子供の頃、スイミングスクールに通うのがとにかく嫌だった。明確に言えば、嫌というよりも無駄なことだと思っていた。
泳げること自体は便利なことだが、水泳選手を目指しているわけでもないのに、泳ぎが上手くなることになんの意味があるのか分からなかった。
特に、バタフライや潜水なんてのはどんなシチュエーションで使うのか一番よく分からないから、練習するのが嫌だった。
2017年、ハロウィンでの出来事。
私はこのブログに多々登場するキャバ嬢のマリちゃんと渋谷の街へ繰り出していた。
2,3時間ほど滞在して、そろそろ帰ろうかと思った時。突然、30代くらいの大柄な男に声をかけられた。
「可愛いね〜!これから一緒に遊ぼうよ」
「いや、もう帰るんだよね」
「そうなの?俺これから友達と待ち合わせしててさ、そいつが来るまで付き合ってくれない?」
「・・・」
「俺がコンビニでなんでも買ってあげるからさ」
「んー、10分ぐらいならいいよ」
「分かった!本当に好きなものなんでも買っていいよ。俺、金持ちだからね(笑)」
男はものすごいドヤ顔でそう言って、私とマリちゃんを連れてコンビニへ向かった。
コンビニへ入って早々、マリちゃんはカゴに容赦なくiTunesカードやAmazonギフト券をブチ込んだ。
すると、それを目にした男は「いやぁ、これはダメだよ〜」と言ってすぐに却下した。
マリちゃんは小声で私に「コイツ吐いたツバすぐ飲むじゃん。ヤバ」と言ってきて、笑いを堪えるのに必死だった。
結局、私たちは飲み物を1本ずつ買ってもらって、仕方なく連絡先を交換してから、すぐに解散したのだが、後日、その男は私とマリちゃんそれぞれに誘いの連絡をしつこく送ってきた。
私は無視をしていたのだが、コンビニの件で腹が立っていたマリちゃんは「吐いたツバすぐ飲むのキモすぎって妹尾が言ってましたよ!」という完全に余計な返信をして、男のLINEをブロックした。そのおかげで、私のSNSアカウント全てに男からフォローやお怒りのDMが来ていたが、私は全てブロックした。
まあ、この男ともう二度と会うことはないだろうし、別にどう思われても良かったので、私もマリちゃんも「一つ笑い話が出来たね(笑)」くらいに思っていた。