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※頭を使わず、古事記を読める『アウトロー古事記』1話目から読みたい方はこちら♪
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地上界の王を甘く見ないでほしい。
俺が作った誇り高き国はそう簡単には渡さない。
燃え上がる思いとともに、そう強く思った。
しかし、
オオクニヌシにも1つだけ少しの考え違いがあった。
手中に落としたと思っていたアメノワカヒコだったが、
彼は確かに高天原には見切りを付けてはいたが、
その理由は少し変わっていた。
彼は計算高い、野心家だった。
オオクニヌシの娘を妻に迎えた自分。
ということは、
いずれ時が経てば、
自分がオオクニヌシに代わって次の地上界の王になる機会が巡ってくる。
そう考えると、
高天原の神々の言うことを聞いておくよりも、
こっちにいた方がいい。
裏切りの裏には、そんな思いが潜んでいた。
そんな彼に悲劇が訪れる。
アメノワカヒコの派遣から、
8年の時が過ぎていた。
高天原には、
彼から何の連絡も来ていなかった。
あまりにも遅い。
不審に思った高天原の最高神 アマテラスは,
再び神々を天の安河原に集めた。
アマテラス「一体何が起きているというの?
なぜ?
なぜアメノホヒも、ワカヒコも帰ってこないの?
なぜ何の音沙汰もないの?」
オモイカネ「急ぎ確認をしましょう。
おい」
知恵の神 オモイカネがそう言うと、
天から一羽のキジが飛んできて肩に降り立った。
オモイカネ「このキジの名は『鳴女(なきめ)』。
このキジを遣いにやって、
地上界の様子を探りに行かせましょう。
キジならば裏切りもありますまい」
そうオモイカネが言うと同時に、
鳴女は大きく羽を羽ばたかせ、
地上界へと飛び立っていった。
鳴女はあっという間に、
地上界のワカヒコの屋敷前に着くと、
そこにあった桂の木の枝に止まり、
甲高い声で鳴き始めた。
※この素敵なイラストは『描いて覚える古事記』さんのブログからお借りしています☆ぜひこちらもご覧ください♪
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※『笑って、泣いて、神話を学ぶ』、日本の国の始まりと神々のルーツを知る史上最古の連載ファンタジー『アウトロー古事記』、第1話目はこちら☆
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