こんにちは 王様です。

 

「私だったら、倒れています」

呼吸音を聴診した訪問看護師さんの最近のコメントです。

くまりんの呼吸量の少なさに、驚いていました。

 

「最近は慣れましたが、最初のうちは、僕も苦しかったです。」

リハビリに来た言語聴覚士さんが、たまたま口にした感想です。

聴診で、くまりんの呼吸音を聞いて、もし自分がその換気量だったらと想像し、訪問当初の頃は、自分まで息苦しくなっていたようです。

くまりんは、今も、週三回の言語聴覚士さんのリハビリをやっており、半年ほど前から、そのうちの週一回を受け持ってくれている20代イケメンです。(くまりんの幸せ時間です)

 

でも、くまりんは、「平気」、「くるしくない」と言っています。

今も、血中酸素飽和度は、正常値です。

しかし、呼吸し辛い体勢である、ベッドに横になり、人工呼吸器を使用しない日中は、油断すると90%を下回るときがあります。

もしかすると、正常値を示す時は、測定の際、無意識のうちに努力して呼吸をしているのかも。

 

睡眠時の呼吸機能検査では、ずっと以前から、人工呼吸器の使用を必要とする結果です。

もう7年間、NPPV(気管切開せず、フルフェイスマスクでの人工呼吸器の使用)ですが、人工呼吸器を装着していても、換気量が十分ではなく、呼気での二酸化炭素の排出が少なく、呼気終末二酸化炭素分圧は高い数値を示します。

日中、機器を使用して呼吸リハビリをしていても、示される数値は良くなく、拘束性換気障害(呼吸筋の筋力低下で、肺や胸郭が硬くなり、十分な換気ができない)のようです。

 

医師とも話をして、呼吸機能の管理は、「くまりんが苦しくない状態」を目指しています。

NPPVでの人工呼吸器や在宅酸素療法で出来ることは限られています。

無理に呼吸状態を良くすることには難しい。

充分に説明して、くまりんに理解してもらって、本人がしたいようにするしかない、としています。

でも、説明や理解は、難しい。

「人は、理屈では動かない、感情で動く」。

 

さて、ご無沙汰していました。

フルフェイスマスクで人工呼吸器を使うと、マスクの中の唇に空気が吹き付けられ続け、激しく乾燥しているくまりん。

リップクリームは、必需品です。

そのくまりんの窮状を聞いたお友達が、直ぐに助けてくれます。

贈られてきたリップクリームの一部です。

くま家のお嬢様、シュタイフ社製の「エイミー」ちゃんと一緒にパチリ。

 

左から、老舗「ロクシタン」、「ラネージュ」、ちょっとお洒落な「ジルスチュアート」。

韓国コスメの「ラネージュ」の「リップスリーピングマスク」は、寝ている時、一晩中保湿、翌朝しっとりとした唇になるのが、ウリです。

ベリーフルーツの香りで、薄っすらとラベンダー色に唇を彩ります。

 

こんにちは 王様です。

 

ALS11年目、進行した病状のくまりん、もうご飯は食べられない。

胃ろうから、一日当たり900キロカロリーの経腸栄養剤で暮らしている。

でも、時々、月に数度、楽しみの為、ほんの少しだけ口から美味しいものを食べる。

 

王様は、だから一人で食べる。

朝食時間、くまりんは、まだ眠っている。

数回に分けくまりんに朝の投薬したり、人工呼吸器の調整をしたり、何かやりながら、その隙間にトーストを口に入れる、365日同じものを。

くまりんのリハビリや入浴が終わった夕方、トイレも行ったくまりんは、視線入力でゲームをしている。

夕方の3回に分けた投薬を終え、王様は、急いで夕食だ。

いつもレトルト食品か缶詰の保存食を早く食べ、深夜早朝の体位変換・人工呼吸器のチェックに備えた仮眠をとる。

ちょっと寝て起きたら、夜の4回に分けた投薬も、くまりんのトイレの時間も、王様を待っている。

 

でも、時々、二人で一緒に、同じものを、食べられる時がある。

例えば、くまりんもブログに書いたケーキ。

ホールケーキを三等分か四等分したのが、二人の一回分。

くまりんが舌で溶かして嚥下出来る部分、そう生クリームを、王様がくまりんの口に入れる。

もう、舌で窪みのあるスプーンから、すくい取ることが出来ないくまりん。

カップのハーゲンダッツアイスのへらに、米粒数粒分の量を載せ、唇の内側に擦り付ける様にして入れる。

ちびちびくまりんが嚥下している間に、大きな口で、ケーキのスポンジをパクリと王様が食べる。

長い時間をかけて、ゆっくり楽しむ。

まあ、くまりんが10口食べる間に、王様が1口ぐらいかなあ。

 

もう、二人で食卓を囲むことは無い。

「おいしいね」と言いながら、何皿もの料理を目にすることも無い。

今度は、どのお店に行くのか調査することも無い。

たまに、くまりんと王様二人で食べた過去の時間を思い、うれしくなり、楽しいきもちになり、そしてそれから、もうそれが出来なくなったことに気づき少し寂しくなる。

 

さて、お友達が贈ってくれ、くまりんと王様二人で食べたもの。

「ジェラピケ」のチョコレートケーキ、一緒に撮ったのは、、以前贈られた暖かいジェラピケのパンダの室内履き。

壊れないように、二つの箱に分割して、それからまとめて確り梱包してあり、とても大きな箱で届いたので驚いた。

王様が合体して、「ジェラートピケ・カフェ」ケーキ完成。

上の大きなクマは、全てチョコレートクリーム、毛並も再現されていて精巧、ロウソクもカワイイ。

下のケーキも濃厚チョコレート味。

大きなチョコレートクリームは、くまりんが数回に分けて食べた。

 

堂島ロールのパティスリー「モンシェール」が作った「ハローキティ」のベリーケーキ。

上のキティちゃんは、多分ベリー味のムース。

結構タップリの大きさで、ベリーフィリングがムースの下に。

くまりんは、スゴイことに、一回で全部食べた。

くま家もよく行った小田原のかまぼこの老舗「鈴廣」の伊達巻。

他に、「サーモン・アボカド」や「イチジク・チーズ」等オードブル用かまぼこも、一緒に贈られてきたよ。

伊達巻は、スリスリ潰して、くまりんの口に入れました。

魚の味がしっかりして、立派。

他の新作かまぼこも、アボカドムースの柔らかい部分は、くまりんの口へ。

 

「あなたと一緒に食べるご飯が、明日を希望に変えてくれた。」

今年の本屋大賞になった阿部曉子「カフネ」の紹介文です。

題名の「カフネ」とは、ポルトガル語で、「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」の意味。

今、介護で大変なあなたに、オススメしたい一冊です。

 

こんにちは 王様です。

 

くまりんがALSの確定診断を受け、しばらくして始めたことがあった。

眠る前、くまりんと王様二人で揃って、声に出した、「一日でも永く生きる」。

 

確定診断直後、くまりんは、酷い混乱と悲鳴のなかで過ごした。

少しでも、心が落ち着くように、祈り願った。

 

数年間、それを続けた。

でも、段々とその習慣もなし崩しとなり、一緒に祈ることはなくなり、二人の願いは、すれ違っていったかもしれない。

くまりんは、しゃべることが難しくなり、最近は声を出すことも大変だ。

 

発症から、10年以上の時間が流れた。

それでも、王様は、祈ることを止められない、願いを捨てることが出来ない。

 

大変ご無沙汰しております、王様です。
アメブロをしようとして、PCに向かおうとするのですが、ヘロヘロ・フラフラで、つい横になってしまいます。

スマホで、チラチラとみなさんのブログを見るのですが、小さな画面は、老眼に厳しく、コメントやブログを書けない1月・2月でした。

 

さて、最高気温25度以上の夏日も増えてきた沖縄。

春を飛び越し、もう夏がやってきます。

部屋のすぐ前のマリーナには、「スーパーヨット」と呼ばれる全長50メートル級の超大型クルーザーが、バケーションのためか、二隻続けて停泊していた。

数十億円の船に乗っている、どんなお金持ちが楽しんでいるのか気になり、双眼鏡で覗いていた王様です。

 

マリーナの向こうの海は青く、空は輝いています。

そして、雨がザっと降ると、虹が見えます。

そんな時は、つい、くま家の幸せを、虹に祈ってしまいます。