荒川祐二で～す
スサノオで～す
小春「♪♪♪」
影狼「……」
『スサノオと日本の神を巡る旅』。
前回までの、
イザナギとイザナミの地を終えて、
次に僕らが向かったのは、
大阪は住吉区にある、
『摂津国一宮 住吉大社』。
あ「住吉大社…住吉大社…、
大阪の人には『すみよっさん』っていう呼び名で、
親しまれてるね」
ス「ほんま大阪らしい呼び名やな（笑）」
鳥居を潜り、
僕らが目にしたのは…？
あ「すごーい！！」
ス「太鼓橋。
またの名を、『住吉反橋（すみよしそりはし）』。
その長さ約２０メートル、高さ約４．４ｍ。
『浪花の名橋５０選』にも選ばれている。
この橋を見に来るだけでも、価値があるよな」
あ「本当に。
何でこんなのが作られたんだろう？」
ス「まぁ橋がある神社、
無い神社もあるけど、
基本的に神社に橋がある理由は、
地上の人間の国と、
天上にある神の国を繋ぐ架け橋、
と言われている」
あ「はーーーなるほど。
何か素敵。ロマンチック」
ス「もう一個…、
ロマンティックな話したろか？」
あ「（ロマン『ティ』ックって気になるな…）
何ですか？」
ス「別に地上と天上界を繋ぐ架け橋なら、
まっすぐの反ってない橋でも、
十分ロマンティックやん？」
あ「（ロマン『ティ』ック…）
そうですね」
ス「この橋が反ってる理由はな、
地上と天上界を結ぶのは、
『虹』と言われていたから、
それの象徴でもある」
あ「マジ！？
確かにロマンチック！！」
ス「やろ！？やろ！？
ロマンティックやろ！？ロマンティックやろ！？！？
超ロマンティック！！」
あ「『ロマンティック、ロマンティック』うるさいな！！
あんたのせいでロマンティックに感じられへんわ！！
って、俺もロマンティック言うてもうたわ！」
…。
……。
………。
…………。
そんなこんながありながら、
かなり急こう配な『太鼓橋』を渡り…。
（※実際は結構危ない。歩きスマホなんか厳禁よ。笑)
入った境内。
あ「広いデスネー！！」
ス「何で急に日本に来た、外人みたいになんねん(笑)」
あ「(笑)
ここのご祭神の『すみよっさん』とは…」
ス「主には、ソコツツノオノミコト、ナカツツノオノミコト、ウワノツツノオノミコト」
あ「え？え？？何て？（笑）」
ス「ソコツツノオノミコト、ナカツツノオノミコト、ウワノツツノオノミコト」
あ「覚えられないっす（笑）」
ス「まぁこれが日本の神さまを、
日常から遠ざけている大きな原因よな（笑）
神の名前が覚えにくい（笑）」
あ「本当に（笑）」
ス「だからまぁ、
俺が言うのもなんやけど、
自分が好きな神さま以外は、
無理して名前を覚えようとしなくていいで」
あ「それでいいのかね、本当に」
ス「別にええがな。
別にテストでも、受験でもないねんから、
名前を覚えることが目的じゃない。
それぞれが好きな神の名を覚えて、さらに興味があればそこから広げれば、それでいいのよ」
あ「確かにね」
ス「まぁそれはそれとして、
ここの祭神はまとめて、
『住吉大神』、
または『住吉三神』とも言われる。
それがさらに大衆化して、
さっき言ってた、『すみよっさん』な」
あ「確認だけど、
ここのご祭神は、やっぱり兄弟なんですよね？」
ス「そうそう。
っていうかお前、
名前は覚えられんとしても、
『住吉三神』のことは、
ちょっとぐらい知ってるんやろな？」
あ「それぐらいは、ちゃんと知ってます（笑）
イザナギが黄泉の国から帰って、
自分自身についた穢れを祓うために、
川で禊を行った。
その時に産まれたのが、
この『住吉三神』ね」
ス「まぁ禊をしたのは、
川とも海とも言われてるけどな。
そこから、
この住吉三神は『祓いの神』、
または『海や航海の神』とも言われている」
と、そんな会話をしながら、
境内奥の本殿前へ。
ペコリ、ペコリ、パンパン、ペコリ。
（二礼二拍手一礼）
…すると…？
？「おー！スサノオじゃないかぁ！！」
明るく爽やかな声とともに、
現れたその神々は…？
※右が長男ソコツツ、左が次男ナカツツ、真ん中が三男ウワノツツ。
※実際は他の兄弟神もいますが、表記的に分かりやすく、ここでは敢えて『長男、次男、三男』にしています。
ス「兄ちゃんたち！！」
あ「兄ちゃん！？！？」
ス「せやで。
何？知らんかったの？」
あ「いや、知らんて！！
あなたのきょうだいって、
アマテラスさんとツクヨミさんだけと思ってたし！！」
ス「アマテラスもツクヨミも、
住吉三神も俺も、
同じイザナギが禊した時に、
産まれてるんやけど？」
あ「そう言われたら、そうやん！！（衝撃）」
長男ソコツツ「いやー！久しぶりだなぁ！スサノオ！！」
次男ナカツツ「相変わらず元気そうだな」
三男ウワノツツ「お前は見てるだけで、元気が出るな」
ス「兄ちゃん！！兄ちゃんたち！！
俺こそ久しぶりに会えて嬉しい！！」
珍しくスサノオは、
無邪気な弟の表情を見せて、
住吉三神の方に飛びついていった。
長男ソコツツ「やめろやめろ！お前はデカいから危ないんだよ！（笑）」
次男ナカツツ「ハハッ！ハハハハッ！！」
三男ウワノツツ「いいじゃん、いいじゃん！久しぶりなんだから！！」
その光景を見ていると、
『住吉三神』は
海の男たちということもあってか、
どこまでも明るく爽やかで、
どこまでも広がる青い海のような、
それとも透き通った青空のような、
持っている空気感自体が、
気持ちよさを感じさせる神々だった。
ス「いやぁ兄ちゃんたち、本当に大好き。
この爽快さと、
裏表の無い明るさがたまらんねん」
長男ソコツツ「明るさは、
お前に言われたくないよ（笑）」
あ「あ、あの～…」
ス「お、どうした？
爽やかとは程遠い、脂ぎった薄らハゲ」
あ「それは、ちょっと言い過ぎやろ（真顔）
おひとつお伺いしてもよろしいでしょうか～…？」
長男ソコツツ「お？スサノオのお友達ですか？
どうされました？」
あ「あ、ど、どうも。
そうです、スサノオさんのマブダチの荒川祐二と申します…」
ス「誰がマブダチや。主従関係や。
当然、俺が『主』な」
あ「それはそれとして、
どうしてお兄さん方は侍の格好を？」
長男ソコツツ「あー！これですか！！
これはただの趣味です（笑）」
あ「神さまでも趣味とかあるんですね（笑）」
ス「兄ちゃんらは、
『祓いの神』やろ？
祓いの儀式は、
大幣（おおぬさ＝白木の棒の先に雷状の紙が垂れ下がったもの）、
を使って神主さんが、君らが下げた頭に、
シャッシャッと振るのが一般的やけど、
刀や鈴を使うこともあるからな」
長男ソコツツ「それでつい服装までハマってしまい…（笑）」
あ「見た目が、侍みたいになったってわけですね（笑）
少年みたいで、かわいい（笑）
それにしてもお三方とも、イケメン」
ス「何と言っても、
海の男たちやからな。
っていうかせっかくやし、
お前も兄ちゃんたちに祓ってもらえ」
あ「え！？いいの！？！？」
長男ソコツツ「承りましょう」
次男ナカツツ「俺たちの姿が見える人間を祓うのは、久しぶりだな」
三男ウワノツツ「よし、やろう」
その言葉とともに、
僕らは他の人の邪魔にならないように、
本殿裏手に場所を移動して、
『住吉三神』が僕を中心に、
輪を作るように立つ。
長男ソコノツツ「それでは、
目を瞑って…。
意識を自分自身の内側…、
魂に集中して…」
チリン、チリーン…。
すると、
三男ウワノツツの立つ方向から、
鈴の音が聴こえ…。
その音色を聴いていると、
心がスーッと落ち着いてきて…
シャッ、シャッ、シャッ…。
次に、
次男ナカツツが、
僕の頭上で大幣（おおぬさ）を振ってくれたのを感じると…、
余計な思考がピタッと停まり、
頭の中がクリアになる。
最後に…、
ヒュンッ、ヒュンッ…、ヒュンッ！！
長男ソコツツが、
僕の身体周辺を刀を振って、祓う。
その瞬間、
僕の全身に
フワッと空気が流れ、
鳥肌とともに、
爽快感が全身を駆け巡った。
あ「うわ…、何か……す、凄い…」
同時に聴こえてくる虫の声、
鳥の鳴き声、
見えてくる雲の動きに、空の青。
長男ソコツツ「こういった自然の営みを愛でることが出来る、心の状態…。
それこそが本来の貴方さま自身…」
次男ナカツツ「その人間本来の状態に戻すのが、『祓い』…」
三男ウワノツツ「我らは祓いの神…『住吉三神』なり…」
…。
……。
………。
…………。
あ「決め台詞まで格好いいじゃねぇか！！」
ス「だから、兄ちゃんたちは格好いいねんって」
あ「何か改めて体感して、
『祓い』ってものが分かった気がします」
長男ソコツツ「まぁここまで特別なことはしなくても、
鳥居を潜ることも、
そこの橋を渡ることも、
神社の中の木陰を歩くことも、
ゆっくり深呼吸することも、
神社に来ることは、
すべて本来の素晴らしい自分に戻るための、
『祓い』のためですから（笑）
悪縁を断ち切ることもそう。
何か上手くいかないという、心の曇りを取り去るのもそう。
見失ってしまった、本来の自分自身を見つめ直すのもそう。
すべての元凶となる穢れを、ここで祓ってください。
もしよかったら次は、ここの神職さんに御祈祷などもしてもらってください。
決して我々のように、鈴や刀は使いませんが(笑)」
あ「あ、ありがとうございます…」
住吉三神「またいつでもいらしてください」
そうして、
ニコッと笑って、
折り目正しく挨拶をしてくれた、
『住吉三神』は、
今の言葉で敢えて軽く言うなら、
正しく『イケメン三兄弟』だった。
ス「せっかくやし、兄ちゃんたちも入れて決めポーズやるか～！！」
あ「ん～！！素敵な神さまたちだった～！！
あれは、絶対女性人気出るね（笑）」
ス「他の神やったらムカつくけど、
兄ちゃんたちやったらいいわ」
あ「僕実家が大阪なんですけど、
今まであんまり『住吉大社』来なかったんですよね。また来よう」
ス「イケメン三兄弟が待ってるからな」
※ボリュームの関係で、他の主祭神 神功皇后や摂社・末社の神々には触れられずにすみません＞＜
ここで紹介した以外でも素敵な所だから、ぜひ行ってみてね☆
明日は、『スサノオと日本の神を巡る旅 ～厳島神社編～』だよ
自由な形で、このブログを広めてくださったら、凄く嬉しいです
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