太極拳の上達論 | 癒快堂・ヒーリングセンター

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 先日、縁あって拝師させて頂き伝統呉式太極拳に正式に入門しました。たまたま師父(先生のこと)の太極拳の教室がある曜日が都合つかず、個人レッスンをして頂いていました。マンツーマンで指導しているのに下手くそだと、教えた先生が恥をかくので、口伝とかも含めしっかり教えた方がよかろうという御配慮でか、正式な内弟子とさせて頂きました。

 

 なんせまだ呉式を始めて1年半くらいなので、基本の套路と推手をやっと覚えた程度で、武器などはこれからです。そして年齢も50の手習いどころか60の方が近くなっているので、からだが動く内に、早急に伝統呉式太極拳を身に付けなくてはと焦ります。

 

 もともとは一般的な制定拳のサークルで太極拳を3年位やっていて物足りなさを感じて、伝統呉式太極拳を探し出しました。八段錦と24式太極拳などの制定拳を、朝にお寺の境内でやるのは気持ち良かったのですが、若い頃武道オタクだった私は、徐々に本格的な太極拳を求める気持ちが強くなっていき、制定拳から伝統太極拳に鞍替えしました。伝統拳は内容がとても豊かで、気に入っています。武、医、神という多面的側面が融合されていて、私にとっては、とても魅力的な存在です。

 

 早急に効率的に上達するには、どうすれば良いか考えてみると、まず『体を整えてから鍛錬する』ということを考えました。からだの微妙な感覚を感じたり、軸をしっかり通してバランスをとるには、体が整っている方が絶対有利だと思います。もちろん套路練習を積み重ねていけば、自然と体も整っていくとは思いますが、時間がとてもかかるでしょう。逆に体が整った状態で、套路や推手の練習をすることで、無理なく自然と正しい型になりやすいのではと考えます。準備運動として操体法、野口整体の活元運動、片山整体の脚上げストレッチなどで、しっかりからだを整えてから太極拳の稽古をしたら上達も早いのではと仮説をたてました。

 

 次に『稽古の尺度を気持ち良さとする』としました。

拳の練習が良い方向に進んでいるか間違っているか、それを測る尺度がある。あなた自身がその尺度だ。例えば2時間の練習を終えて身体が軽くて気持ち良かったら、太極拳の全部を12として、その内の1は達成できたといえる。もし1日中気持ち良かったら、太極拳が身に付いたことを意味する。つまり太極拳は身に付くと身体に変化が起きる。もし24時間ずっと気持ちが良かったら、日常の起居動作すべてにおいて、あなたはいつも功夫と共にあると言える

『太極拳を語る』 馬長勲

 

 

 私が属するのと同じ北流派(先生の系統は違いますが)の呉式太極拳・第五代伝人馬長勲老師のこの本は何度も読み返していて、特にこの一節が大好きです。自分の太極拳の目標とするところです。実際のところ、站椿功では少し気持ち良さを感じますが、套路をやっている最中に気持ちいいかと問われれば、そんなことないです。せめても、站椿功で気持ち良さを味わって、その余韻で套路練習をしていくことから始めています。また一日中いつでも身体に違和感があれば、操体法で気持ち良く歪みを解消することで、身体が軽やかで何となく心地良い状態を、常にキープできるよう心掛けたいものです。果たしてそれが功夫になるのかわかりませんが・・・

 

 最後に『毎日、站椿功をプラスして練習する。』通常の練習で套路とセットで站椿功はしていますが、それとは別に站椿功を朝とか寝るまえ(寝ながら?)とかにやるようにしたいと思います。もともと仙道の小周天にあこがれ過去に何度かチャレンジしたこともありましたが、ちっともマスターできませんでした。呉式の站椿功では武術的側面を感じますが、そのまま周天気功への導入にもなりえます。太極拳の基礎練習である站椿功が、気持ち良さを味わうことであり、かつあこがれの小周天や大周天への入り口でもあるのだから重点的に取り組みたいと思います。

 

 早く上手にならなくちゃと焦りはありますが、拝師したからには中味の濃い伝統呉式太極拳をしっかりと身に付ける責務がありますので、頑張らなくちゃ。