●日本語●
◯題名◯
アンの愛情
◯翻訳者◯
村岡花子
◯出版社◯
新潮文庫
◯ISBN◯
4-10-211303-7

◆英語◆
◇題名◇
Anne of the Island
◇作者◇
L. M. Montgimery
◇出版社◇
Sweet Cherry Publishing Limited
◇ISBN◇
978-1-78226-445-3

■スペイン語■
□題名□
Ana, la de la Isla
□翻訳者□
Elena Casares Landauro
□出版社□
Ediciones Toromítico, S.L.
◇ISBN◇
978-84-15943-21-1
Part 3 (Chapter 14 - 21)
14.
【日】去りゆく友
【英】The Summons
【墨】La llamada
【英】
読んだ日⇒2023年12月7日
感想⇒アンのアボンリーの学校からの友人のルビー・ギリスが結核で亡くなる数日前のアンとルビーの会話からお葬式までのお話です。しゃっくりあげながらの音読でした。天国ってどんなところなのでしょうね。

引用は、ルビーが亡くなる夜の午後までしていた未完成の刺繍がアンに託されたのを知ったリンド夫人の言葉です。
“There’s always a piece of unfinished work left,” said Mrs. Lynde, with tears in her eyes. “But I suppose there’s always someone to finish it.”(引用)
【墨】
読んだ日⇒2023年12月7日
感想⇒赤毛のアンの一冊めででてきた、エム・ホワイトが出てきます。彼女とルビーはアボンリーの学校時代、親友でしたが喧嘩してそれからずっと絶交していました。ただ、エムはルビーを訪ねてきて、当時のことを話したそうです。この本を読むと、一冊めのそのパートを読むことが特別なことになります。
La pobre Em White vino a verme ayer. ¿Te acuerdas que Em y yo fuimos muy amigas durante los tres años que estuvimos juntas en la escuela? Y luego nos enfadamos el día del concierto. No nos habíamos hablado desde entonces. (中略) Em y yo recordamos esa vieja pelea ayer.(引用)

15.
【日】夢のゆくえ
【英】A Dream Turned Upside Down
【墨】Un sueño al revés
【英】
読んだ日⇒2023年12月9日
感想⇒アンが以前書いて出版社に送り、送り返された(出版してもらえなかった)作品を、ダイアナがベーキングパウダーの広告用物語作品コンテストにアンに秘密で送り、結果アンの作品が勝ち残り25ドル勝ち取った話。

アンの気持ちは理解はするけど共感はできないんですよね、初めて読んだ時から。ダイアナとギルバートに賛成してしまいます。作家さんなら、理解できるのでしょうか。それにしても、ギルバートの言葉って、とても説得力があります。

【墨】
読んだ日⇒2023年12月9日
感想⇒音読してて思ったのですが、”al revés”ってサラっと言えなくないですか?Lの舌の位置からRの巻き舌ってスムーズに言うの無理すぎて、何度も練習し、Rの前をいったん区切るか、Lは舌の位置だけ正確にしてほぼミュートでRの発音に移る、かなぁと結論づけました。スペイン語圏に住んでいたころは聞いたまま発音してい谷違いありません。脳みそを使わずにスペイン語喋れる環境って幸せだったのです。

16.
【日】「パティの家」の住人
【英】Adjusted Relationship  
【墨】Relaciones que encajan
【英】
読んだ日⇒2023年12月10日
感想⇒パティの家、ラスティ(猫)、ジェミシーナおばさん!
パティの家での生活編は、この本での私のお気に入りです。ラスティがクロロフィルでの安楽死を試される箇所は結果が分かっても涙が出ます。昔は、ペットショップはなかったにしても、動物の避妊手術なんて考えもしなかったから殺された赤ちゃん猫とか犬とかいましたよね。。。絶対に調べたくない史実ですショボーン

一軒家に友達数人でシェアハウスパート(監督役にジェミシーナおばさん)の始まりです!

【墨】
読んだ日⇒2023年12月10日
感想⇒少しだけ読みやすかった、かな?英語で一通りの単語調べていて、英語とスペイン語は単語が古ければ古いほどスペルが近いから、かもしれません。難しくて読むのにとっつきにくい時は辛いけど、サラサラ読める時は音読が楽しいです。最初に読み始めた頃に比べたら少しだけつっかえる回数が減ってきたように思えます。ただ、まだ文法を読みながら理解して意味を正確に拾いながら読む、というのまでには至っていないです。『日本語で読んだから内容知ってるよ貯金』と『スペイン語が喋るのに不都合がないくらいは分かるよ(文法は知らないけどね)貯金』にだいぶ頼っている気がします。まだまだ先が長いから、この気持ちが今後どう変わっていくのかが楽しみです。照れ

17.
【日】デイビーの手紙
【英】A Letter from Davy
【墨】Una carta de Davy 
【英】
読んだ日⇒2023年12月13日
感想⇒裕福な生活に慣れていたフィルが、慎ましい生活を送る事での変化が最初に書かれています。雪の結晶の美しさに気づき感謝しています。ほっこりパートですね。

さて、スペイン語版で引用した部分。英語ではアポストロフィ『’』でした。
I’m going to read you Davy’s letter. His spelling has improved immensely this past year, though he is not strong on apostrophes, and he certainly possesses the gift of writing an interesting letter.(引用)

【墨】
読んだ日⇒2023年12月13日
感想⇒冬です。アナの世界も雪が降り始めました。そんな寒い冬にデイビーから手紙が届きそれをパティの家の住民が読むお話です。アナの世界は物価高騰中みたいです。それもこっちの現実と同じです。

読んで、君名前あったんかい!と驚いたこと。スペイン語のñの上のウニョっとした部分こんな名前だったんですよ。忘れるまで覚えときます。
Os voy a leer la carta de Davy. Su ortografía ha mejorado mucho durante este último año, y aunque todavía pelea con los acentos y las tildes, no cabe duda de que posee el don de saber escribir unacarta interesante.(引用)

18.
【日】ミス・ジョセフィンの遺言(ゆいごん)
【英】Miss Josephine Remembers the Anne-Girl
【墨】La señorita Josephine recuerda a Ana la niña 
【英】
読んだ日⇒2023年12月17日
感想⇒原文のタイトルを初めて知ったのですが、最高ですね。章を読み終えてタイトルの意味の深さを知る。最後の最後になるまで話が一本の糸に繋がらない(ような語り口になっている)。ジョゼファーンさんの心の中にいるアンはずっと少女でしたものね。ジョゼファーンさんは、これからのアンの人生が少しでも明るいものであるように、少しでも道が歩きやすくなる手助けを、アンが大学で学問を修めることを決めたなら少なくともお金の不安を取り除こうと額を決めて残されたのかな、と思い。その愛情の深さに涙が出ました。

【墨】
読んだ日⇒2023年12月17日
感想⇒ジェミシーナおばさんのセリフ、よく分かります。夜起きた時、そばに動物がいる心強さは、取り替えようのない宝ものだと思います。
Me hace mucha compañía escucharla ronronear cuando me despierto por la noche y pienso en mi pobre hija que está en el extranjer.(引用)

19.
【日】幕(まく)あい
【英】An Interlude
【墨】Un interludio
【英】
読んだ日⇒2023年12月20日
感想⇒アンの20歳の誕生日の夜です。ギルバートいないんだ(金曜日じゃないから?)、とか、お誕生日会やらないんだ、とか疑問点はあるのですが、内容はコミカルで『幕間』はこうでなくちゃという読んでいて楽しい章です。大好きな人たちと家で探す、こんな20才を迎えるアンはいいなぁ。カナダの成人年齢は州によって違うのですが他の章を読むと18才な気がします。10代の終わりを迎えるのは『いうもの穏やかな夜』、ってとってもアンイズムです照れ

【墨】
読んだ日⇒2023年12月20日
感想⇒ジェミシーナおばさんの考え方や発言の仕方はとても上品で暖かくて好きです。
Esa señorita Stacy tuya probablemente quiso decir que Ali’s veinte años tu carácter habría tomado una dirección u otra, pero que seguía desarrollándose en ese sentido.(引用)

英語版も!
Your miss Stacy likely meant that when you are twenty your character would have got its permanent bent in one direction or ‘tother, and would go on developing in that line.(引用)

この章、フィルとジェミシーナおばさんの会話も面白いです。読むたびに笑っちゃいます。

***2023年12月21日***
アンとギルバートの物語の歯車がガタンと動くのが次の章だと思っていて、読む時間はなかったのだけれど、書かずにはいられなかったのです。次の章、アンもギルバートも心がすれ違ってしまう、読んでいた辛い章です。マシューの愛情をたっぷり得て、幸せな少女の部屋に心を預けていたかったアン。踏ん張っていたけれど、大人になる時間は止まらないから、背中を強くはたかれ、つんのめるようにその部屋から出されて『現実世界の恋愛』の道へ出されます。よし。頑張って読もう、私。原文でそしてスペイン語でこの物語を始めて読める幸せを噛み締めながら読みます。

20.
【日】ギルバート口をひらく
【英】Gilbert Speaks
【墨】Gilbert se declara
【英】
読んだ日⇒2023年12月23日
感想⇒Gilbert!!!! I feel so sorry for you whenever I read this chapterえーん That made me even more sad because I was reading this Chapter with the songs below:
◆Have a Little Faith In Me (Bon Jovi)*Leaと歌ってるバージョンもサントラに入れて欲しかったー!
◆Auld Lang Syne (Lea Michele)
【墨】
読んだ日⇒2023年12月23日
感想⇒ギルバート!!!って章なんだけど、同時にフィルが輝いてる章だとも思ってます。ギルバートとフィルってすっごい友達として気が合いそう。英語と一緒にギルバートのプロポーズを断ったアンへかけたフィルの秀逸なセリフらこちらです。
【英語】
◇“You don’t know love when you see it. You’ve tricked something out with your imagination that you think love, and you expect the real thing to look like that, There, that’s the first sensible thing I’ve ever said in my life.(引用)
◇“Without any Gilbert in it (Anne’s life from now on.)(引用、括弧内は私の補足です)

【スペイン語】
◇- No sabes reconocer el amor cuando lo ves. Te has engañado con algo que tu imaginación piensa que es el amor y esperas que en la vida real se parezca a eso. Vaya, es la primera cosa sensata que he dicho en toda mi vida.(引用)
◇-¿Sin que aparezca Gilbert en él?(引用)

21.
【日】きのうのばら
【英】Roses of Yesterday
【墨】Las rosas de ayer
【英】
読んだ日⇒2023年12月24日
感想⇒アンがフィルと一緒に、自分が産まれた家のあるBolingbrokeを訪れる話です。フィルの友人達とのパーティやドライブなど楽しい日々を過ごすアン。2人は、アンが産まれた家(両親が住んでいた家)、そして2人が眠る墓へ行きました。両親の肩身は何一つ持っていなかったアン、両親が交わした手紙を読み、自分が誰に愛されどこから来たのかを自覚したのかな、と思いました。自分で自覚するって、大人になり大切な事だと分かりました。自覚なしにやらされた事、言い聞かされた事って、自分の軸をぼやかす大気汚染です。

【墨】
読んだ日⇒2023年12月24日
感想⇒引用したい文があるのですが、あえてしません。アンが両親が交わした手紙を読んで感じた事。素晴らしい文章(台詞)だと思います。両親と子どもが理想の愛情の絆と思い出でつながっている事が当然ではない現代だと、言葉にすると素晴らしさが欠けてしまう気がしたので。

前章で、アンは心を痛めながら大人になりました。この章では、自身の輪郭が濃くなった(自分の歴史を知った)ことで、アンは両親の死という拭えない悲しさがあっても幸福とともに大人になったのだと思います。


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