こんにちは 王様です。
ALS11年目、進行した病状のくまりん、もうご飯は食べられない。
胃ろうから、一日当たり900キロカロリーの経腸栄養剤で暮らしている。
でも、時々、月に数度、楽しみの為、ほんの少しだけ口から美味しいものを食べる。
王様は、だから一人で食べる。
朝食時間、くまりんは、まだ眠っている。
数回に分けくまりんに朝の投薬したり、人工呼吸器の調整をしたり、何かやりながら、その隙間にトーストを口に入れる、365日同じものを。
くまりんのリハビリや入浴が終わった夕方、トイレも行ったくまりんは、視線入力でゲームをしている。
夕方の3回に分けた投薬を終え、王様は、急いで夕食だ。
いつもレトルト食品か缶詰の保存食を早く食べ、深夜早朝の体位変換・人工呼吸器のチェックに備えた仮眠をとる。
ちょっと寝て起きたら、夜の4回に分けた投薬も、くまりんのトイレの時間も、王様を待っている。
でも、時々、二人で一緒に、同じものを、食べられる時がある。
例えば、くまりんもブログに書いたケーキ。
ホールケーキを三等分か四等分したのが、二人の一回分。
くまりんが舌で溶かして嚥下出来る部分、そう生クリームを、王様がくまりんの口に入れる。
もう、舌で窪みのあるスプーンから、すくい取ることが出来ないくまりん。
カップのハーゲンダッツアイスのへらに、米粒数粒分の量を載せ、唇の内側に擦り付ける様にして入れる。
ちびちびくまりんが嚥下している間に、大きな口で、ケーキのスポンジをパクリと王様が食べる。
長い時間をかけて、ゆっくり楽しむ。
まあ、くまりんが10口食べる間に、王様が1口ぐらいかなあ。
もう、二人で食卓を囲むことは無い。
「おいしいね」と言いながら、何皿もの料理を目にすることも無い。
今度は、どのお店に行くのか調査することも無い。
たまに、くまりんと王様二人で食べた過去の時間を思い、うれしくなり、楽しいきもちになり、そしてそれから、もうそれが出来なくなったことに気づき少し寂しくなる。
さて、お友達が贈ってくれ、くまりんと王様二人で食べたもの。
「ジェラピケ」のチョコレートケーキ、一緒に撮ったのは、、以前贈られた暖かいジェラピケのパンダの室内履き。
壊れないように、二つの箱に分割して、それからまとめて確り梱包してあり、とても大きな箱で届いたので驚いた。
王様が合体して、「ジェラートピケ・カフェ」ケーキ完成。
上の大きなクマは、全てチョコレートクリーム、毛並も再現されていて精巧、ロウソクもカワイイ。
下のケーキも濃厚チョコレート味。
大きなチョコレートクリームは、くまりんが数回に分けて食べた。
堂島ロールのパティスリー「モンシェール」が作った「ハローキティ」のベリーケーキ。
上のキティちゃんは、多分ベリー味のムース。
結構タップリの大きさで、ベリーフィリングがムースの下に。
くまりんは、スゴイことに、一回で全部食べた。
くま家もよく行った小田原のかまぼこの老舗「鈴廣」の伊達巻。
他に、「サーモン・アボカド」や「イチジク・チーズ」等オードブル用かまぼこも、一緒に贈られてきたよ。
伊達巻は、スリスリ潰して、くまりんの口に入れました。
魚の味がしっかりして、立派。
他の新作かまぼこも、アボカドムースの柔らかい部分は、くまりんの口へ。
「あなたと一緒に食べるご飯が、明日を希望に変えてくれた。」
今年の本屋大賞になった阿部曉子「カフネ」の紹介文です。
題名の「カフネ」とは、ポルトガル語で、「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」の意味。
今、介護で大変なあなたに、オススメしたい一冊です。