太極拳の上達論② 質量転換 | 癒快堂・ヒーリングセンター

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 本当はつらいから、あんまりやりたくないけど、質量転換がどんなことでも言えるように思います。なんでも繰り返し何度もやっていれば、上手になるという道理に疑問をはさむ余地はないでしょう。でも数稽古ってシンドいですよね。若い頃、夢中になっていた新体道という前衛武道?は、とにかくハードな稽古でヘロヘロにさせて自然な動きが出るのを待つような稽古だった気がします。シンタイドーのことをシンドイゾーって言っていた記憶があります。

 また質量転換で思い出されるのが、これもずいぶん昔、操体法の足指ゆらしを師匠の今先生にしていた時、いつまでもやらされたことです。それまで私はゆらしが上手にできず元嫁で練習した時などは、気持ち悪くなるとケナされるほど下手くそでした。イレギュラーの講習会で参加者が少なかった時、今先生が私のゆらしが、ちゃんと出来ているか受けてくれる機会がありました。ところが、いつまでたってもOKが出ず、いつまでもやらされ続けました。だんだん疲れてきて、最後はヘロヘロになってリキみも抜けリズムよく自然にゆらしが出来るようになりました。今先生が体を張って、下手くそで気持ち悪くなるような、ゆらしを長々と受けて頂いたことで、ゆらしのコツをやっと掴むことが出来ました。操体法は今でも自信はありませんが、ゆらしだけは絶対的な自信をその時以来、持つことができるようになりました。

 徹底的に同じことを繰り返し数稽古していくと、無駄な力も抜けてコツが掴むことができます。これを更に効果を高めるため気づきを書き止めると、そのまま忘れずに深めていくことが出来て上達への効率があがると思います。

 

①連続して同じことを繰り返す

②気づきを書き止める

③気づいたことを意識的に繰り返し、確認、固定化していく

 

 例えば套路練習をします。なんらかの気づきがありました。忘れないよう套路が終わったらメモします。また同じ套路をやります。その気づいたことを意識して確認しながら固定化していきます。その最中に更なる追加の気づきがあれば、またメモします。最低でも3回程度、同じ套路を繰り返していくと、とても時間もかかるし体力的にも消耗します。が、気づきがどんどん増え、固定化もされ技が変化していき上達を感じることができます。套路の一部分でも、しっくりこない所を集中的に何度も何度も繰り返すことで、だんだん自然な動きになっいていくことは、よく有りますよね。

 師父に週1回程度、個人レッスンを受けているので、1週間で得た自分の気づきや解釈の答え合わせが出来るのは有難いことです。当然、自分の理解や技が否定されることもあれば、稀には褒めてもらえ自分の気づきが正しい方向に向いていることが分かると嬉しい限りです。

 

 まぁ、無理はいけませんが、質を求めて量をこなす数稽古は、上達していくのに避けては通れないでしょう。気づきを追ってやっていくと面白くてやめられなくて、からだのシンドさを乗り越えられれば、いいなあと思います。