TODAY'S
 
​読書




​一線の湖

砥上裕將



    

小説は読んでいる間が、

一種の夢をみているような時間。


 夜寝ている間だけではなくて、
私たちは小説を読むことで、
起きている間も夢を見る事ができるので
す。

〜齋藤孝〜





​あらすじ 


湖山賞(こざんしょう)をかけて

千瑛(ちあき)と競った展覧会から2年。

大学3年生の霜介(そうすけ)は進路に悩んでいた。

次の一歩がふみだせず、

新たな表現も見つからない日々。


そんな折、亡き母が勤めていた

小学校から水墨画教室の依頼を受ける。

子供たちとの出会いを通じて

向き合う自分の過去と未来。


そして、師匠・篠田(しのだ)湖山から

託された「あるもの」とは…


無限の色彩を映す水墨画を通して

葛藤と成長を描く感動長編!


20万部突破の

「線は、僕を描く」待望の続編です!




​保育士の方はもちろん 


先生をされている方は

共感できる描写がたくさんあるので

ぜひ読んで欲しいです


あぁ!!分かる!!

この感覚!!

先生だからこその子どもとの距離感で

感じる、この感覚を

味わって欲しいです



例えばこの感覚


僕は手を叩いて褒めた。僕も嬉しくなった。そのとき、彼女と目が合った。

瞳が巨大な光を放っていた。それは晴れた日の海面のきらめきのようにも、木漏れ日の眩しさのようにも見えた。
大人では絶対に浮かべることのできない表情がそこにあった。

その笑顔を見たとき、彼女の笑顔の力だけで、僕自身ももう一度微笑んでいることが分かった。
自分のことのように嬉しい、とはこんな感覚だろうか。彼女と僕の間の境目が消えて、嬉しいだけがそこにあった。


「嬉しいだけがそこにある」


素敵じゃないですか?この言葉

砥上さんの本って、

言葉がとても美しいんです


水墨画を描く描写も

風景の描写も言葉が美しすぎる


先生を職業にしている人は、やっぱり

こういう美しい言葉といつも

触れ合っていたいな、と思うんです




そして

霜介は小学生の水帆ちゃんにも

水墨画を教えるのですが、

その時の感覚をもう一つ


彼女は僕に抱き着いた。
子どもといるとき、温もりはいつも突然やってくる。それが当たり前であるかのように、子どもたちは世界に触れる。

僕は幸せだった。
たくさんの花が咲き続けていた。


「子どもといるとき、

 温もりはいつも

 突然にやってくる」


この感覚、分かりますか?

先生をしていると、

「先生!大好き!」って

急に抱きつかれたりして、

ほんとに、突然、

温もりと幸せがやってくるのです



水墨画を描く苦悩を教えてくれると同時に

先生という幸せを文字にしてくれた

素晴らしい小説でした


泣きました

オススメです!!










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