スサノオで~す
小春「あ~あ~」
沖縄最終日。
あ「あはは!ほ~ら!ほ~ら!水しぶきだよ~!!」
ス「……」
あ「あははっ!ほ~ら!こっち、こっち~!捕まえてごらん!!」
ス「………」
ス「…………」
…。
……。
………。
…………。
ボコンッ!!
(スサノオが思いっきり、僕の鎖骨を殴る音)
あ「い、痛いっ!!(のたうちまわりながら)
お、親にも殴られたことないのに!!」
ス「もう一発ぐらいいっといたろか?」
あ「イエ、オフザケガスギマシタ」
ス「ドアホが。
アホなことしてんと、
飯行くぞ。沖縄最後の飯や」
ということで、改めて沖縄最終日。
僕らは沈みゆく夕日を眺めながら、
最後の夕飯を食べていた。
あ「素晴らしい景色だね」
ス「もうこの沖縄の旅も終わりやな」
あ「楽しかった…、ですね」
小春「コク、コク(頷く)」
ス「これでまた帰ったら、日常が始まる。
まぁ俺たちの場合は、
これから『日本の神々を巡る』壮大な旅が、待ってるんやけど。
それでも俺は、
今回お前が『沖縄に行く』って知って、嬉しかったんやで」
あ「鎖骨思いきり殴ったのに?」
ス「それとこれは別や(笑)
今回の沖縄の旅を通して、
お前は何を感じた?」
あ「何を感じた?
そんな難しいあれはないですけど…。
まぁやっぱり楽しかったのと、
『行けて良かったなぁ』という思い…ですね」
ス「『行けて良かった』。
それは何でや?」
あ「何で?
いや、ここ最近走り続けだったのと、
今回の旅のおかげで、
気持ちも体力的にもリフレッシュできたことですかね。
やっぱり『どこかで行って良いのかな?』という思いはありましたけど…」
ス「『行って良いのかな?』
その思いは何でや?」
あ「そんな『何で、何で』って聞かれても(笑)
いややっぱり世間の、
皆さんの中には働いてらっしゃる方もいるわけで、
そんな中自分だけ沖縄にって、どうなのかなって」
ス「それ」
あ「どれ?」
ス「俺はお前のその思いを、何とかしたかってん」
あ「どの思い?」
ス「この沖縄の旅の、初日の飛行機でも言ったやん。
『まずお前が率先して人生を楽しまないと、
見てる人もバランスが取られへんようになる』って」
あ「言ってたね」
ス「あれは本当にその通りで、
このブログをこうして見てくれてる方々は、
少なからずお前の人生に、
少しでも興味や関心を持って、
見てくれてるわけやん」
あ「そうだと嬉しいですけどね」
ス「そんな3月から始まったこのブログの中で、
お前の人生が変わっていき、
これからもメキメキと変わっていったとする。
そんな中で、
お前が努力をし続け、
肩肘張り続け、真面目に、一生懸命に頑張って日々を過ごし、
その目指していた結果を成し遂げたとする。
そうすると、見てる人はどう思うか?」
あ「どう思うか?」
ス「やっぱり『頑張らないと』、
人生は変わらないんだと思う。
そうなると、
『やっぱり私には、あれは出来ないな』、
『荒川さんは特別。真似が出来ない』ってなんねん。
これがお前の望んでる未来か?」
あ「そんなことは…ないですね…」
ス「そうやろ?
俺がいつもお前に言っていることは、
『人生を明るく、楽しく、元気よく、
生きていくこそが神の道』ということやん?
日々の神さまのことや知識、歴史を知ることも、
あくまでその中の1つの要素でしかなくて、
それを含めた俺の大きな目標としては、
『お前自身も含めて、
これを見てくれている皆さんの人生が、少しでも良くなること』やねん」
あ「はい…」
ス「そうであるならば、
お前が頑張ってばっかりだけじゃなくて、
時に楽しむ姿、
時にゆるむ姿、
時にだらしない姿も、
そんな一つ一つを見せて、
それでも『前に歩んで、成長していく姿』、
それを見て皆さんは、
『不完全なお前(荒川祐二)でも、頑張れるんだ。
なら私にも出来るかも』って勇気をもらえんねん。
まぁお前は365日、不完全やけども」
あ「それを示したのが、
今回の沖縄旅行だったと?」
ス「そういうこと。
お前がこういう『自分自身を大切にすること』で、
これを見てくれている方々も、
『あ、人生って楽しんでいいんだ』と、
ほんの少しでも思えたなら、
尚、素晴らしい」
あ「確かに。
今まで出会ってきた人の中にも、
結構たくさん『自分は人生を楽しんではいけない』って、
思いながら生きている人…多い気がする」
ス「そうやねん。
でも、実際はそんな事なんかないねん。
自分で自分にブレーキをかけてしまっていて、
何かやりたいことがあったとしても、
でも『それをしてはいけない』と、
心の奥底で思ってしまっている。
世間の目や、周りの目が気になって…とかでな」
あ「確かにあるかも。
特にこういう神さま事を知ると、
神職の人みたいに、
清貧に生きなきゃいけないんじゃないか…って思ったり」
ス「君らは神職ちゃうやん」
あ「確かにそうなんですけど(笑)」
ス「いいか?
いつもいつも言っているみたいに、
『人生というのは何のためにあるか?』
それは一人一人にとって、
後悔の無い人生を過ごすためやねん。
何を以て、『後悔が無い』というか、
それは一人一人尺度は違うから、
自分で考えればいい。
ただ大切なことは、
その尺度の中に、
人の目や世間体、
周囲からの評価を入れてはいけないということやねん」
あ「要は自分がやりたいようにやれ、と?」
ス「そう。
でも、当然人や社会に、
迷惑を掛けるようなことをしたらいかんよ。
最低限のルールやマナーを守り、
一定の責任を果たすことが出来ているのなら、
同時に『自分自身を愛し、自らを大切にする心』も、
忘れてはいけないということ」
あ「『自分自身を愛し、自らを大切にする心』…」
ス「得てして、
日本人はどちらかに偏りがちやから、
『自分のために生きる』と言えば、
『じゃあ犯罪を犯してもいいんですか?』みたいな。
その逆に、
『人のために生きる』と言えば、
『じゃあ一生ボロボロの服着て、貧しい生活で頑張れよ』みたいな」
あ「まぁ…そうかもね…(笑)」
ス「そんなことないねんって。
『自分のためと人のための両立』。
それこそ、
俺たち神々が君ら人間に求める生き方やねんから。
自分も潤し、社会も潤し、
人の為にした行動が結果的に、
自分の為にもなる。
その逆も然り。
そうして自分自身の幸せの結果が、
人も社会も幸せにしていく。
そんな人生を俺たちは、君らに望んでるねん」
あ「言われてみれば、自由な時代なのにね。
やろうと思えば、何でも出来るのに…」
ス「そう。
自分の心でブレーキをかけて、
この自由な世界を、
自由で無くしてしまっている。
旅行に行って、
素晴らしい景色を見に行くのもいいやろう。
素晴らしいショーを見て、
溢れるほどの感動を目に焼き付けるのもいいやろう。
仲間と掲げた目標を達成して、
抱き合い、感動の涙を流すのもいいやろう。
人助けをして、
ジンワリと、心を満たす温かい幸せに浸るのもええやろう。
『どこに幸せを感じるか』
それは人それぞれ違うやろう。
だからこそこの自由な時代に、
心のブレーキを外し、自分だけの幸せを追い求めて、
歩いて行ってほしいねん。
それをすることを、
自分自身に許してあげてほしい」
あ「その先に、後悔の無い人生がある…と」
ス「そう思う。
俺たち神々はやっぱりな…、
後悔を持ったまま、
一人一人の人生を終えていく姿を見ることが…、
一番…辛いねんな…。
『何でもっと生きてるうちに、力になってあげられへんかったかな』って…悔やむこともある…。
だから出来ることなら、
頑張って、頑張って、
すり減って、すり減って、
すり減り切って人生を終えるその時に、
『この人生は一体何だったんだろう?』と、
思うような人生ではなく、
たくさんの人を喜ばせ、
尚且つ、
自分自身の夢ややりたかったこと、
そのすべても形にすることが出来、
たくさんの色とりどりの思い出と記憶という宝物を持って、
魂として、天に還っていく。
そんな時にさ、
俺たち神々に聞かせてほしいわけよ。
『こんな楽しいことがあったんですよ!』、
『あんな素晴らしいことがあったんです!』ってさ。
魂が還ってくる時に、
そんな思い出話を聞かせてもらうことが、
俺たち神々の一番の楽しみでもあるんやから」
あ「…そうなんですね。
分かりました。よく分かりました」
ス「だから、ほら見てみ」
あ「?」
スサノオが指差した、
そこには、
正しく今燃え上がる夕陽が、
オレンジの輝く光とともに、
その姿を遠く海の向こうに隠そうとしていた。
ス「素晴らしいやないか。
こんな景色をな、
こんな素晴らしい時間を、
過ごすことの出来る可能性と自由を、
それぞれ君たちは持っているんやから。
めいっぱい、この人生を楽しまないと。
きっとその先に、
自分だけの『幸せ』というもの。
その答えが待っているはずやから」
輝く光に照らされて、
スサノオの頬には一筋の涙が流れていた。
ス「これからも俺に出来ること、知識、経験、
そのすべては伝え続けていく。
そんな一つ一つの言葉によって、
ただ、ただ君たちの人生が幸せになってくれるのなら、
俺たち神々はそれで本望。
だからこそ、
お前に出来ることは、お前がやっていけばいい。
お前自身がしっかり人生を輝かせ、
皆さんに伝えていけることは、お前が伝えていけばいい。
一人一人が、
それぞれの人生を輝かせ、
素晴らしき未来を、
これからもともに…な」
あ「…ありがとう…ございます…」
旅の終わり。
輝く沖縄の夕陽は、
これからの未来へのさらなる希望とともに、
いつまでも、
いつまでも、
僕らを照らし続けていた。