インプロって言葉を聞いたことがありますか?
インプロビゼーションの略で、即興劇などと訳されるようです。
インプロはもともと舞台俳優さんたちが、臨機応変に舞台をこなすため、即興性を鍛えるために行われていたものだと思うのですが、現在、教育やビジネスに活かすためにインプロを学ぶ人も多いようです。
実は昨日、そのインプロをテーマにした地元の大学で行われた公開講座に参加してきました。
講座のタイトルは「教育と臨床に生かすインプロビゼーション」というもの。
臨床心理士の資格を持った大学の先生が、カウンセリングに活かすためにインプロを学ぶようになり、それを公開講座で教えているのです。
そして昨日は、実際の舞台俳優さんである「ゆりさん」という方がその先生と共に指導をしてくださいました。
ゆりさんは舞台俳優なので声の出し方についても話してくれたのですが、とても興味深い事を話してくれました。
まず、それをお話ししますね。
どんなことかというと・・・
人がコミュニケーションをとる際に感情を伝えるためには低い声の方が気持ちが伝わるんだそうです。
そして高い声はただの情報を伝えるためには適していますが、感情を伝えるためには適さない。
例えば、誰かがつらそうにしているときに「何かあったの?」と聞く場合、高い声で言うと心配している感じが伝わらない。
心配していることを伝えるためには低い声で、しかもゆっくりした口調で「何かあったの?」と聞かないといけないわけです。
逆によく女性が、何人か集まって話をしているときに高いトーンで話しているときがありますが、それは単に情報を伝達しているのであって、感情に関する話はしていないはず、そんな話もしていました。
それに加えてここ10年くらい、日本人の会話のトーンがだんだん上がってきている、なんて研究報告をしている研究者もいるんだそうですよ!
いまの社会を映し出しているようでちょっと怖いですね。
それだけ表面的なコミュニケーションしかしない人が増えているということなのかもしれません。
それはいいとして、講座自体はとてもおもしろいものでした。
例えば、2人ペアーになって対面して両手をつなぎます。
そして片方の人はもう一方の手を引くのですが、引かれる人は目をつぶります。
引かれる人は相手に身をゆだねるしかないのです。
何組ものペアーが室内を歩きまわる音を聞きながら、私も相手に身をゆだねて引かれました。
最初、何も見えないので多少の怖さを感じましたが、相手のリードが上手なのか、他の人にぶつかることもなく安心して演習を終えることができました。
また、こんなワークもありました。
4人が人組になって「桃太郎」を演じるのです。
最初、それを2分で演じるのですが、1分、30秒、15秒と時間がどんどん少なくなっていきます。
「15秒で桃太郎を演じるなんて」と思われるかもしれませんが、なんとかなってしまうというか、何とかしました。
そんなワークをこなしながら最後には、3つのグループがそれぞれ5つの課題を即興で演じる。
なかなか文章で説明するのは難しいのですが、笑ったり、感心したり、とても楽しい時間を過ごすことができました。
10時から始まった講座が、気がついたらもう5時、そんな感じ!
本当は土曜、日曜と2日間の講座でしたが、土曜日は予定が入っていて、私は昨日の日曜日だけの参加でした。
一日目を参加していない私は、参加者の輪に入れるか心配していましたが杞憂に終わることに!
さて、ここで学んだことは勇気づけ勉強会を行う時やカウンセリングを行う時に役立つだろうなと思いました。
例えば、勇気づけ勉強会では、インプロのワークを取り入れることによって勉強会がより興味深いものになるかなと思います。
また、カウンセリングでは臨機応変に対応能力が求められますね。
日頃からインプロを行っていると突発的な事柄に対しても対応能力が培われるのではないかとも感じました。
あと自分をしばっている制限の枠を取り払うのにも役立つかもしれません。
インプロ、結構面白いです。
機会があったら挑戦してみるとおもしろいと思います。