【短歌】春の水水かきをなくした手からこぼしてはまた汲みなおす春の湧きみずできるだけ遠くへお逃げ たんぽぽがからっぽの茎を揺らしつづけるたくさんの窓のどれもが明るくて電車から見る海のまっくろきみの手に差し出した水たぷん、と揺れては胸のかたちに戻る暗くして横向きにしてあげるからおやすみおやすみ飢えた鳥の絵夜の桜がとてもうつくしくてこわくて。桜の歌が詠めなくなりました。でも素敵なさくらの歌には出会えました。今年もたくさんのはなびらが流れて行きます。