御堂筋のイルミネーションにはまだ早かったみたい
それでも山吹色に染まった銀杏は鮮やかにライトアップされて僕らの歩みを軽くした


小さなビストロ店でうさぎのローストを頬張る
15夜を少し過ぎた夜だから罰は当たらないとか不思議な言い訳をした


ミナミへ一方通行の御堂筋からキタへ一方通行の四ツ橋筋にUの字にタクシーが曲がって真っ直ぐ北上する
無駄な遠回りは誰の仕業かと甘えた声が聞こえる

絡ませた指にシンプルな答えがこの先にあるとわかった



部屋の大きな窓辺
見下ろす街はさっきまで僕らがいた世界
君がまとった真っ白な衣が
この夜の終わりを
惜しみながら
僕ごと包んだ



独りになりたかった
彼女はそう言った


ついこの間僕もそう思っていた


独りになるために
夜中にベッドに潜り込んでくる頭の悪い女を捨てた


女にとっては突然のことだったかもしれない


別れた次の日に荷物をまとめて出ていった


誰でもいいから抱きたかったけど無駄な金はなかった

小さな歪みが忍び寄り
冷たい窓ガラスを叩いた


後遺症みたいな淋しさ
ベッドに包まって眠った


やがて空腹が訪れた
何もやることがなかった
することがなくて女がいた時はセックスができたが今はいない

僕は立ち上がり
久しぶりに買い物に出た


季節は過ぎていた
胸を張った


うまく買い物できたと思った
家に帰り早速料理に取り掛かる
我ながら手際がいい
玉ねぎが刻まれてく音が心地いい


キッチンでできたばかりのハンバーグをご飯と一緒に食べる

なかなかよく出来ている


一気に食べた
タバコを曇らせながら過ぎていく時間を見送る


独りになりたかった


その時彼女はそう思っていた


独りになりたくなかった


その時僕はそう思っていた


今はどうだろう


やっぱり独りになりたくはないかな


ただそれだけのこと


明日を欲して
今日は眠ろう



曇り空が行く手を阻んでいる

立ち止まった時に

僕には君がいて良かった