無敵艦隊久光 | 紙業新報のブログ

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紙パルプ業界紙。月3回発行。の公式タワゴト、ボヤきその他(笑

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久光を倒すには
 
①サーブの狙い撃ちで崩す
②そこにスキができたら、すかさず集中打で流れをつかむ
③流れをつかんだら離さない
④その過程で起きるラリーでは、ミスを最小限に抑える
⑤サーブミスは可能な限り抑えること
 
この4つすべてを、高いレベルで実現すれば勝つことができる。
少なくとも、勝つための条件を揃えるところまでは行ける。
 
2位以下のチームにとっての最大の問題は、こうした勝利につながりそうな条件すべてを、当の久光のほうが高いレベルで実現してしまっていることだ。
 
集中打で相手に立ち直る暇を与えないこと。相手に付け入るスキを与えないこと。
サーブでは攻めないといけないため、サーブミスもある程度は許容できるけども、サーブミスはミスなので、久光のような抜け目のないチームはしっかりそこにつけ込んでくる。だからサーブミスは抑制的でなければならない。
 
 
たった1本のサーブでぐらついて、バランスを失したままゲームが決まることがある。
以前ある国際試合で、イケイケでゲームを進めていたチームが、相手チームが投入したワンポイントサーバーのトリッキーなサーブ1本でグラリと揺らぎ、そのままバランスを回復できないままズルズルと負けてしまった展開を見たことがある。
 
しかし、久光の強さは、ダメージコントロール能力がきわめて高いということで、多少揺らいでもすぐに立て直してくる。サーブで崩すのは最低条件でしかない。徹底したサーブ攻撃で久光の態勢に崩れが見えたら、すかさず集中打でゲームの流れをつかみ続け、相手に回復するスキを与えないこと。
 
サーブだけで終わらず、二の矢、三の矢を息つく間もなく放ち続ける。それをやり続ける。
 
チャンスをつかんだとき、瞬時に爆発して、すかさず強力な攻撃を絶え間なく連続して打ち込めるチームが今、どれくらいいるだろうか。
 
少なくとも当の久光だけはそれができているように見える。
 
トヨタ車体はサーブでライト狙い撃ちをかなり効果的にやれたけど、そのあとが続かない。ネリマンひとりだけでは集中打にならない。弾幕を張れていない。同じことはミハイロヴィッチを擁するJTにも言えることだ。久光を倒すのはJTだと思っていたが、そう簡単には勝たせてくれない。
 
せっかくつかんだゲームの主導権を、ひとつのミスで久光に引き渡してしまい、そこから連打を受けて一気にひっくり返される。こういった展開を何度も見てきた。久光は1本のサーブミスも見逃さないし、中途半端なフェイントなど、ブロッカーたちの降りぎわで的確に処理され、すぐに逆襲につなげてくる。
 
東レは対久光戦ではサーブ集中で効果を上げ、すかさず堀川、黒後、ケイディで突破口を切り開こうとしたが、たとえばケイディなどの不用意なミスが続き、あっという間にそこに久光に付け込まれて逆転されてしまった。東レはサイドとりわけ白井にとって堀川のバックライトが切り札のようだが、一方でミドルが合わなさすぎるので、そこをさらに改善する必要がある。田代も必要だ。
 
またNECは、これまで山田監督自身が言っていたように「いいところまでは行ける」バレーに終始していたが、このところ少しずつ、勝てるバレーができてきている。ただ、波が荒いのと、塚田の仕上がりが出たとこ勝負のような感じがある。今の鍵は古賀、廣瀬、柳田のコンディションをできるだけ高い位置で維持することだ。ミドル陣は強力だし、山口を使いながら山内復帰がいつの時点か。
久光は長岡望悠の穴など少しも感じさせずにここまで勝ってきた。もうコトここに至っては誰も「近江鳥越の穴」などとは言わないし言えない。東レは早い時点で木村迫田を払拭している。ただし黒後には先輩への憧憬がある。白井に不満などあろうはずもないけれど、先輩が打ったのと同じトスを打ちたいと思うのかもしれないので、ここからはワインディングロードだと思う。
 
長岡復帰後はどうなるのか。久光アタッカー陣は豊富であり、相手に押しまくられて、グラリと揺らいでも、一瞬のスキを突いて鋭い攻撃で得点してくる。たとえば新鍋の調子が今ひとつだとしたら、石井や野本が多く打つ。今村も完全に戦力化が成った。そして、みんながうまく行かないときはアキンラデウォが決めてくれる。そして忘れた頃に岩坂が打ってくる。
 
他チームが突破口を作っても流れを持続できない、というのでは、いいところまでは行けても、久光に対して勝利はおぼつかない。2位以下のチームの感覚で行けば決まっていると思われるような強いスパイクも、誰がという訳でなく久光は上げてくる。並みのチームなら簡単に落としてしまうブロックフォローも、久光の面々はきっちり拾い上げてくるし、まったく、苦労を苦労とも思わせないような涼しい顔でスーパープレーをやってのける。
 
なぜか?勝利のためにそうすることが是非とも必要だからだ。勝つために何をすればいいかを彼女たちははっきりと分かっていて、そのために努力と労力を費やすことに、なんの迷いもないからだ。そして優れたベンチワークがそれを後押しする。チームの全員が、相手に付け入るスキを与えないために、最大限の努力を対価として支払っている。
 
他チームが久光に勝ちたいのなら、久光以上の努力を支払う覚悟を決める必要があると思われる。