元禄花見踊 | 『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

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fuyusunの『何じゃこりゃ!長唄ご紹介レポート』
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年代 作曲 作詞
明治11年 杵屋正次郎 竹柴瓢助

江戸時代で一番文化が栄え人々が生き生きと活気溢れ華やかな時代。
私は、元禄時代かなと思います。
元禄時代は五代将軍綱吉の時代。「お犬様」とか「忠臣蔵」とか歴史を良く知らない私でも、ぱっと思い浮かびます。

しかし、この曲は明治に作られたもので元禄に作られたものではありません。

遥か昔、女優の卵ちゃんをやっていた頃。ある時代劇のお仕事で、芝居小屋の舞台のシーンでこの曲のバックダンサーをやったことがあります。まあ時代劇はフィクションだし、時代考証が適当なんでしょうね。

そんな華やかな時代のお花見の風景を唄った曲です。
曲自体も派手だし、踊りが入るともう眩しいくらいです。
この曲は新富座という劇場の新築落成の開場式の為に作られた曲だそうです。
どうりで賑々しい曲だと思いました。
明治時代というと、色々な西洋文化が日本に入ってきた時代です。
音楽も色々と西洋のものが入った来ました。
長唄というのは基本的に二拍子の音楽です。
ですから、ワルツ…三拍子なんて有り得ないのですけれど、この曲の一部に三拍子の部分があるんです。
きっと杵屋正次郎という人が西洋から入ってきた新しい音楽に触れて、長唄にも入れようと思ったんでしょうね。
私はこの長唄らしくない三拍子の部分が大好きです。

たぶんこの曲の一部、聞いた事ある人いっぱいいらっしゃると思います。
ちょっと前、テレビのCMで人気の市川海老蔵さんがお茶の宣伝でこの曲に合わせて踊っていました。
けっこう長い曲ですけれどメリハリがあって華やかな曲なので飽きちゃう事はありません。
私は、元気になりたい時、この曲を鑑賞するんです。

お花見っていいですよね。特に夜桜って幻想的で素敵だなと思います。今の明るい夜の時代でも、その怪しげな夜桜の美しさに酔いしれちゃうのに。きっと電気文化のない江戸時代の夜桜って本当に綺麗だったんでしょうね。
今の時代は、ビニールのピクニックシートに皆が寄り集まり缶ビールで乾杯という感じだけれど、当時はどんなんだったんでしょう。
この曲を聞いてもこの辺のところは分かりませんです。
でも、今も昔も上野の山の花見名所は、桜の季節は人がいっぱいなんですよね。
そうそう、この曲の舞台は上野の山だそうです。