鼻歌がしている
黒ぶちの眼鏡に
ほぼすっぴんで赤い口紅だけを引いた横顔が
その主だ
それ何の歌?って聞いたら早口 で答えたからよくわからなかった
聞いたからわかる歌でもなかったし君はまた鼻歌を楽しそうにし始めたから曖昧に頷いて歩き続けた
僕が知る人で鼻歌が好きな人は二人目だ
少し考えてみるとマイペースで頑固でクールなようで情熱的な所が似ている
つまり僕の好きなタイプとはこういう人なのだろうか
困ったタイプだ
こっちが振り回されてしまう
今日のこの時のように
自由に過ごしているように見えて
君の鼻歌を聞きながら
実は君の目指す場所へ僕は引っ張られている
ポーカーフェイスも心労になりかねない
知らない場所を君は知っている
僕は引っ張られている
冒険の始まりを
アスファルトを滑る枯れ葉が見送ってくれた
彼女が腰を埋めた時
小さく震えて
唸るようにこう言った
また 逢いたい。
途端に二人に
もうひとつの繋がりが生まれた
遠い時間が近づき
彼女の姿が顔が声が
僕の中から溢れていく
君と出逢えたことが
運命だったと教えている
僕は手を伸ばした
君が初めて見せた
子供みたいな笑顔
白い肌に輝いてた