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荒川祐二&Teamスサノオです☆

 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

 

 

 

 



 

 

いよいよこの時が、

 

やってきた。

 

 

 

 



 

 

この国を生んだ、

 

この国の始まりの夫婦神、

 

『イザナギとイザナミの和解』。

かつて愛し合っていたこの二柱の神は、

 

不慮の事故によって、

 

 

妻 イザナミが命を落とし、

 

黄泉の国へ。

その存在の喪失を嘆き悲しんだイザナギが、

 

黄泉の国まで後を追っていったものの、

 

 

妻の変わり果てた姿に絶望し、

 

逃亡をしてしまった。

 

 

 

 

 

 

そうして夫婦は、

 

永遠の別れを強いられることとなった。

 

 

 

 

 

 

この誰もが知っている、

 

日本神話の物語を書き換え、

 

 

新たなる神話を作り出す。

 


そのために今僕らは、

 

当事者である神 イザナギとともに、

 


『黄泉の国の入り口』、

 

黄泉平坂へやってきた。

心臓だけが大きく鼓動し、


影狼と陽向が僕を守るために、


ピッタリと寄り添うようにしながら、







一歩ずつ、一歩ずつ、

 

黄泉の国の入口へと向かう、

 

僕らの前に…。

 

 

 

 

 

 

『黄泉の国の番人』

 

黄泉守人(よもつちもりびと)が、

 


行く手を遮るように、

 

姿を現した。

黄泉守人「…何をしに来た…?

 

弱き者どもよ…」

 

 

 

 

 

 

黄泉守人のその言葉を意に介さず、

 

僕らはまっすぐ前に進もうとした。

 

 

 

 

 

 

黄泉守人「…フンッ…。


頭数が多ければ何とかなると思ったか。


バカめっ!!

そう言った瞬間、

 

闇の中から無数の黄泉守人が現れて、

 

僕らの行く手を遮った。

 

 

 

 

 

 

イザナギ「…どけ…」

 

 

 

 

 

 

黄泉守人「………?

 

クッ、クハハハハッ!!

 

貴様はイザナギ!!



かつて怖気づいて腰を抜かしていた男が、

 

何を偉そうに…

イザナギ「どけーっ!!!!」

僕らも驚くほどの、

 

イザナギの一喝によって、

 



 

瞬時に黄泉守人は全員、

 

姿を消していった…。







あ「…こ、これは…?」







泰澄「…これが闇はすべて幻想である…、

 

その答えだよ…。



恐ろしいと思えば、


闇はどこまでも増幅していき、



乗り越えさえすれば、


闇は瞬時に姿を消していく」







イザナギ「………」







…明らかに決意の違う男の顔をした、

 

イザナギさんの後に続くように、

 

僕らは『黄泉の国の入り口』の前に立った。

あ「こ、ここからはどうすれば…?」







泰澄「…例の依り代を…」







泰澄さんのその言葉に僕は、


この時のために用意した、



菊理媛さんの依り代である、


『聖麻飾り』を取り出した。







泰澄「では…」







泰澄さんがそう言ってご真言を唱えだした、


その瞬間に、



聖麻飾りがキラキラと輝き出し、

 

その場に菊理媛が姿を現した。

それと同時に、

 

菊結びで結んでいた聖麻飾りの結びが解け、

 

2つに分かれたその瞬間、





黄泉の国の入り口が、

 

まるで大口を開けるように、

 

真っ二つに裂け、

錯覚なのか、

 

現実なのか、

 

 





一瞬にして僕の眼前に、

 

闇の世界が広がった。

あ「…こ、これが黄泉の国…?」

 

 

 

 

 

 

…漆黒の闇とはこのことだろうか。

 

まるで何も見えない洞窟の中を、

 

前へと歩もうとしたその時…。

イザナギが自身の頭に付いていた、

 

櫛の歯を一本折り、

 

 

そこに火を灯して、

 

その火を目印に一歩ずつ、

 

 

黄泉の国の奥深くへと、

 

歩き始めた。







場面は違えど、

 

伝説で読んだこの光景を、

 

間近に見ながら、

 

 

僕は同時に、

 

イザナギさんのその表情に注目した。







…すごく大量の、

 

汗をかいていた。

 

 

 

 

 

 

…決して暑いからではない。

 

恐いのだ。

 

 

この先に待ち受ける闇の恐怖と、

 

甦ってくる、

 

かつて一度は逃げ出してしまったという、

 

 

自身の過去と、

 

必死に闘いながら、





イザナギさんは必死に前を向いて、


歩いていた。






…鼻につく腐った肉のような匂いと、

 

時折聴こえてくる金切り声。





例え幻想だとしても、


幻想とは思えないほどの闇の恐怖が、


この身に迫り、





そうして、


こうもりが羽ばたく音と同時に、


僕らの眼前に突如、

 

 



黒い影とヘビが、


迫って来た。

あ「うあっ!!」







そう言って、

 

腰を抜かしそうになったその時…?







その隙をつくかのように、

 

無数の影とヘビが迫って来た。

あ「うぁっ!!


うあぁぁぁぁっ!!

ス「バカたれっ!!

 

気をしっかり持てっ!!」







黄泉の国中に轟くような、

 

スサノオさんの大声が響き、

 

 

一瞬にして、

 

影とヘビを散らしていった。







ス「お前が折れたら、

 

イザナギも折れるやろっ!!


まだそんなこともわからんのかっ!!

 

バカたれがっ!!」





あ「はっ、はい…っ!


す、すいませんっ!!


イザナギさんっ、大丈夫ですかっ!?」







僕のその言葉にも、

 

イザナギさんは視線を変えることなく、

 

 

まっすぐに闇の中だけを見つめ、

 

言葉を発した。







イザナギ「あぁ…、大丈夫…。

 

大丈夫さ…」







…何かがおかしい…。



イザナギさんの様子からそう思った、

 

その時だった。









イザナギさんの視線の先に、

 

僕らはあるものを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

それはかつてイザナギさんが愛し、

 

今もまだその存在を求め続ける、

 

愛する妻、

 

イザナミさんの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

…そして、


その姿は…、











…醜かった…。

古事記での伝説通り、

 

その身は腐乱して、

 

ウジ虫がたかり、



腐臭とともに、

 

全身から不気味な雷神が出現していた。







イザナギ「…イザ…ナ…ミ…」






イザナミ「………。

 

来て…くれたのね…」







…そうしてイザナギが、

 

イザナミのもとへと近寄ろうにも、

 

 

その変わり果てた姿以上に、

 

近付けない『何か』があった。







…そう。

 

気付けば僕らの周りを、

 

 

大量の黄泉醜女(※よもつしこめ 黄泉の国の化け物)が、

 

囲い込んでいた。

徐々に囲われていく範囲が狭まっていく中、

 

逃げ道は来た道を急いで戻るか、

 

 

もしくはイザナミのもとへ、

 

歩み寄るか。







選択肢はその2つに、

 

1つしかなかった。







…しかし…、

 

このイザナミが、

 

本物のイザナミである証拠がない。





もし万が一このイザナミが、

 

本当のイザナミでなかった場合、





僕らも黄泉の国の住人に、

 

永遠にされてしまうかもしれない…。







…しかし…、

 

もう迷っている時間はない。







進むか、退くか…。

 

やるか、やらないか。

 

逃げるか、逃げないか!!

警報が鳴るように、

 

危機感が一気に全身を駆け巡る中、







想像もしていなかった…、

 

出来事が起きた…。









…イザナギは、

 

僕らに背を向けて、

 

 

僕らを置いて…、

 

逃げ出した…。








あ「そんな…そ、そんな…」







…ここまで…ここまで…、

 

来たのに…。

 

 

今日までのすべての努力が、

 

水泡に帰そうになったその時…。







僕ら以上に…、

 

嘆き悲しんだのは…、

 

…イザナミだった…。







悲しみに沈み切った表情のあとに、

 

イザナギを睨み据え、







イザナミ「…許さない…。

 

一度目ならず…二度も…。

 

許さない…絶対に…絶対に許さない…」







その言葉のあとに、

 

 

金切り声なのか、

 

獣の声なのか、

 

それとも、

 


これが妖怪の叫び声なのか。

明らかにこの世のものではない、

 

叫び声を上げながら、

 

 

イザナミは黄泉醜女と雷神を従えて、

 

宙を舞って、

 

イザナギを追った。











…その時だった。











イザナギは走りを止め、

 

クルリと振り返ったその瞬間、











イザナギ「…もう…逃げない…」











確かにハッキリとそう言葉にすると、

 

物凄い勢いで向かって来ていたイザナミを、





負けないぐらい強い力で、

 

抱き締めた。

 

 

 

 

…と同時に、

 

その手に持っていた、

 

 



古事記にも書かれている通り、


古来、邪気を祓う効果があると言われている、



桃の実を黄泉醜女と雷神たちに、

 

投げつけた。

黄泉醜女「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!」





その瞬間、

まるで神話そのままに、


 

黄泉醜女と雷神は蜘蛛の子を散らすように、

 

離れていき、消滅していった。

まだ何が起きているのか分からない僕らも、

気が動転した状況の中、

 

 

イザナギはイザナミを抱き締めながら、

 

その耳元で強く言った。







イザナギ「…イザナミ…っ!!

 

もう…離さないっ!!

 

君をもう二度と…離さないっ…!!」








…その言葉の直後だった。








抱きしめられていたイザナミの身体が、

 

黄泉の国をも照らすほどに大きく光り輝き、

 

 

その姿は元の美しい、

 

イザナミへと戻っていった。

イザナミ「あ…、貴方…」





イザナギ「イザナミっ!!

 

イザナミっ!!!!」





イザナミ「ど、どうして…?」







イザナギ「…ずっと、ずっと…会いたかった…。

 

ずっとこうして、


抱きしめていたかった…。

 


永く待たせて、ごめんっ…ごめんっ…。

 

俺が弱かったばっかりに…。

 

俺が弱かったばっかりに…っ!!

 

 

うぅっ…うぅぅぅぅぅぅ…っ!!」







…闇の恐怖とは、

 

自らの心の幻想である。

 

 

その幻想は時に、

 

神の存在すらも、

 

強く奈落の底へと縛りつける。





しかしその幻想に打ち勝つ心を持ち、

 

そっと優しく、

 

 

いつもと変わらない笑顔と優しさで、

 

手を差し伸べることが出来たなら、


 



闇はその者が発する光に照らされて、

 

姿を消していく。

今イザナギは光となり、

 

イザナミを包み込む闇を消滅させた。









そこに現れたのは、

 

出会った時と変わらない、

 

二柱の神の『愛』だった。

イザナギ「…さぁ、一緒に帰ろう。

 

みんなも待っている」





イザナミ「…は、はいっ!…はいっ!!」









…美しい涙だった。

 

 

現世に向かって、

 

寄り添い歩く、

 

二柱の神からは、

 

 

その全身から絶えまなく光が溢れ出し、

 

黄泉の国全体を照らし出したその道は、

 

 

正しく『光の道』だった。







もう終わることのない、


永遠の幸せへと続く、

 

眩いばかりの道だった。







そうして、

 

黄泉の国の出口を出て、



菊理媛が再び、


現世と黄泉の国の境目を閉じた時、


僕らを迎えてくれたのは、

 

 

同じように眩しいほどの、

 

現世の光だった。

ス「お~!天照の姉やんも歓迎してくれてるわ~!!」





イザナミ「スサノオ…。

 

お前はいつも家族のことを考えてくれて…。


…ありがとう…」





ス「なぁにを言うとるか!!

 

礼を言うなら、このハゲ頭(荒川祐二)に言えっ!

 

これは神と実体のある人間のタッグやからこそ、

 

成し遂げられることや!

 

 

なぁ、相棒!?





あ「…いや、もう…本当に…。

 

僕なんかがこんな場にいて良いんでしょうか、


という思いしかございません…(笑)」







イザナミ「フフッ…」

 

 

イザナギ「スサノオと仲良くしてくれて、

 

ありがとう…」







ス「それにしても親父(イザナギ)、

 

さすがやったな。

 

感心したわ。

 

 

お前(荒川祐二)、分かったか?





あ「何がでしょう?」





ス「さっきイザナギが、


自分だけで逃げたと、一瞬思ったやろ?

 

 

あれは、

 

親父なりの作戦やったということや





あ「ど、どういうことでしょう?」





ス「あの時、

 

あのイザナミは本物か偽物か、

 

分からなかった。

 

 

しかし自分が逃げれば、

 

偽物ならば自分だけを追ってくることはない。

 

なぜなら周りには他の獲物である、

 

お前(荒川祐二)たちもいてたからや。

 

 

しかし、追ってきた。

 

ということはあのイザナミは本物であり、

 

 

同時に自分だけに敵を引き付けることによって、

 

俺たちの身の安全を図ると共に、

 

桃で一網打尽にした。

 

 

我が父親ながら、

 

見事な判断やった」

 

 

 

 

あ「あ、あんな一瞬で、

 

そこまでの判断があったなんて…」

 

 

 

 

ス「それでこそ、

 

俺、俺、俺の親父」

 

 

 

 



イザナギ「おい、やめてくれ、恥ずかしい。

 

…まぁでもあの時すでに、

 

イザナミであることは確信していたさ。

 

 

姿形がどう変わろうとも、

 

愛する妻のことを忘れるわけがない

 

 



 

 

イザナミ「…貴方…」

 

 

 

 

 

 

ス「………。

 

それもそれとしてや!

 

お祝いするぞ、お祝い!!

 

 

 

 

あ「お祝い?」

 

 

 

 

ス「おうよっ!!

 

イザナギとイザナミの、

 

再婚の祝いやっ!!

 

 

結婚式をするぞっ!!

 

 

 

 

あ「お、いいね~!

 

パ~っと行きますか!

 

 

…でも、どこで?

 

 

 

 

ス「決まっとるがな!!

 

イザナギとイザナミが、

 

 

初めて愛を育んだ、

 

『あの場所』やっ!

 

 

 

 

 

 

あ「『初めて愛を育んだ、あの場所』…?

 

あぁっ!あの場所ね!

 

了解しました☆

 

 

ちなみに泰澄さんたちは…?」

 

 

 

 



泰澄「参加させて頂くさ。

 

もちろん菊理媛も…」







…。

……。

………。

…………。







…言葉に出来ないほどの感動と、

 

いよいよ終わってしまうという寂しさとともに、

 

僕らの旅が幕を閉じようとしている。

 

 

 

 

 

 

この旅が、


最高な形で幕を閉じる、

 

そのために。



 

 

『イザナギとイザナミ』、

 

二柱の神の新たなる門出を、


みんなでお祝いに行こう。

 

 

 

 

 

 

再び括られ、

 

結ばれた縁が、

 

二度と切れることのないように。

 

 

 



 

イザナギ。

イザナミ。
ではなく、

 

 

 

 

『イザナギとイザナミ』として、

僕らの心に二柱の神が、


いつまでも、

 

生き続けていくように。

 

 

 

 

いつまでも、

 

いつまでも…。


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