皇后杯の夜に | 紙業新報のブログ

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紙パルプ業界紙。月3回発行。の公式タワゴト、ボヤきその他(笑

バレーボールに出会えた幸せと、あの白熱の決勝戦の、歓喜のその場にいなかったことへの小さな後悔と、でもそのどちらもが甘美な追憶の中に収まってしまいそうな一夜。あれから何日もたったような気がするのに、あれは、つい一昨日の夜の出来事だったのか。

 

今も思い出すたびに、熱い気持ちと、やさしい暖かさがまじったような、なんとも言えない幸福な温度に包まれている。

 

コートのあちらこちらで笑顔をかわし、抱き合い、手を取り合い、そうやって喜びを振りまいているクインシーズのメンバーたちの姿を繰り返し見ていて、どうしても気になるのが観客席のガラガラなことで、見るたびに毎回、「皇后杯バレーの決勝戦を観戦しに行くのがイブの過ごし方の定番になればいいのに」と思う。

 

こんなにたくさんの豊かな喜びを、こんなちょっとの人たちだけで分けるのはもったいない。試合が終わって、表彰式のあと、選手たちが整列して観客席の応援団と向き合う合い間、通路にはぞろぞろと出口に向かうお客さんたちの列が並ぶ。確かにもう、夜になったし、クリスマス・イブのメインは、やっぱりキラキラしたどこか街に出て、なんかおいしいもの食べるのがやっぱりメインなんだと思う。遠くから応援にきた人たちだったら、帰りの汽車の時間もあるし。

 

トヨタ車体とデンソーの決勝戦、ゲームでは車体が勝利したが、いっぽうのデンソーも、自分たちが素晴らしいチームであることをコートの中で実証してみせた。じっさい、どっちが勝ってもおかしくなかった。最後の瞬間に2点のリードを持っていたのがたまたまクインシーズの方だっただけだ。工藤の鋭いインナーを高橋沙織がスーパーディグで上げたのも、もしかしたら立場が逆だったかもしれない。展開によっては、たとえば高橋の名人芸のようなストレート打ちを鍋谷や石田瑞穂あたりが驚異的に上げて、田原のラストトスを、工藤がこの日のマックスパワーで車体のコートに叩き込んでいたかもしれない。

 

でもそうならなかっただけだ。工藤が打ち、高橋のディグが上がり、最後の1点は、今年、ずっとゲームメイクに苦しんできた比金が思いの丈を全部のせたトスを上げ、アジアの西の果てから地球を半周して日本まで飛んできたネリマンが、渾身のバックアタックでそれにこたえた。ブロックタッチで弧を描いたボールには、もう誰も触ることができなかった。

 

でもほんの一瞬のことだから、「思いの丈を全部のせ」れたかどうかは、わからないけど(笑)こっちの想像だけ笑

 

ただもう必死だった、ネリに託した、という感じだけだったかもしれないょね。

 

 

ここ最近は毎年冬になると咳が出て、気管支炎かなにか、もう年中行事のようになってしまって、試合を見に行くのも勇気というか、周りに気を使ってしまうというのが本当のところなのだけど、この日のこの試合、朝一瞬「行く?」と自問して見たけれど、きっとイブの決勝戦、お客で埋まってるに違いないし、帰りの電車で咳き込むのを想像したら、行かず仕舞いになってしまった。だから人のことなんて言えないけれど、みんな、会場に行けばこんな美しい時間を過ごせたのに、なんで行かなかったの?と問うてみたい気もする 笑

 

薬のんで暖房と加湿器の部屋で見てたら、お客さんけっこういないじゃないのよ。イブの夜はみんな、皇后杯決勝見に行きなさいょ〜

 

 

 

こっちは病欠だから勘弁ね(笑)