あたし…何したい? 〜後編〜 | アラフィフぶうこの日々いろいろ

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日々の中で感じたこと、おもしろかったことなど日記がわりにゆるゆると。

【前回からの続き】


まだ悩みの中にいた“彼女”

 

あたしも仕事中の電話だったから

長くなる電話にまわりの目を気にして

トーンは下げたけどできる限りの言葉で

“彼女”を応援したつもり…

 

『なんで、なんでそんなに

 いっつもポジティブなの』


そもそもいつも気怠い感じだけど

今日は何だか声が悲しげな色を帯びている

 

「無理やりだよ。

 ポジティブなふりして

 自分をだましてるようなもんよ

 

 

そんな出来事から3か月位経ったころ

あたしと同じタイミングで転職した

親戚のお兄ちゃんみたいな存在の元同僚

“彼女”とも仲の良かった兄じゃからの電話…

 

『“彼女”亡くなったらしいよ。

 なんか聞いてる?』

「はぁ?ないないっ。間違いだよ。

 だってあたしこないだ普通に話したもん。

 電話だけど」

『家族葬で葬儀も終わってるって。

 間違いないよ。

 でも詳細が何も分からなくってさ。

 またなんか分かったら知らせるわ』

 

………

 

…なんで…なんで…

…うそでしょ…

 

その後兄じゃが聞ける限りのところに

聞いてみたけど

病気で亡くなったらしいということ以外は

分からなかった

 

あたし…

 

最後の電話になっちゃったあの日

まわりの目なんて気にせず

もっとしっかり話を聞けばよかった

あれからも気になってたのに

どうして連絡を取らなかったのか

 

…だってまさか

まさかこんなことになるなんて

誰か想像できた人がいたなら教えてほしい

 

アンニュイな雰囲気でふらっと現れて

ひとしきりおしゃべりして

ふわっと帰っていく“彼女”

 

会社以外では

“彼女”と兄じゃともちっと若い女の子とあたし

当時の仲のいい同僚4人で飲んだのが1度きり

でもあの飲み会は

あたしの生涯で1番楽しい飲み会だった

みんなで苦しくなるくらい笑った笑い泣き

“彼女”もずっと笑い転げてた笑い泣き笑い泣き笑い泣き


あれから10年も経ってないんだよ

 

プライベートで

連絡を取り合うことはなかったけど

ふらっときては

あたしに憂いを打ち明けてくれてたのに

あたしは“彼女”の話を

ちゃんと聞けてたのだろうか

どうしたら“彼女”の憂いをほんの少しだけ

引き受けてあげれられたのだろうか

 

“彼女”の悲しげな

『なんでいつもそんなにポジティブなの』

って言葉が頭の中に貼りついたまま…

 

ずっとずっと貼りついたまま…


ずるいよ“彼女”

死んじゃったら、挽回のチャンスないじゃん

ああすればこうすればの後悔だけが

ずっとずっと残ってく…


話を聴くことで相手の心を少し

軽くすることができる傾聴療法…


傾聴を学ぶきっかけをくれたのは

間違いなく“彼女”だと思う

まだ傾聴が出来るとは

とても言えるレベルじゃないけど

活かせる何かができればいいかな


同じ後悔をしないために

誰かと自分のこれからのために