金メダルマッチと子どもの手 ~プランA問題~ | 紙業新報のブログ

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紙パルプ業界紙。月3回発行。の公式タワゴト、ボヤきその他(笑

 

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画餅のごときプロ化構想、ビーチでの事務方の大失態、地域クラブチームの運営行き詰まりと解散など、あと協会の会長人事もすんなり行かず、なんかイヤなムードの漂うバレーボール。

 

このイヤな感じを払拭するためには日本のバレーボールが強くならないと!強くなるにはどうしたら?ということで考えたのが、みんなにバレーに興味を持たせて活性化するのがいいと思い、

 

①プランA.2020東京の有明アリーナで金メダルマッチをやって、スタジアムの大観衆を熱狂させる。

 

という手なんすけど、決勝まで勝ち進んでる時点でもう強いわけなんでダメか。なのでちょと変えて

 

プランA´.バレー全日本が今のチーメンでもう死ぬ気で頑張ってなんとしても決勝まで勝ち進んで、スタジアムの大観衆を熱狂させる。

 

というより困難なプランになっちゃいました。

 

でもこれが今の現時点での現実なので、中田監督が「国家プロジェクト」という語彙を使ったのも、私はわかりますよ。関係者たち周りの人間もたぶん同じようなこと言ってると思います。政府が関与とかそういうのじゃなく、もう国を挙げて、っていう。

 

前も何度か書きましたが、1964東京での女子バレーボール金メダルの持つ意味は、日本の近代史のなかでも大きいと思いますよね。その後の高度成長の原風景といっていいぐらいの。オリンピックの資金集め宝くじのセンターが大林素子さんなのもそれでしょう。

2020東京では、今もう日本再興戦略というのを政府が出して、各分野でいろいろやってるけど、みんな言わないけどじつは東北の復興がやはり大きい。今度の東京大会の意味は当初は復興五輪というくらいだったから、ひとつはそこにあったのでは?もうかなり私たち忘れちゃってますょね。

 

オリンピックで金メダルが日本バレーをさらに強くする一手なんですが、もうひとつは、

 

②子どもがボールを手に取ること

 

ということで、これはどの球技、どのスポーツでも、逆算して行けば必ずここに行きつくと思います。

先日、仙台でFIVB世界選手権見に行ってきましたが、会場のお客さんのムードは、人数は物足りなかったけれど、雰囲気はよかった。子どもやおばあさんやお母さんがぜんぜん普通に見に来てるのが、やっぱりいいです。ごつい野郎どもばっかりとかだとちょっと勘弁してくれ(笑)って感じになりますけど、バレーの会場は野郎どもだけじゃないのがよかったと思いました。(笑)

 

ごくあたりまえにおばあさんたちが客席に座っている様子を見て、半世紀前に女子が金メダルを取った価値が今もまだ輝いている、と会場で感じましたよ。

 

なかには肘鉄とか、傘の雨水わざとかけてくる意味不明の野郎とか、マナー悪い野郎どもはいましたけど笑、ベーグルもおいしかったし、女性や子どもが多い会場は安心できます。たとえると、お菓子の貯蔵倉庫の中のような。

 

子どもがバレーしたくなるような環境がとっても大事で、それで行くと先日の仙台ベルフィーユをめぐる一連の動きは、まったくそれに逆行しているので、ちょっときっちりしてほしいと思いましたね。ツイッターで何度も書いたりしましたけど

 

子ども「バレーおもしろい!あたしもバレー見たい!やりたい!」

母「前に地元にもチーム一個あったけど、なくなっちゃったからね~」

子ども「え~マヂ?なんで~?」

母「資金難だって」

子ども「ナニソレ~また大人の事情?そういうのも~いいから~!」

母「ね~ほんとだねー」

 

みたいな感じになるので、かなり傷は深いと。そうなる可能性高いと。もしその子がめっちゃ背が高かったらどうする?ジャンプすごかったらどうするの?

ビジネスだとか構造改革だとか退社勧告とか変な大人の言葉が飛び交ってるとバレーに幻滅して、その子がバスケに行ってしまったら?そして長身を生かした魅惑的なプレーで世界から賞賛を浴びたらどうするの?めちゃイケメソで女子からもすげー人気でたらどうするのっ!

 

ってそれはそれでバスケ界にとってはいいことなのでそれはそれでいいか。。。

 

①のプランA´も、②も、両方とも東北に関連してるところが、日本の今の現状の現実を表してると言っていい。。。

 

弱小チームが生き残ることの厳しさと、彼女たちの周りに吹き荒れた暴風の厳しさとはまったくの別物なので、両者を混同してはいけないでしょう。共通点は、どちらもほんとうにきびしくて、苦しんで傷ついた人たちが出たということですが、それぞれは別の課題。どちらも改善し、解決すべき課題です。

地元紙は地域のスポーツ活性化の問題でもあり、かっこう力入れて発信してたと思いますけど、ネット上で一部「選手の気持ちとか思いとかウェットで甘いこと言ってたらバレー界の運営がもう成り立たないんですよ」みたいな言説が見られ、ほんとに残念でしたよ。それぞれを別々にちゃんしてやらないといけない問題なんだから。

 

命題A:チーム運営・経営と、選手たちのケアは、関連性はかなり高いけれど、そこはドライにスパッと切り分けて、資金が回ってくれない中で、地域のクラブチームをうまくやっていく方法はなにか?

 

命題A:まだ続けたいバレー選手たちの思い、考え、将来設計なども含めたケアをどうすべきか?

 

どっちもAの問題。ぜんぜん別の問題なんで、このどちらに対しても、ドライでクールでそれでいて熱い感性で思いと気持ちを繋げて拾って強い日本のバレー界になるといいな!どちらにも魅惑的なプランAが出てくるといいな。

 

一連の事態を、ファンも選手も将来の名選手たちも見ている。ふたつの命題Aは、問題解決を進めていく過程で、もしかしたらどこかで交差するポイントがあるかもしれない。そこがきっと大事な、ダブルテイクアウト&ロールのプランAに違いない!