荒川祐二&Teamスサノオで~す☆

(※今日のブログは長いので、お時間がある時にゆっくり読んでください)





『スサノオと瀬織津姫を巡る旅』。

※イラスト by 瑠璃の星☆ミさん

ひょんなきっかけで始まったこの旅は、

 

思わぬ形で人と神の交錯する歴史に、

 

足を踏み入れることになり、

 

 

時に必死に学びながら、

 

 

それでも『感じる』気持ちと、

 

神々に対する敬意と感謝を忘れずに、

 

歩いてきた。

 

 

今回のこの瀬織津姫を巡る旅は、

 

これまでのどの旅とも違い、






本当に難しかった。






知識に寄り過ぎてもダメだったし、

 

かといって、

 

感じるままに書くだけでは、

 

 

歴史の裏側までをひも解いて、

 

描くことは出来ない。

 

 

非常に微妙なバランスを常に求められ続けた、


長く、繊細な旅だった。




ただその『繊細さ』というものが、


瀬織津姫という女神に触れる上で、


最も必要な感覚だったのかもしれない。

この旅が終わりを迎えようとしている、

今思うこと。






それは、

 

『後悔を残したくない』ということ。






これまでの人生で一番、

 

学ぶことに費やした期間だったから。

 

 

神々の歴史と人の歴史の裏側を、

 

理解しようと、

 

頭を抱えた期間だったから。





この『瀬織津姫を巡る旅』のクライマックスは、

 

最高な形で迎えたい。





そのためには、

 

瀬織津姫のもとへと向かう前に、


どうしても行かなければいけないところがある。





それが瀬織津姫とその夫神ニギハヤヒを、


封印したと言われている、


『史上最悪の女帝』と呼ばれた、

 

持統天皇の魂が鎮まる墓だった。

ここに来るのは、

 

今年の1月と合わせて2回目。

 

 

その時は僕が持統天皇の魂を前にして、

 

『ニギハヤヒ』という名前を出したその瞬間に、




『…その名前は聞きたくない…。


…祟りが…、ニギハヤヒの祟りが…』

という言葉と苦しそうなうめき声を上げて、


持統天皇の魂は、その姿を消してしまった。





今思えば、

 

この時の持統天皇の魂が発した、



『ニギハヤヒの祟り』という言葉が、


天武天皇、持統天皇晩年に起きた祟りを調べるきっかけになり、



そこからニギハヤヒという神の謎の解明に繋がる、


大きな手掛かりになってくれたとは思うものの、





それでもやはり気にかかるのが、


このまま僕がこの旅を終えてしまったら、



持統天皇の魂から感じた、


あの物悲しさと苦しみは、


どうなるのだろう?ということ。



そう思うとやはり、


この旅を終えるその前に、

 

 

持統天皇の魂に、


もう一度触れておかなければいけない。

 

 

自分に何が出来るかなんてわからないし、


何が出来るとも思っていないけど…。





その地に赴くことに意味がある。





そう思って、


大峯山を降りたその足で、



再び僕らは持統天皇の魂が鎮まる、


奈良県は明日香村にある、


『持統天皇凌』に降り立った。

ここに鎮まるのは決して、


『史上最悪の女帝』などではなく、

 

 

女性という身でありながら、


亡き夫の意志と夢を継ぎ、



男以上に強き女として、


未完成の国家の長となった持統天皇。



いや、持統天皇である前に、


13歳の頃から夫 天武に恋し,



日本史上最大の内乱『壬申の乱』をともに乗り越え、


最愛の夫に生涯を捧げることを誓った、



1人の『鵜野讃良(うののさらら)』という、


女性であること。

 

 

そんなことを思いながら、


その魂に思いを馳せた。






…そこに…?






鵜野讃良こと、持統天皇の魂が現れた。

持統「…また…そなたか…」




あ「…何度も…すいません…」




持統「…何の用じゃ…?」





…持統天皇にそう問われても、

 

僕に咄嗟に出てくる言葉はなかった…。



何かを伝えようとして、

 

ここに来たわけではなかったから。





持統「…用がないのであれば、

 

簡単に来るでない…」





そう言うと、

 

持統天皇はその姿を消そうとした。






…このまま終わっていいのか…?






そう思ったその瞬間…。






あ「待ってください!!」






持統「…ピクッ…」






あ「な、何を伝えればいいのか、わかっていないのですが…」





持統「………」






あ「あ、ありがとうございます…!

 

僕はあなたに、感謝しています…!」





持統「…感謝…?」





咄嗟に出た僕の言葉に、

 

持統天皇の魂は、

 

いぶかしげに僕の顔を見る。







持統「…感謝?」







あ「い、色んな人が…色んなことを言います。

 

けど、僕は…貴方がいてくれたから…、

 

今のこの…日本があると思っています…。

 

 

誰がなんて…言おうとも、

 

それは偽らざる真実だと思い…ます。

 

 

だから…、こんなことを言ってすいません…。

 

胸を張って鎮まっていてほしい…です…」





持統「………」





あ「本当に…偉大な先人に…、

 

偉そうに言って…すいません…」

 

 

 


 

 

…そこから、

 

どれぐらいの時間が経っただろうか…。

 

長く、苦しい沈黙の時間が過ぎ…。





あ「…え?」









持統「う、うぅっ…うぅっ…」









…泣いていた。

 

あの『史上最悪の女帝』と言われ、

 

時に鉄の女、氷の女、鬼となった女とすらも呼ばれた、

 

 

あの持統天皇が泣いていた…。







持統「うぅ、うぅぅぅぅ…」







あ「あ、あの…」

ス「何も言うな。

 

今は何も言わずに、泣かせてやればいい…」







持統「うぅぅぅぅ…うぅぅぅぅ…。

 

うっ、うぅぅぅぅぅぅ、うぅぅぅぅぅ…」






かつて途方もない執念と、

 

夫との約束を護るために都を築いた、

 

奈良の天地に、持統天皇の泣き声は響き渡った…。





いや、その声は『女帝 持統天皇』ではなかった。





1人の女性、

 

『鵜野讃良』の姿がそこにあった…。







…その時だった…。

突然僕の首にかけていた隕石のネックレスが、

 

燃え上がるような熱を持ち、





突然辺りを吹き飛ばすぐらいの、

 

圧倒的な神威が爆発するように広がり、





…そこに、

 

『この世の始まりを告げる神』、

 

ニギハヤヒがその強烈な姿を現した。

あ「…え!?ニギハヤヒ…さん…!?

 

ど、どうして…!?」





持統「ニ、ニギハヤヒ…!ニギハヤヒ…!!

 

ヒ、ヒィィィィィィィイ!!!!」





今度は持統天皇はニギハヤヒさんの姿を見て、

 

恐怖におののき、叫び、喚いた…。

 

 

あの天武天皇、持統天皇晩年の、

 

国を壊滅させるほどの、

 

『ニギハヤヒの祟り』を思い起こしたのかもしれない…。







あ「ニ、ニギハヤヒさん…、どうして…?」







ニギハヤヒ「…良い機会だ…。

 

私の封印を解いたお主(荒川祐二)がいるからこそ、


私もこうして姿を現すことが出来る…」





あ「い、一体、何を…?」





隕石の力によって、

 

この星を破壊し創造した、



次元の違う伝説の神の言葉の真意が分からず、


僕も正直うろたえるばかりだった…。




泣き、喚く持統天皇に、うろたえる僕…。





そんな僕らに、

 

ニギハヤヒさんがゆっくりと言葉を発する。







ニギハヤヒ「…持統よ…」







持統「ヒィィィィィィィイ!!ヒ、ヒィィィィィィ!!」









ニギハヤヒ「…もう己を…許してやってはどうだ…?」









あ「…え?」







…聞こえているのかいないのか、

 

持統天皇は両手で頭を抑えて、

 

ガタガタ震えている…。







ニギハヤヒ「…私たちはお主を決して、

 

祟るようなことはしておらん…。

 

神はそのような存在ではない







あ「ど、どういうこと…ですか…?」





ス「…ん…。

 

まぁ本来『祟り』というものはな、

 

神が起こすものではないということや。

 

 

大概の場合『祟り』というものは、

 

自らが犯した罪や行動に対しての、


罪悪感や自責の念によって引き起こされる場合や、



もしくは起きた現象自体を、


自らの罪悪感によって、


『自分が引き起こしてしまった祟りだ』と思うことにある、ということや





あ「そ、そうなんですか…」






スサノオさんと僕の会話を尻目に、

 

ニギハヤヒさんが持統天皇の魂に、

 

言葉を発する。







ニギハヤヒ「…この者(荒川祐二)がいる今だからこそ、伝えよう…。

 

人間が施した封印などという小さなもので、


神の存在を抑え切れると思うな。



そんなものは神という無限の概念に於いては、

 

毛筋ほどのことでもない。

 

 

お主(持統)が国家の長としてやろうとしたこと、

 

見据えた未来、

 

その1つ1つを我々神々も、

 

きちんと理解をしている…」





持統「………」





ニギハヤヒ「見よ、こうして豊かな国の、

 

礎を築いたのは誰なのか?

 

 

『誰もが飢えることなく平和で、

 

豊かな時代を作る』という天武の遺志を、

 

時を越えて形にしたのは誰なのか?

 

 

すべてお主ではないか







持統「…し、しかし…、

 

私はその未来のために、

 

障害となると思えた貴方様の存在を闇に葬ろうとし、

 

同じく絶大な力を持つ、

 

瀬織津姫という存在を消し去ろうとしました…」







ニギハヤヒ「神を侮るな。

 

ましてや我々、万物創成の神々を侮るな。

 

 

しかし、敢えて人の世界で言うならば、

 

お主が施した封印によって、

 

 

今も私たちはこうして多くの人間に、

 

謎の解明という建前のもとに、

 

忘れ去られることもなく、

 

 

たくさんの愛情に包まれることが、

 

出来ているのではないか…」





持統「…うっ、うっ…」







ニギハヤヒさんの、


その言葉に持統天皇から、


溢れる涙が止まらない…。







ニギハヤヒ「この世はすべて、


偶然という名の必然が作り出す世界。

 

 

例えお主がかつて、

 

自責の念を抱えながらしたことだとしても、

 

 

今この現代ではこうして現実に、

 

我々に対してたくさんの愛が、

 

降り注ぎ続けているではないか。

 

 

…そのお主の功績に、


感謝を伝えよう







持統「うっ、うぅ、うぅぅぅぅ…!

 

私は、わ、私は…!」









ニギハヤヒ「…分かっている…。

 

お主も辛かったのであろう…。

 

 

もうよいではないか…。

 

お主は立派に、


お主の使命のもとに生きた…。

 

 

それでよいではないか…









…ニギハヤヒさんがそう言うと、


辺り一面が突然真っ白な光に包まれ…。









先程までとは比べものにならないぐらい、

 

優しく、柔らかい表情をした、


持統天皇の魂が、そこに現れた。







持統「ニギハヤヒ様、そして瀬織津姫様…。


これまでの多くの神々様…。



私の無礼を…、


心より…お詫び申し上げます…」









ニギハヤヒ「…あぁ、もう終わったことだ…。

 

これからはお互いに、良き未来のために、


この世界を見守っていこうではないか









…持統天皇が生きた時代から、

 

1300年以上という時を越えて今、

 

 

神と人の歴史的な和解を、


僕は目にすることとなった。





…いや、和解ではなく、


神はそんな概念すらも超越している、


『愛』の存在だということを、



この目に、この心に、

 

強く焼き付けられたと思う。





…僕は一生、


この日を忘れない。



 


もしかしたら持統天皇は、


瀬織津姫とニギハヤヒを封印したことによって、



自分で自分の魂を、

 

封印してしまっていたのかもしれない。





燃え上がるほどの思いとともに、

 

使命に生きた、

 

持統天皇という女性の魂の解放を終え、







いよいよ、最後の扉が開かれた。







『伝説の女神』、


瀬織津姫に会いに行く。

※瀬織津姫の物語、クライマックスまで後4話!

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■僕らが作る、新たなる第一歩。
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