放牧主義で!
よく、放任主義ということで、子供のなす事に全く口を出さないという人がいるかもしれませんが、それも問題です。
ある程度の柵をつくって子供をそこで自由に動けるようにしてあげる。
もちろん、柵の外に出ようとすることもあるでしょう。
実際に出てしまうこともあるでしょう。
その時には、対立が生じるかもしれません。
それを避けることがないようにしたいものです。
でも、柵を出ようとしても帰ってきたらサポートしてあげる。
ペットから放牧へ
放任主義から放牧主義へ!
そんな放牧主義が子供を健全に育てるのかもしれませんね。